|
登山の装備で、最も重要なものはなにか?それは登山用シューズに決まっています。何といっても、歩くときに常に地面に接触しているのですから。まあ、人によっては「腹が減ってはいくさはできぬ」から、お握りだという答えがあるかもしれませんし、ウエアこそ命だとの答えがあっても結構です。そのような観点からなら、私にとってどこでもトイレのロール紙こそ、2番目に大事です。
現在、4足のシューズを所有しています。いちばん重いのが、昔ながらのザン靴。巣鴨のゴローで購入した革靴です。雪の山、12本爪のアイゼンを装着する可能性のあるときに使います。購入から10年くらい経過しており、靴底(ビブラム)が硬化しているため、一般の登山道や岩場では滑りやすくて困ります。張り替えれば良いのですが、めったに使わないのでもったいないです。
重い荷物(と言っても10キロから15キロくらい)の時とか、岩場の多い山、また3日以上の長期の場合、スカルパの重?トレッキングシューズを使います。また、近郊の山で雪のある場合、6本爪アイゼンを装着するので、この重トレッキングシューズが便利です。ただしソールが堅いので、アスファルトの道などは苦手です。
そして、ほとんどの日帰り山行は、ハイキング用シューズを使います。ここ数年、メレル・モアブ・ミッドというシューズを使い続けました。いわゆるトレイルランシューズですが、ミドルカットで、くるぶしが半分くらいかくれるものです。このようなタイプ、軽いし、柔らかいし、ゴアテックスブーティで防水でもあるし、ハイキングには最適と思われます。ただし、ソールの消耗が激しい。
5年くらい前に初めて購入しました。2年くらい、50日くらい履いてソールがすり減り、滑りやすくなりました。そこで、まったく同じものをアマゾンで購入し、初代は2軍へと降格させました。初代は高尾山など、ちょろい山で使い、2代目を会の山行など、よそ行きでの使用となりました。
2軍に降格の初代は、そのまま1年ほど使いましたが、さらに滑りやすくなったので、ついに役割を終えました。それ以降、よそ行きだった2代目の単独使用となり、これまた滑りやすくなりました。そろそろ潮時です。
【写真1】メレル・モアブ・ミッド、まだまだきれいだが。
【写真2】メレルソール、すり減ってきて、オレンジ色のゴム部分、下の黒いゴムが見えている。
またまた同じシューズでは、何となく芸がありません。メレルのワンランク上の、カメレオン・シフト・ミッドが良いなあと思っていました。しかし、モアブ・ミッドが14000円くらいなのに、カメレオン・シフト・ミッドは24000円くらい。せいぜい3年で更新するシューズであり、ちょっと高いなあという気分。
そんな時、インターネットの広告で、キャラバンC2 02という商品が安く売られているのを発見しました。定価14000円くらいのもの(キャラバンとしては中級の価格設定)が、型落ちで6780円(アマゾン)なのです。キャラバンは国内メーカーなので、幅広のシューズが多いのですが、この商品はEEという細身設計なのです。なんで、そんな野心的な商品を企画したのか不明ですが、やはり失敗、多分在庫の山になってしまったものと思われます。
【写真3】キャラバンC2 02、つま先の手前が細い。
かつて、ショップで足型を計測した際、「お客さんは、まるでイタリア人のような足型ですね」とほめられた私。「えっへん、そうでもないっすよ」と良い気分になったものです。そう、私って、自慢じゃないが、ちょっと日本人離れしてるんです。
普通の靴が24.5センチ、登山用シューズは25センチ。かつて使っていたキャラバン・グランドキングのサイズも25センチ。このC2 02の最小サイズが25センチ。いちばん重要なシューズを、実際に履かずに買うなんて、常識はずれと叱られそうですが、もう25センチを発注するしかありません。簡単ですね。
午前中に発注したら、その日の夜にはもう届きました。すごいです。さっそく履いてみました。ムムゥ、確かに細身です。イタリア人の足型である私なら何とかなるが、一般ピープルにはちょっと難しそうです。キャラバン企画室、やっぱりこれでは売れませんよ。ただし、私にはぴったりみたい。
景信山で試し履き。靴の幅はちょっとタイトだけれど問題なし。大きさも問題なし。ただし、靴ひもをギュッとしめたため、くるぶしのあたりが痛くなりました。これまでのメレル・モアブ・ミッドは、くるぶしの半分くらいが隠れる高さでしたが、今回のシューズはもう少し深いのです。40年以上前のけがで、くるぶしが異常に肥大している私は、どんな靴でもきつく縛ってはいけないのでした。まあこれは、ひもを緩めることでだいたい解決。
【写真4】キャラバン、横から。けっこう深いため、くるぶしがかくれる。
景信山、頂上のすぐ下、小仏峠に向かうあたりが、コンクリートの急坂になっています。その上に小石がのって、ザラザラしています。しかしさすが新品、小石をつかむような感覚で、滑らないんです。そこから先、赤土で粘土質、ヌルヌルの場所でも、これまた滑らない。やはりなんとかと、畳と、靴底は、新しいものに限ると実感させられました。安物買いではありましたが、イタリア人似の私には、賢い買い物でありました。
|
|
|
以上 |
|
|
|