9月21日(土)の朝、新宿を出発し、1泊2日で富士山に登りました。同行して下さったのは、平石充、三木洋両先輩、浜田泰さん、臼井庸浩さん、結婚されたばかりの古園さおりさんです。
前夜は台風13号が列島南岸を通過し、各地で大雨となりました。出発当日は台風一過の晴天が期待されましたが、新宿までの交通が確保できるか、若干気を揉まされました。
雨は明け方には上がり、交通の心配は杞憂に終わりました。8時に新宿駅西口高速バスターミナルに集合し、8時45分の富士山五合目(吉田口)行きバスに乗車です。料金は2600円、時間も2時間少々、富士山ならこのバスが絶対おすすめです。なお乗車客の半分以上が外人、とくに白人でした。
バスは予定より20分ほど早く、11時前に五合目に到着しました。前夜が台風だったせいで観光客は少なめでした。しかし団体は、予定を変更することなく旅行を実施した模様で、中国語と思われる言葉が飛び交っていました。
富士山登山は通常のもので、とくに報告するほどのものはありません。とにかくすいているので気楽に登れます。およそ4時間で予約してあった「元祖室」に到着しました。この小屋は9月末まで営業、そのほかにも2〜3軒の小屋が営業している模様でした(他の登山道はすべての小屋が営業を終えています)。
午後3時すぎに小屋に入り、ビール・焼酎・日本酒などを飲みながら夕食を待ちます。そして5時半から夕食です。玉ねぎしか入っていないまずいカレーライス、これは予想通り。でもウィンナーソーセージが一人2本ずつ付いていたし、福神漬けも食べ放題。富士山の山小屋なんてこんなもんですよね。
就寝スペース、予想通りのカイコだな。でもこの時期だから一人のスペースが60センチくらいありました。最盛期は多分45センチ、ひどい時は30センチかも知れません。だから私としては大喜び、夏の富士山の山小屋なんて、一見さん相手のぼったくりですもの。
と言うわけで、6時過ぎに就寝。人いきれで、みんなあんまり眠れなかったようでした。そして2時半ころ、もう起きる人が出てきました。気配をうかがっていると、2時40分に電気がつき、さらにその5分後には小屋の従業員が客を起こし始めました。そう、SUN
RISEこそが富士山の最高のご馳走なのです。
前夜配られた弁当(朝食)ですが、発泡スチロールにご飯、薄っぺらい塩鮭、梅干2個、昆布の佃煮、ふりかけ一袋。ああ不味い不味いと言いながら、とにかくお腹に詰め込みました。古園さんは、起き抜けで食べられなかった様子です。なお、トイレは2つしかなく、満員の300人宿泊だったら、いったいどうなるのかと心配になりました。私は不調でしたが。
3時半、とにかく出発。8合目あたりはガレ場が続いてけっこうきつい。父親に連れられた、小学低学年の子供が辛くて泣いていました。九合目の鳥居を過ぎれば、頭の上に頂上がせまります。東の空が明るくなり、日の出が近いことがわかります。そして5時25分ころ吉田口頂上に登りつきました。
真夏には登山客であふれている場所ですが、この時期はそれほどでもありません。ご来光の写真を撮る場所を探して、動き回ることもできました。そして、5時40分ころ待ちかねた太陽がその姿を現しました。
日が昇れば急激に気温が上がるものと期待していましたが、この日はちょっと様子が違います。富士山のお鉢を越えて氷の雲が舞い降りてきます。風も強まってきました。摂氏0度、風速20メートルくらいかと思われます。
体温がどんどん奪われるような寒さに耐えかねて、下山したのではなく、元気よくお鉢めぐりに出発。20分ほどで御殿場口山頂、さらに2〜3分で富士宮口山頂です。ガスでほとんど景色が見えなくなりましたが、最後の馬の背をがんばれば日本最高所剣ヶ峰3776メートルでした。
この時の装備は、毛糸の帽子、長袖シャツ、軍手、それに雨具でしたが、耳は冷たいし、手はかじかむし、登山靴の中の足も冷たく感じられました。セータープラスジャケット、手袋はナイロンで覆われた暖かいもののほうが良かったようです。
頂上には10分くらいいましたが、こんなに寒くては長居無用、さっさと下ります。今回のお楽しみは御殿場口登山道(下山道)の大砂走りです。なんでも、飛ぶように、1歩で3メートルだそうです。
最初はガレ場でふつうの道でしたが、1時間ほど経過したころから小岩混じりの砂の道となり、ついに純粋の砂の道となりました。3メートルは大げさですが、それなりに大またで下れます。ただ、前日の大雨で砂が水分を含んでいいたため路面が思ったより硬く、砂埃を巻き上げる豪快な下りにはなりませんでした。
御殿場口五合目に9時半すぎに到着。この時期にバスはないのでタクシーを呼びますが、20分ほどでやってきました。御殿場には適当な入浴施設がないので今回は隣の「あしがらの湯」で汗を流し、ふたたび御殿場に戻って反省会。帰路は、御殿場駅乙女口そばのバス停から、新宿行きのバスに乗りました。さらに新宿でも反省2次会をやってしまいました。
太田裕美の「9月の雨」、あれは昭和52年の名曲でした。ああ、涙がにじんできます。そうなのです、9月は寂しく冷たい雨の季節なのです。でも、9月の富士山は快適です。機会があればまた企画したいと思っています。
(写真はこちらです。)
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