◆蜂城山・下見(1月22日)   

 常盤さんから蜂城山の下見のご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
 休みの日の予定は、優先順位第一位がスポーツ中継のテレビ観戦。つぎが近郊の山登り。そしておかず作りとキッチンドリンク、たまに駄文ひねりと決まっています。いずれにしても4時か4時半には寝床を出ます。通常4時56分の始発電車に乗車し、丹沢・高尾・奥多摩方面などへと出かけて、お昼ころ帰宅します。

 さて、今年に入ってまったく雨が降りません。連日快晴が続いています。土・日のうちどちらかはサクッと山に行かねば、せっかくのお天道様に顔向けできません。今週の日曜は午後から用事があるので行くのは土曜日です。ところが金曜の夜はサッカーアジアカップ、準々決勝ではありませんか。これを見逃す手はありません。

 1点取られて岡崎・香川の同点ゴール。吉田が退場、FKでまたもリードされ、再度香川で同点。最後は香川のアシスト、伊野波が決めて辛くも準決勝進出でした。それにしても、相手がオフサイドをおかしたかどうかの微妙な場面で、ディフェンダーが手を上げてアピールするのはおかしくありませんか。あれで判定が覆った場面を見たことないし、そのぶん動きがワンテンポ遅くなってしまいまします。

 というわけで、12時半就寝、これでは4時起床はとても無理です。まあ、あした起きてから時間の調整をしましょう。今回の予定は蜂城山と決まっています。ってか、前日決めました。勝沼の南方、中央高速釈迦堂PAの裏にある小さな山、標高738メートルです。

 もう30年以上前の記憶です。たぶん昭和50年か、51年か、52年のどれかです。4月上旬、中央線、早朝の電車に乗車したことがあります。笹子のトンネルを抜けると、甲府盆地が広がりますが、一面真っピンクだったのです。おおお!ぜんぶ桃の花、これってまさしく桃源郷?なんとも記憶に残る光景でした。

 あれから数十年、この時期に甲府盆地を見下ろしたことは、以降一度もありません。そしてほんの数日前、知り合いからこの蜂城山のことを聞いたのです。中央高速釈迦堂PAからすぐ、桃の花がすごいよ。WEBで調べると、なるほどなるほどです。というわけで、4月上旬にここを企画しよう。ついては今回は、勝沼から釈迦堂まで歩き、できればちょいと蜂城山下見、と決めたのです。

 「中央高速のバス利用が便利、釈迦堂BSで下りればすぐだよ」ではありますが、バスの時刻表によると、始発が新宿8時半、釈迦堂10時すぎに到着となっています。これでは遅すぎます。景色もくすんでくるし、現地で1〜2時間過ごしたら帰宅が午後の遅い時間になってしまいます。そこでJRでということにしました。

 やっぱり爺は朝が早い。ちょっと寝坊したと言っても、朝5時には起きて時刻表で予定を決めます。PCに計算してもらうのですが、我が家を6時すぎに出発した場合、高尾8時01分発の甲府行きに乗ることになるようです。新宿〜高尾はJRでも京王線でも乗車時刻はほとんど同じです。JRだと池袋〜勝沼ぶどう郷が1890円、京王線を利用すると1450円、もちろん京王線を利用します。新宿7時00分の急行、高尾での接続数分、こうして順調に乗り換えて、勝沼ぶどう郷駅に9時すぎに到着しました。

 この駅は盆地の北の縁にあり、釈迦堂方面へはどんどん下っていきます。駅が480メートル、最低部の新祝橋が400メートル、釈迦堂PAは440メートルです。帰りに坂道を登るのっていやですよね。だから今回は、勝沼ぶどう郷駅から下って釈迦堂PA、そのままバスで帰るという計画にしました。

 鉄の旅に時刻表は必携のアイテムです。私はJTBの時刻表を愛用しています。しかしこれには東京近郊区間とか私鉄の時刻が省略されています。その点、交通新聞社の「東京時刻表」が便利です。東京近郊のすべてと、特急・新幹線などの時刻表が掲載されています。ほとんどこれ一冊で用がたります。ただし、バスの時刻表はありません。今回はこれの11月号(昨年)を持参しました。たった2か月で時刻の改定はないはずです。

