◆高尾山が世界文化遺産に?    

  常盤さんから、江川太郎左衛門という人物の紹介を頂きましたので紹介いたします。

 
明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」について、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が、登録をユネスコに勧告した。5月5日の各新聞に報じられています。世界遺産への登録の可能性が高い(事実上決定?)とのことで、富岡製糸場に続いてうれしい報道です。

軍艦島三池炭鉱八幡製鉄所三菱重工長崎造船所などなどですが、静岡県韮山反射炉もこれに含まれているとのことです。これについては、某国から抗議の声があがっているそうです。まあ歴史認識の問題なので、いろいろな考えがあるのだなあ、というところです。でも、西大門刑務所歴史館が、世界遺産になったらイヤですよね。

さて、私の中学一年の遠足(○教祖の力の強い時代で、社会見学と呼ばれていました)は、伊豆の大室山シャボテン公園、韮山反射炉でありました。100人中100人がシャボテンの盆栽みたいなものを土産に買いました。我が家でも2年前に姉が買ってきたものと合わせて、2鉢が並ぶことになりました。

そして、韮山・江川太郎左衛門邸見学です。江川太郎左衛門とは、当地で代々続いていた代官のことで、何人もいるらしいです。そのうち、第36代の江川英龍という方が最も有名で、ペリー来航直後、江戸湾に台場を築き、反射炉を作って鉄砲製作をされました。日本で初めてパンを焼いたとかで、「パン祖」だそうです。

ニキビ面で生意気、歴史についてはカラキシダメな中学生。そして、戦前・明治などを完全に否定していた時代背景もあったかもしれませんが、パン屋のオヤジで、使えない旧式の鉄砲を作った人、そんな認識でした。土産のシャボテンのほうが大事。大げさに言えば、「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」みたいな方だったのかも知れないのに。

さて、おなじみ高尾山であります。薬王院方面から1号路をたどります。頂上の手前でちょっと下り、ゆるやかに進むと、右にりっぱなトイレがあります。もう残り100メートルで頂上です。そのトイレのすぐ先、頂上の右を巻く道があります。

逆に、陣馬山、景信山、城山方面から来ると、高尾山直前が階段です。標高差は、たった50メートルほどですが、とてもつらい階段です。この階段の左に普通の坂道があり、頂上を右上に見ながら、上記トイレのところに出ることができます。こっちのほうが楽です。

この階段とトイレの間(5〜6分)ですが、その江川太郎左衛門の紹介があります。このあたりは、江川杉と呼ばれているそうです。なんと、太郎左衛門は、高尾山に杉の植林を行った最初の方なのでした。パン屋の親父かと思っていたら、花粉症の元祖でもあったわけで、功罪相半ばかもしれませんね。

そんなわけで、頂上のすぐ横ですから、ぜひお立ち寄り下さい。韮山の反射炉が世界遺産に登録されれば、高尾山もそれに便乗すること必定です。ミシュラン以来の話題で、人気もさらに盛り上がることとなるでしょう。それにしても、頂上付近の、弁当と酒の混じったひどい匂い、たまりませんね。タバコのにおいのほうがよっぽど良いではないか、誰だってそう思うでしょ!
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