◆山ガール in 高尾山 
上の画像と本文に関係はありません。 

 常盤さんから自主ワンダリングのご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
 今年の流行語大賞に、ノミネートされたけれど、惜しくも受賞を逃した言葉、「山ガール」。彼女たちで、富士山・高尾山がえらいことになっているってご存知ですよね。20代後半から60代くらいまでの山ガール、それこそうじゃうじゃいらっしゃいます。

 山登り(ハイキング)が最も嫌われていたのは、多分バブル前後であったかと思います。後輩の田中君とほぼ毎年訪れている北アルプス、涸沢に若人の姿がほとんどなく、閑散としている時期があったことが思い出されます。「おばさんしかいないじゃん」と嘆いたことがありました。

 それから数年して、世の中が不況になるにしたがって山登りが見直されてきたのか、1990年代終わりころには少しずつ登山年齢が下がってきました。男女混合、学生のパーティーの姿が復活してきました。そしてここ数年、第三次登山ブームとも言うべき現象が起こっています。もちろん主役は山ガール。

 山登り、それはそれは手軽で楽しい遊びであるとの認識は持っています。だからこそ、かれこれ40年も続けているのです。しかしその涸沢が深閑としていた時代、登山は3Kの代表のように忌み嫌われていたはずです。どうしてこのようなブームが到来したのでしょう。私見ではありますが、最近ふたつの問題が解決したことで、山ガールが異常発生するような事態になったものと思われます。そして山ガール発生に伴って、集蛾灯に集まるおじさんたち・・・、ちょっと違うかしら。

 ひとつはトイレ。これはだれでもご理解いただけるでしょう。最近の山のトイレ、それほど汚くないのです。20年前、30年前とは様変わりです。JRの駅のトイレと、同じくらいと考えて差し支えないかと思います。ふつうにまあまあきれいです。

 そしてもうひとつ(あくまで私見)は、タイツの普及であると小生こっそりにらんでいます。今から5〜6年前でしょうか、山の中を走ること(トレイルラン)がはやりだし、ランナーたちが膝などを保護する目的で、ストレッチ機能のあるタイツをはき出しました。

 特に女性がこれを着用して、上半身は長めのTシャツ、下はタイツだけという姿で走っているのを観賞するのは、なかなか結構なことです。これに対して男性は、短パンをはくのがエチケットです。女性と同じ格好で走っている光景に遭遇することがありますが、正直目をそむけたくなります。

 このタイツが膝の弱った中高年登山者に支持され、ストックと共にブレイクしました。言ってみれば、見せパンと杖じゃないのとも思うのですが、まあ良しとしましょう。この機能性タイツが進化し、おしゃれなガラなどを施して、女性登山者の必須アイテムとなりました。

 見せパンをはいているからスカートOKです。今年はコタツ布団のような、キルティング生地の巻きスカートを着用している人を多く見かけました。巻きスカートと言えば、私たちの学生時代もはやっており、中3トリオのイトーさんのお姿がよみがえってきます(済みません、自分ネタでした)。そして来年は、ミニスカがはやること必定です、と私は主張しておきます。

 羽織っているのはダウンジャケット。ダウンと言えば超高級品でしたが、最近は普及品が多く出回っています。5000円くらいでいくらでも手に入ります。特にユニクロの製品が好まれるようです。そして首にはデジイチ。昨年はオリンパス社の製品が大流行でしたが、どうもこのミラーレス一眼では飽き足らなくなり、いわゆる中級機に興味が移ってきているようにも思えます。デジイチバブルはやがて崩壊するでしょうが・・・。

 12月初旬の晴れた日、いつものように始発電車に乗り込みます。こいつは丹沢でも高尾山でも非常につなぎが良く、7時か7時半には登山口に到着できるのです。新宿からたったの350円で高尾駅。15分ほど待てば小仏行きバスが発車です。

 小仏バス停7時半、谷沿いではまだ日がさしてきません。15分ほど車道を歩き、直進小仏峠、右に景信山の分岐点。景信山への登山道に入ります。急傾斜だけれど、滑らずに歩き良い道です。標高差およそ400メートルをコースタイム1時間となっています。

 はぁはぁと息を切らせて登ります。しばらくで日が登り始めます。歩き始めて50分ほどで山頂直下のトイレが現われ、その先が景信山の山頂です。茶屋が2軒あり、いつもはお客で賑わっているのですが、8時半だと人影もまばらです。営業の準備に追われています。

 この日の空気はバリバリ透明というほどではなく、都心方向はスモッグに沈んでいました。おにぎりを食べたら先を急ぎます。登山道をスタスタ下っていたら、これから茶屋に向かうおばあちゃんとすれ違いました。農業用の小型トラクターの前におばあちゃんが座り、その後ろにビールなどの商品、おじさんが後ろで操作しています。とても心和む雰囲気でした。

 しばらくで小仏峠。明治天皇の行幸の際、ここでご休憩されたそうで、記念碑があります。明治13年とのことですが、三条実美、伊藤博文らが随行したそうで、たいそう豪華なキャストです。それはとてつもなく有難いご一行だったのでしょう。

 つぎは城山。いつもは左の巻き道を使うのですが、たまには山頂に寄ってみるのも良いでしょう。このあたりからボツボツ登山者が増えてきます。そして一丁平を通って高尾山の頂上へ。最後の石段がけっこうつらいです。

 紅葉の時期、お昼ころの高尾山頂は、座る場所もないほどの賑わいです。弁当とビール・酒のにおいが不快です。この日は時期が終わり、時刻も10時ころと早かったのでまずまずの人出という状況でした。
 
 山ガールでした。おお、いるいる。しかしうかつにカメラを向けるわけにはいきません。「変なおじさん」と間違われては困ります。いやいや、正体がばれては困りますが正しいでしょう。遠くを撮影するふりをしてズームでパチリ。こちらをパチリ。あわてているので、手振れが気になります。

 下山途中、ケーブルカーの上の駅周辺(車道と登山道が交差している)で人だかりです。救急隊員が大声で指示をしています。登山者が急に気分が悪くなった様子です。私は車道を下っていったのですが、しばらくして救急車が追い抜いていきました。これも遭難と言うのでしょうね。

 この日は11時前に高尾山口に下山。京王線・JRと乗り継いで、1時前に家に帰り着きました。交通費とコンビニのおにぎりなど、費用は1500円くらい。なんともお安い、健康的な気分転換です。午後からは早明ラグビーダブルスコアの勝利を見ながら、缶ビール5〜6本、グデングデンになってしまいましたが。
   

小仏バス停から中央高速を見上げる


景信山への分岐点


朝日が昇り始めた


景信山山頂の茶屋


景信山からの富士山


丹沢山塊


茶屋へおばあちゃんを運ぶ


山ひだがきれいでした


納得の黄葉


小仏峠のりっぱな道標


明治天皇行幸記念碑


南アルプスがチラリ


高尾山頂


山ガール1


山ガール2


山ガール3


山ガール4


救急車先導バイク


遭難者を運ぶ


遭難者の救護


 


常盤