 釈迦堂から新宿行きのバスは10時すぎ(たしか10時15分)と12時半ころと記憶していました。勝沼ぶどう郷駅から釈迦堂まで、おおむね下りで4キロくらい。ささっと歩けば40分かなとの計算。駅でトイレを借りたり、タバコを吸ったり、スタート時は余裕たっぷりです。

 それにしても、この駅からの眺めはすごいです。とにかく南アルプスがバーンと。白峰三山と鳳凰三山、甲斐駒あたりまでは記憶にありましたが、荒川三山・赤石岳という南部の重鎮がにょっきり見えているのにはびっくりしました。聖岳の先っちょと、塩見岳の頂上部分も見えています。大満足で道を下ります。
 
 ぶどう畑と観光農園を左右に見ながら、後ろには奥秩父の山々を感じながら歩きます。さて、最低部の新祝橋あたりで、9時50分くらいです。ゆっくりしすぎたかな。甲府バイパス通過9時55分、中央高速の脇10時05分、釈迦堂PA10時15分かあ。ギリギリではありませんか。当初の4キロという目分量が間違っていたみたいです。しかもここから思わぬ登り(なんとなく、下るだけだとたかをくくっていた)でスピードダウンです。

 「本降りになって出て行く雨宿り」とはこのことか、登りになってから猛ダッシュ。うう、気持ち悪い。これではバスに間に合っても車内で○ロ吐いてしまう。やっと中央高速の側道に登りつきました。前方、目測500メートルに釈迦堂PAらしきものが見えます。10時10分を過ぎています。観光バス?がパーキングから出てきたのが見えます。

 よし、1分150メートル、時速9キロで間に合うぞ。バスはさっきの観光バス以外、出て行ったものはない。釈迦堂PA裏口到着が10時14分、やったあ、間に合ったあ。ええとバス停はバス停はっと。前方100メートルにそれらしき建物があります。もう大丈夫です。今バスが入ってきたら、手をぐるぐる回して待ってもらいます。

 バス停到着が10時16分、ようやく余裕。ここは甲府盆地の南の縁。勝沼・塩山・山梨市(今の名前は知りません)あたりを上から俯瞰するような位置です。ああ、気持ち良い。ちょっと汗をかいてしまいました。人生、決してあきらめなければ夢はかなうものだね。AKBか小室哲哉みたいだね。それにしても蜂城山ってどれでしょうか。そろそろバスが来るかな?10時15分のつぎは12時過ぎだったよね。先輩方を誘うのなら12時過ぎのバスで帰るのが良いかしらね。時刻表、時刻表、時刻表っと。ゲゲッ、10時04分だとう?15分という記憶って間違いじゃないの。さっき出て行ったバスって、お目当てのバスだったのですか?

 ここでどうすべきか。12時19分のバスを待つ。勝沼ぶどう郷駅まで戻る。とにかくこれしか手がありません。この付近、パーキングの食堂以外、何にもありません。酒も飲まずに2時間もじっとしているのは不可能です。駅まで戻るにしても、新祝橋から駅まで高低差80メートルもの恐怖の登り。戸塚の権太坂だって40メートルだぞ。気分は櫛部君(現城西大学監督)みたい。

 あとで考えた最良の答えは、蜂城山までちょいと行ってくるでした。登り1時間、下り40分ならちょうど良い。時間切れなら途中から戻れば良い。そうすれば、つぎの12時19分のバスにピッタリです。新宿まで1時間半だから2時前に到着。食べ物が何もなかったけれど、パーキングの売店でパンでも買えば良い。

 しかし、混乱した頭が出した答えは、「急いで駅まで戻る」でした。里心がついた私は、一刻も早く帰りたいという考えに支配されていました。山で道を失ったとき、一服するかガムをかむなどして頭を冷やせとは、私がふだん口うるさく言っている常識です。やっぱり、言うは易し行うは難しです。

 あわてて「東京時刻表」で調べたところ、勝沼ぶどう郷発の上りは11時12分と11時34分。帰り道は登りが多いことを考慮すると、11時12分は無理だな。ゆっくり歩いて11時34分の電車でいいか。っと、ここで妙案が。行けるところまで行って距離を稼ぎ、そこでタクシーを拾いましょう。なんとGOODなIDEAではありませんか。最初の30分ほどを歩いておよそ3キロ、残り2キロをタクシーなら710円で済みます。11時12分の電車に乗るためには11時50分過ぎに電話だな。5〜6分でタクシーが来て、5〜6分乗ればピッタリだね。

