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高度計付き時計を20年以上使っています。ずっとカシオプロトレックでした。初代のものは、町の時計屋で電池交換したためか、大雨の中の使用で水が浸入して壊れました。2代目は、電池交換を3回くらいして引退。3代目は、機能的に満足で、とても気に入っていたのです。しかし使用約10年、充電機能が寿命を迎え、さらに交換部品がないとのことで泣く泣く退場です。
2年ほど前、4代目のプロトレックを購入しました。太陽電池、電波時計と高機能であり、前の機能はすべて引き継いでいるものと思っていました。しかし、高度計測時に秒表示がありません。高度表示が更新される直前に表示を睨み、更新までの間に何メートル登ったのか確認しながら登る癖がついてしまった私、秒表示がないのはとても不満なのです(これまでの3台はすべて表示されていました)。そのようなわけで、このプロトレックは、憐れ生きながらお蔵入りとなりました。
現在売られている最もポピュラーな高度計付き時計は、カシオプロトレック、スントベクター、セイコープロスペックスなどです。しかしどういうわけか、普及品はもちろん高額のものまで、どの時計も高度計測時に秒表示のあるものが見当たりません。
ラドウェザーという、生産国不明の安価な高度計付き時計があります。ドイツ製センサー搭載のもの、スイス製センサー搭載のもの、アメリカ製センサー搭載のものなど、何種類かの時計が売られています(ドイツ製であるとか、スイス製であるとか、うたっていません。どうぞ、勝手に間違ってくださいという姿勢)。
最後のプロトレックお蔵入りの直後、ラドウェザー・スイス製センサー搭載のものを購入しました。アマゾンで、通常9000円くらいで売られていますが、どういう訳かセールで、6000円くらいで売られている時があり、速攻で購入です(以降、セールを見たことないです)。
温度計とか、天気の予測とか、余計な機能がありますが、これらは使いません。普通の時計機能とカレンダー、高度計とその際の時計機能と秒表示、アラーム(山小屋で早起きするため)、ライト(暗い場所で時刻確認するため)があれば十分です。デジタルコンパスもまあ便利ですね。これらの機能がすべて搭載されています。高度計測時に秒表示はなくなりますが、文字盤のまわりにLEDが並んでおり、これによって秒が確認できます。
高度の計測は1分に1回、1メートル単位です。たとえば、10時10分の高度が300メートルであるとして、10時10分50秒ころから時計を睨みながら歩きます。58秒、59秒、そして10時11分00秒になったところで、その時の高度が更新されます。308メートルでした。1分で8メートルか、ということは50分で400メートル登る計算だな、まあまあだな、という具合です。
上記は、高尾山での使い始めのことです。登山口がだいたい200メートル、頂上は600メートルです。デザインなどは好き嫌いがあるでしょうが、安価であるし、なかなかのすぐれものだと思っていたのです。ところが、歩き始めて40分くらい、標高450メートルくらいのところで、高度表示が突然おかしくなったのです。明らかに登っているのに、表示される標高が下がったり、突然50メートルも上がったり。しかたなく、頂上で表示を修正したのですが、やはりまともな表示になりません。
メーカーにそのような状況を説明したところ、それは低気圧などの接近で、気圧が変わったのでしょうとの回答でした。馬鹿を言っては困ります。天候も安定していたし、たった10分か15分で、気圧変化による狂いが生じるわけがありません。絶対にセンサーの不調だからと主張し、製品を交換してもらいました。
そして、またもや新品。こんどは大丈夫だろうな!やっぱり同じ高尾山。家の標高は30メートルくらい。ここで合わせてきて、高尾山口ではちゃんと200メートルくらいを表示していました。前回同様、1分に8メートルとか10メートルとか、きちんと更新を繰り返します。
ところがです。またも標高450メートルくらいのところで表示がおかしくなり始めました。もうこうなるとあきらめです。高尾山の標高450メートル付近に、超自然現象を起こす何かがあるのでしょうか?そのあと、ほかの山域においても、同じような現象が起こり、やはり某国製だからしかたがない、という結論になりました。
さて、今年の夏の北アルプスで。登りのブナタテ尾根、歩き出してしばらくで使用不能になりました。いつものことで、あまり気にもなりません。高度なら、スマホのGPS機能から確認できます。ただ、腕時計のようにヒョイと見るわけにもいかず、ロック解除も面倒です。
さらに、ところがです。雨の中、雲ノ平から薬師沢小屋への下り、けっこう寒かったのですが、この時はちゃんと動いてくれたのです。今日は機嫌が良いな、そんなふうに思っていました。ただし、生活防水という低レベルなので、水濡れには注意しましたが。
このような経緯から、当ラドウェザー時計の不調の秘密が解き明かされました(田中君からの指摘ですが)。高度計測センサーが時計の裏ぶたについているのです。歩き出しは良いのですが、しばらくすると汗で濡れてしまい、計測がおかしくなるのです。寒い中での下り、水濡れに注意していれば正しく計測するのでした。そうか、センサー部分が濡れなければ良いのですね。
この北アルプス山行以降、特に登りの時は、身体があたたまって、汗ばんできたら時計をはずし、時計接触部分の汗をぬぐうようにしています。時にはフウフウ息を吹きかけて、乾燥させるようにしています。おかげで、まったくトラブルがなくなりました。安物買いではありましたが、試練を経て、銭失いではなくなったのでした。
【写真1】ラドウェザー・時刻表示。6時17分13秒、10月14日水曜。
【写真2】ラドウェザー・高度表示。21.2℃、29メートル、4時25分28秒(LEDでわかる)
【写真3】ラドウェザー・裏。右下の突起部分で気圧を計測するが、穴に水が詰まる
【写真4】使用しないときは、電池を長持ちさせるため、表示を消すことができる。
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以上 |
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