◆秋の山行の報告(八ヶ岳・青年小屋)


 10月末の土・日、八ヶ岳南部、西岳・編笠山に登ってきました。
今回は直前にドタキャンが相次ぎ、11名というこじんまりしたパーティでした。

初日は晴れから夕方に霧、夜は低気圧通過で大雨。
翌日は出発時の濃霧が急に晴れ渡るという具合で、天候にはまずまず恵まれました。

八ヶ岳といえば北から南下するのが一般的で、小淵沢から編笠山に登るというコース設定は、かつてほとんど考えなかったかと思います。
ところが最近は、小淵沢から観音平まで車・タクシーで上がり、編笠山だけを目指す人が増えています。
また編笠山から下山する場合、西岳経由だと交通が不便です。
我が野歩の会OBGの方々でも、西岳登頂者は多分数えるほどしかいないのではないかと思います。

今回は富士見高原に車を置き、西岳から青年小屋(泊)、翌日に編笠山に登ってラウンドコースをとって駐車場に戻りました。
西岳は、思ったとおり登山者が少なく、落ち着いた気分の良い山でした。
また編笠山からの下りで霧が晴れ、富士山・南アルプス・中央アルプスなどが一気にその姿を現し、なかなか感動的な景色に出会うことができました。
宿泊した「青年小屋」は小屋仕舞い前の「ほうとう祭り」にあたり、ご馳走と振る舞い酒、さらにジャンケン大会で大盛り上がりでした。

<今回の青年小屋>
かつて私(筆者)が高校生のころ、たしか「青少年修練宿舎」という分別臭い名前の小屋だったと記憶しています。そうしたなごりからか、「青年小屋」というかわった名前がつけられています。
ところが今、小屋の玄関には「遠い飲み屋」と書かれた提灯が下がっています。修練宿舎というイメージとは180度変わっています。
「山小屋だから、早朝出発の人の迷惑にならないよう静かにすごしましょう」なんて難しいことは言いません、といった割りきりが感じられます。

毎年5月・8月・10月にお祭りを開催しているそうで、今回はたまたま10月の「ほうとう祭り」とぶつかりました。
「ほうとう祭り」だから、夕食はほうとうがだされるのだろうと予想していたのですが、確かにほうとうも出ましたが、そんなものではありませんでした。

私たちは少し遅くなって4時半ころ到着したのですが、そこでは餅つきが行われていました。あんころ餅が振舞われていました。
やがて夕食の時間がやってきました。
馬刺し、煮物、ままかり、海老とチンゲン菜の炒め物、フルーツ、そしてメインのほうとう(ほかにも何かあったかも知れません)。
さらに真澄の吟醸酒がテーブルにデーンと置かれていました。しかも酒が足りなくなってくるとどんどん追加で出してくれるのです、ぜんぶただ。

食事が終わるとジャンケン大会でした。いろいろなプレゼントが用意されており、特等は帆布のリュックサック。魚沼産コシヒカリ2キロなんていうものもありました。
その他Tシャツやブランド物のウェストポーチなど。
当日は80名以上の宿泊客がいましたが、全員がなにかしらもらえるのです。
小屋のスタッフの巧みなリードと、お馴染み客と思われる人の「欲しい!欲しい!」のコールにいつの間にか乗せられて、私たちを含めたいい年のおじさん、おばさんが欲望の塊りになりました。
私もポーチをゲットしましたが、全部終了して寝床に入っても興奮さめやらず、不覚にも「欲しい、欲しい」と寝言で叫んでいたそうです。

権現岳と編笠山の鞍部という稜線上の小屋ですから残念ながら風呂がありません。
しかし逆に言えば、そんな贅沢な不満が言えるほどの好印象でした。

※写真はこちらです。

 

06.10.8 常盤 豊