 よっしゃ、元気が出てきました。もう後ろを振り返りません。そのつもりでしたが、なんとも絶景です。写真のひとつも写さねば。北を向いて歩くので、奥秩父の山が眼前に展開します。右にはでっかく甲州高尾山、正面奥には破風山が際立った姿を見せています。北奥千丈岳とか甲武信岳、その手前に乾徳山が見えていたようですが、それは帰ってから「カシミール」で確認しました。佃煮のフジッコがワイナリーをやっていて、へええと思いました。

 途中のバス停(1日に3本なので、この時間には走っていません)でタクシー会社の電話番号を発見、予定通り10時50分です。タクシーがやってきたのが10時58分、駅に到着したのが11時6分でした。余裕綽々、ピッタリだね。でも料金は1350円、ということは駅まで4キロくらい走ったのでした。さてと、ビールでも買うか。あれ?おかしいぞ、上り電車が動き出す・・・。あわてて駅の時刻表を確認したら、上り電車の発車時刻は11時05分なのです。なんとなんと、「東京時刻表」の11時12分が誤りなのか、この2ヵ月でダイヤ改正があったのか?多分前者でありましょう。

 続けて襲ってきた不幸。しかも駅構内の売店は改修中とかで営業停止。女子供じゃあるまいし、コーヒーとかジュースとか飲んでいられません。寒さの中、じっと立ち尽くすわたくしでした。最後にもうひとつポカ。高尾から何気なく快速に乗り、途中で特快に乗り換えて、新宿13時47分着だったのですが、ちゃんと調べたら、京王線準特急に乗れば、13時45分に到着できたことがわかりました。1450円で済むところ、1890円という大損。

 今回の下見、予定と実際はこんなに違ってしまいました。

    ○予定
 池袋〜新宿〜勝沼ぶどう郷1450円。10時04分(10時15分は間違い)のバスに乗車して、
 11時40分新宿着1600円。新宿から池袋150円。支出合計3200円。12時過ぎに帰宅。

○バスの時刻違いに気づいて蜂城山登山としたら
 12時19分のバスに乗って新宿到着13時55分、14時半帰宅。支出合計3200円、
 それにパンなど300円くらい。

○実際
 行きは1450円、タクシー1350円、帰りのJR1890円、途中大月でビールとつまみ400円、支出合計5090円。
 14時20分帰宅。 

 
 前の日にサッカーがなければ始発を利用したでしょう。何度も利用しているので頭に入っているのですが、新宿から京王線で高尾6時53分着、甲府行きが7時02分です。これだと8時08分に勝沼ぶどう郷到着です。釈迦堂PAに9時すぎに着いたでしょうから、帰りのバスをチェックして、登山口あたりまでぶらぶらしてバスに乗ったでしょう。

 それにしても「東京時刻表」の記載が誤りであったとしたら由々しきことです(真相はわかりません)。次回以降は「東京時刻表」「JTB時刻表」両方の最新号を購入し、それらを毎回をリュックに入れて歩かなければなりません。

 皆様、かように苦労し、大枚はたいて下見をしてきました。4月上旬の「桃の花と蜂城山」どうぞよろしくお願い致します。もう少し先になってからご案内いたします。

 追記 本日「東京時刻表」1月号を立ち読みしましたが、勝沼ぶどう郷発の登り電車は、11時05分となっていました。12月にダイヤ改正があったようです。交通新聞社が悪いのではないことが判明しました。ということは、毎月購入しなければならないということで、これまた大変なことです。

   

左から赤石岳、荒川三山、白峰三山、右端に甲斐駒


白峰三山


勝沼ぶどう郷駅前のぶどう畑


てくてく歩く


バスに間に合ったはずだった


10時04分とは、トホホ


赤石岳と荒川三山


雪煙を上げる甲斐駒


フジッコワイナリー


左のほうに乾徳山、真ん中の台形が破風山


時刻表では11時12分発なのに


 


以上