◆山登り・勝手格付け
Tokkeyさんから山の困難度・危険度に関するお話を頂きましたので紹介いたします。
ガイドブックなどに、ここは初心者向け、一般向け、熟達者向け、などといった記述があります。もう40年も前になります。登山初心者、高校生の私が山と渓谷社のアルパインガイドなどを眺めながら、この「熟達者向け」というコースに行けるようになるのはいつのことになるのか、つらつらと夢想していたという記憶があります。
さてかねてより、このコースの困難さを自分で決めてみたいなあと考えていましたが、それを発表する場がありません。そうそう、野歩の会のホームページに掲載してもらえば、多分誰も読んでくれないかもしれないが、場としてはちょうど良いかなという気になりました。あくまでも主観による勝手格付けです。読んでもらえるでしょうか。
◎困難度(体力面)
M
マゾ級です。コースタイム12時間以上、累計登高1500メートル以上
S
スペシャル級です。コースタイム10時間前後、累計登高1500メートル程度
A
コースタイム7〜8時間、累計登高1200メートル程度
B
コースタイム5〜6時間、累計登高1000メートル程度
C
コースタイム3時間以下、累計登高500〜700メートル程度
Y
幼稚園級
◎危険度(技術面)
T
危ない場所が何ヶ所もあり、参加者の制限が必要となる場合もある
U
通常の山道であるが、気をつけるべき場所も存在する
V
ほとんど危ない場所はない
W
赤ん坊を抱いても登れる
Y・Wの典型は高尾山でしょう。それもケーブルカー利用の場合です。薬王院の階段でちょっとひぃひぃするくらいです。そのほか、ケーブルカー利用の御岳山、ケーブルカー利用の大山下社、筑波山も同様です。テレビで絶景ポイントなどと紹介しますね。下ってからの入浴シーンが楽しみです(タオルを巻いて温泉に入るのはNGですよね)。
さて、一般的な日帰り登山ではどうでしょうか。歩いて登る高尾山はC・Vです。歩いて登る筑波山もC・V。同様に下社までケーブルカー利用の大山もC・V。登山口から大山の頂上までの往復となるとB・Vとなります。陣馬山の往復もB・V、高水三山縦走もこの部類に属します。丹沢大倉尾根往復は道が少し悪くなるのでB・Uでしょう。鍋割山なども同様です。丹沢表尾根縦走ならA・Uとなります。雲取山の往復ならA+・Uでしょう。
いよいよSとなります。上高地から涸沢はS・U、美濃戸から赤岳もS・Uとなります。なお、上高地から槍ヶ岳の肩まで一気に登るとS+・U、同様に上高地から穂高岳山荘、北穂高岳もS+・Uと言えます。甲斐駒ケ岳黒戸尾根、七丈小屋までもS+・U。大キレット、槍ヶ岳〜北穂高岳はS・T、西穂高岳〜奥穂高岳はS・T+となります。なお、剱岳別山尾根往復は時間が短いのでB・Tかと思います。
最後がMです。へとへとになるので、めったなことではやりません。自分の行ったことのある、Mと言える行程です。
まずは外秩父七峰縦走、別名ジジババのためのハセツネ。朝6時から歩き始めて、ほとんど休まずにゴールするのが夕方6時。正真正銘のM・Vです。
休前日の富士山夜行日帰り登山。八合目あたりから渋滞で動きません。寒いです。これまたM・Vでしょう。渋滞がなければS・Vですし、途中で一泊すればA・Vとなります。ただし高山病の症状が出た場合はM・T、最もつらく危険な山登りとなります。
西丹沢から檜洞丸〜蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜大倉を一日で歩きとおすとM・Uとなります。大倉から北へ塔ノ岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳〜焼山への日帰りならM−・Uと言えるかと思います。
白峰三山を一泊で縦走することが可能です。初日は早朝の電車、バスで広河原にお昼前に到着。夕方までに北岳肩の小屋まで登ります、S・U。翌朝夜明け前に出発し、北岳〜間ノ岳〜農鳥岳がお昼前。大門沢を一気に下って、奈良田温泉に4時ころ到着します、M・Uです。
また赤石岳から荒川三山縦走も夜行(車中泊)一泊で可能です。畑薙ダム8時のバスに乗車して、椹島に9時。ここから赤石岳まで一気に登り、荒川小屋に夕方到着します、M・U。翌日は荒川三山を縦走し、千枚小屋から椹島まで、お昼ころまでに下ります、S・U。Sとしましたが、帰りのクネクネ道の運転、東名高速の渋滞の中の運転を考えればドMということになるでしょう。
皆様、いかがですか。これまでにいろいろとつらい山行をご経験されていることと思います。私は幸いなことに、嵐の中、一晩中テントのポールを持っていたとか、雷が近づいてきて、髪の毛が逆立ったというような、命にかかわるような恐ろしい経験がありません。時間切れ、道迷いのフォースドビバークも経験ありません(大学2年の時の夏合宿で、道を間違えてビバークに近い幕営をしましたが、テントの中で天ぷらを作ったりしていたので、気楽なものでした)。
ここで最後に番外のM級登山です。梅雨時の丹沢三ッ峰縦走、下山後バス停で発覚した山ビル騒動です。何匹ものヒルが身体から這い出てきた情景の恐ろしさ、思い出すだに今でも全身の鳥肌が立ちます。