◆野歩の会番外編『第93回早慶ラグビー』    

  石川さんから、ラグビー観戦記を頂きましたので紹介いたします。

 
<レポート>

去る11月23日(水)勤労感謝の日に、秩父宮ラグビー場で伝統の早慶ラグビ―が行われました。結果はご存知の通り、六転したシーソーゲームの末、早稲田が25−23で慶應に競り勝ちました。

そもそも野歩の会有志によるラグビー観戦を提案したのは、ラグビーについては少々煩い私でした。9月2日の葉隠の席で、日頃ラグビーにも高い関心を寄せている常盤後輩らを中心に暫しラグビー談議となり、一度有志でラグビー観戦しようと言うことになりました。

 当初、トップリーグ(所謂社会人リーグ)の試合観戦を考えていましたが、今年、新監督を迎えた早稲田が注目されていることもあり、早稲田の試合を応援することになりました。折しも10月2日、新生早稲田が1年生レギュラーの活躍で2年連続負けている筑波大に完勝(46―12)したことから、8年間も学生王座から遠ざかっている早稲田に期待が高まっていました。

 既に早稲田は4戦4勝ですが、残り3試合は難敵ばかり。その中でも比較的勝てそうな相手ということで慶應戦を観戦することに決めました。しかしその判断は甘かったと言わざるを得ません。ひと月前の10月23日、慶應が学生ラグビー界の王者帝京に大善戦(31―42)したことや、肝心の早稲田が11月6日、その帝京に3―75で大敗したのです。

 さて試合当日、秩父宮ラグビー場は試合開始2時間以上前から長蛇の列。黄色いイチョウの落葉で覆い尽くされた外苑通りは異常な熱気に包まれていました。

さすがに伝統の一戦、スタンドは見る間に観客で埋まり、両翼を残してほぼ満員の状態となりました。遅れて入場してきた三木会長、平石前会長はラグビーの生観戦は初めてとのことで、最初はやや緊張気味でしたが、熱燗を手にするといつものように舌好調に…。

 地鳴りのような歓声で始まった試合は、開始4分、1年生のスタンドオフ北岡智樹のキックパスをゴールライン前でキャッチしたウィングの4年生、本田宗詩がトライし、早稲田が先制。一瞬楽勝を予感しましたが、11分、20分に慶應が連続トライで逆転。その後早稲田も2トライして、前半は早稲田が2点差の15−13で終了しました。

 両校チアリーダーによるハーフタイムの応援合戦で会場は更に盛り上がりました。もちろん我が野歩の会の会長、前会長の酒のピッチも早まり、熱燗はそれぞれ3本目に突入。一方、寒がりの常盤さんは、手製湯たんぽ(お湯の入った2リットルのペットボトル)を抱えて寒さと格闘、(大好きだけど冷たい)ビールなどとんでも無い様子。

 後半が始まって7分、慶應がペナルティキックで勝ち越し(15―16)ましたが、早稲田は23分、本田宗詩の2本目のトライで20―16と再逆転。しかし粘る慶應は4分後の27分、ゴール中央付近にフランカー松村凛太郎がトライ、スタンドオフで医学部4年生の古田京がゴールキックを決めて20―23と再々逆転に成功しました。

 両軍選手に疲労が見られる残り時間9分、左タッチライン際でパスを受けた早稲田の大型フランカー、3年生の加藤広人が慶應ディフェンス2人のタックルを外してゴールラインギリギリにトライ。またまた早稲田が25―23と逆転しました。

 しかしドラマはここで終わらず、残り時間2分の後半38分、慶應は早稲田陣ゴールポスト近くでペナルティキックを得ました。比較的容易なキックで、入れば慶應が1点差で逆転勝利するところでしたが、古田京が蹴ったボールは無情にもポストを外れ、万事休す。早稲田は何とか勝利をモノにしたものの、ハラハラ、ドキドキの連続で疲れました。これで通算、早稲田の66勝7分20敗。ラグビーに関しては慶應とは相性が良いようです。

 試合終了と同時に急造『野歩の会応援団』は人の波をかき分け、渋谷・宮益坂の三木会長行きつけの居酒屋へ直行。あらためて祝杯を挙げましたが、試合については両軍ともイージーミスが多く、接戦とは言え、熱戦とは言えないなどと辛口評価が続出。しかしラグビー観戦が初めてで、ルールも良く分からない会長、前会長は、ラグビー場の雰囲気と観客席の熱気に感動、そこで飲む酒の味も格別だったとのことで、今後も機会があれば秩父宮に行きたいとのことでした。

 124日開催の関東大学ラグビー最終戦、伝統の早明戦は24-22の僅か2点差で早稲田が逆転勝ちました。この結果早稲田は帝京に続く2位となり、大学選手権には1217日の準々決勝から出場することになります。捲土重来、早稲田は8年ぶりに正月決戦を制して大学日本一になれるかどうか、ファンならずとも興味は尽きないはずです。最後に、このレポートがきっかけになって野歩の会の『隠れラグビーファン』が雄々しく声を上げることを期待したいと思います。


<写真>

試合開始2時間半前、秩父宮ラグビー場東門前の長蛇の列。イチョウが素晴らしい(黄色は慶應カラーだが…。)



正面スタンドは満員状態に。この日の入場者数は18,226人で昨年とほぼ同じ。



開戦前、熱燗を片手に気合いを入れる急造『野歩の会応援団』の面々



キックオフして僅か4分後、早稲田の1年生スタンドオフ北岡智樹が絶妙なキックパスを蹴り上げる



ボールの落下点に走り込むウィングの4年生本田宗詩



見事ボールをキャッチしてそのままトライへ。早稲田は幸先良いスタートを切る



早稲田フッカー、4年生の貝塚準一郎が慶應ディフェンスを振り切ってトライ



慶應ゴール前の激しいボールの争奪戦



ラインアウトでボールを取ろうとする早稲田フランカー、3年生の加藤広人



宮益坂の居酒屋で祝勝会。早稲田が勝利したものの、ミスが多く、次戦の早明戦を踏まえて反省会と化した.



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