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- <はじめに>
酷暑も過ぎ、これからは紅葉を愛でる秋の山行計画を立てるケースも増えてくるかと思います。
靴底の剝がれに関し、すでに実践している方もいらっしゃるかと思いますが、まだ何も対処されていない方は、少し長い文章となりますが、一読願えれば幸いです。
山行に先立ち、今一度、自身の登山靴の点検を行うことを是非お勧めします。 私が過去、剣岳を眼前にして味わった苦い経験を踏まえてのコメントです。
- <底剥がれ>
靴底(本底と中底/合中/ウェッジ)の素材、接着方法、手入れ、保管方法、使用期間などにより多少の違いはあるものの、本底と甲が縫われたタイプ(グッドイヤーウェルト製法)でなく、最近の登山靴の多くに見られる接着剤で張り付けた靴底は、経年劣化でいずれは剥がれる運命にあります。 通常、購入して5~6年経過した頃から見られるとのことです。
不幸にして行動中に剥がれが発生した場合、通常、片足に剥がれが起きると、間髪おかずもう片方にも剥がれが発生することが多く見られます。 私の場合もそうでした。 最初はつま先のわずかな剥がれがあっという間に連鎖的に拡散、左右とも底の半分近くまで無残な状態へと。
剣山荘だったかと思いますが、ほうほうの体でたどり着き、接着剤を小屋から借り一晩おきましたが駄目でした。 その理由は、合中(ウェッジ)といって、クッション性を高める甲と本底の間に挟んでいるスポンジ様の物自体が劣化、ぼろぼろと崩れる感じで、接着剤では効き目がありませんでした。 結果、ガムテープを借り、ぐるぐる巻きで出発、剣の頂上を経て無事、室堂に戻りました。
- <一次的修理>
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確か同行した仲間から、ひもやガムテープを借りたとも思うのですが、状況が状況でしたので詳細は覚えていません。 ただ、それ以来、救急品と一緒に次のアイテムを必ず携行するようにしています。
- 靴紐または針金(ペンチが必要か?)。 私は少しでも軽くしたいので靴紐です。靴底の溝にかますように何重か巻いて固定。結束バンドも強くて、軽くかさばらないのでいいようです。
- ガムテープ(布製であること。 紙製は不可)。 やや幅広のテーピング用のテープでもOK。 (いずれも100均で購入可能)。 ガムテープは一本丸々ではなく、軽い筒状のものに巻き付けておく。
靴底全体を覆うように巻くと、グリップ力に支障をきたすのでほどほどに。 私はそれこそギプスのようにぐるぐる巻きにしましたが、なんとかスリップすることもなく進めました。 歩を進めるときには相当神経を使いましたけれど。
- <私がいつもバッグに入れている応急修理グッズ>
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- <点検方法>
山行前後に靴底のチェックを行うことが大切。 硬い底ですが曲げたりねじったり、甲と底を両手で引っ張って剥がれによる隙間ができていないか目視。 剥がれが見つかった場合、その部分を少し強めに引っ張ってみると、簡単にはがれてくるようであれば重症です。 まだしっかりと接着力がありそうであれば、はがれたその部分を接着剤で補強。
もし異常が見つかって修理に出す場合、時間も考慮して早めに点検をして下さい。
また、靴底だけでなく、靴紐の擦り切れ、D管の破損、等も併せてチェックしてください。
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- <まとめ>
以上、私の経験を踏まえた上記コメントですが、先輩、後輩諸氏におかれて、書き加えること、修正すべき箇所、有用なご意見などありましたら、我ら山仲間のためにもどうぞ忌憚なくHPに投稿願います。
安全、安心、快適な山登りのためにも、道具類にももっと注意を払いたいものですね。
ご一読ありがとうございました。
S49年卒 松田 正
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- 追記)
もっと画像も紹介したかったのですが、著作権の問題もあり控えました。
さらに詳しく知りたい方は、ネットで関係する記事がたくさんアップされています。一度検索願います。
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