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参加した妖精たち 中村(一)、阿部、佐藤、三木、和田、北島、生田、中村(明)、松久、村上、村上(菊)、常盤 中村(明)は一夫氏のご長女、松久はその友人、村上は常盤の古い友人、村上(菊)はその奥様です。
え、なんと!5月22日(日)の早朝、テレビの気象通報は、無情にも台風2号の発生を伝えていました。日曜がフィリピンの南海上ということは、月、火、水とジリジリ北上し、木曜からスピードを増して、金曜・台湾、土曜・沖縄、日曜・九州ではありませんか。チィ、去年の秋と同じジャン、くそう、雨天決行だったよな。
この台風、スピードが速まって、土曜までに通り過ぎてしまうことは考えられません。停滞するか西に動くか、とにかく最初の2〜3日に時間をかけてほしいと、お祈りしたのです。しかし台風は、気象庁の大型コンピュータより正確に、私の予想通りの動きを続けたのでした。しかも「猛烈に発達した」という栄誉まで受けていました。
最近の山小屋は、予約して泊まるのが常識になっています。ほんの10年くらい前は、ほとんどノーアポでしたので、ずいぶん変わったものです。宿泊した黒百合ヒュッテに、10人程度という予約はすでに1ヵ月くらい前に済ませました。直前に参加者の増減がありましたが、最終は上記12名で確定しました。
新宿午前8時発のスーパーあずさ5号に乗車です。「はぁちぢちょおーどのー、あぁずさにごーおでー」狩人の歌でおなじみの旧あずさ2号。列車の番号は、下りは奇数、上りは偶数と決まったので、下り列車のあずさ2号は今後ありえないんですよ、と旅行会社勤務の後輩に教えてもらったのは30年くらい前だった気がします。
10時すぎに茅野に到着、天候は曇りです。@予定通り黒百合ヒュッテまで行く A渋の湯あたりで宴会 B茅野で昼ごはんを食べて解散 どうしようかと思い悩んでいましたが、これでは@以外の選択は不可能です。予定通りバスに乗り込みます。なお、村上君は赤いボルボ・コンバーチブル(ただし中古車)で登場。今回は愛車のお披露目が主たる目的だったのでしょうか。
時速15キロくらいのフルスピードで山道を登ったバスは、11時20分ころに渋御殿湯前に到着しました。下車とともに、バスの中で不機嫌だったIKT嬢が御不浄へと走ります。さあ、身支度を整えたらいざ出発です。温泉の前の渋川を渡り、斜面を登ります。けっこうな急坂で行程ははかどります。1時間で尾根上に到着、さらに30分で唐沢鉱泉からの道に合流です。あと1時間かな、順調そのもの。しかしこの尾根道、しばらくで小沢に沿った道へと変わります。それと共に雪と氷が出てきました。また、雪解け水が登山道を覆うようになってきました。
雪は1週間前に降ったもの、季節はずれの50センチもの大雪だったそうです。雪は問題なかったのですが、氷がくせものでした。まるで蒲鉾のように真ん中がふくれています。つるつる滑ります。またこのあたりは岩がごつごつしていて、ツルリと転倒すると岩にぶつかって危ない。また登山道が冠水していて、水の上に顔を出した岩の先っちょをピョンピョン飛び移って歩きます。とても気を使います。
しばらくで、道中氷に覆われた部分、傾斜が急になって左が斜面になっているところで、先頭の和田さんからアイゼン着装の指示がありました。「必ず持ってきてください」とのことでしたが、ある事情から私は持ってない。でもね、俺には傘がある、陽水さ。ザックのサイドからサッと取り出します。しまった、安物だったので、石突き部分がプラスチックだ。ピシッと氷をとらえることができません。微妙なところで石突きがツルリ、右足が水の中に没します。片足びしょびしょ。しかも膝をしたたか岩にぶつけました。でも平気さ、俺にはモーラステープ(久光製薬の医療用サロンパス)があるのさ。
こうして、最後の1時間を2時間近くかけて、無事に黒百合ヒュッテに到着しました。先客は1名、予想されてはいましたが、20名くらいのキャンセルがあった模様です。小屋のスタッフに明日たどる道の状況を尋ねます。???要領を得ません。ほとんど歩いたことがないみたいです。そうだったね、数十年前、山小屋で居候生活をしていたころ、おさんどんと夜の反省会、それに伴うゲロで忙しく、小屋の周りを歩いたことなんて、なかったもんなあ。
ビール飲んで、村上君が背負い上げてくれたワイン・焼酎などを鯨飲、ワイワイやっていよいよ夕食。ハンバーグが主役で、野菜の煮物などの大皿。昔ならご馳走だったかも知れませんが、今時にしてはまあヘルシーという名の貧弱なおかずでした。
夜は8時半消灯、あまりにもりっぱな、重い布団で眠りが妨げられるほど。でも湿っているわけでなく、一人一人のスペースもたっぷりあったので、80点くらいの合格点と言えるでしょう。重さで何度も目が覚めましたが、なんとか必要最低限の睡眠はとれました。5時ころには全員起床。6時の朝食を待ちます。待ちかねた朝食は、缶詰のいわしひとかけら、ひじき、切り干し大根、あとは味噌汁と漬物、ううむぅ。「外は冬の雨、まだやまぬ」てか、ようやく予定通りの大雨、気温は5℃、風はあまりありません。
前日、黒百合ヒュッテまで登れたので、計画はほぼ完了。予定ではここから北行、南行に別れるはずでしたが、それどころではありません。安全に下れればOKです。前日の道を下るのがいちばん早いのですが、ベテラン常盤の水没があったりしたし、雨による増水も考えられたので、これは却下。稜線沿いなら危険は少ないものとの判断で、とりあえず高見石へと向かいます。
中山峠から中山を越えてあとは高見石小屋までの下り、コースタイム1時間少々。わたくし、朝のお勤めを果たすべく、大量のお茶を飲み、残念ながらお勤めは果たせず、気温も低かったため、15分おきに「ちょっと先に行ってて、シャー」。中村(明)に打ち明けたら、そういえばアタシも。隊列の前方ではIKT嬢がお尻を落としながらの、超ゆっくり歩行です。よし、ここで中村(明)頻尿隊結成。私とふたりで高見石小屋まで先行します。途中、登山道全体がプールのようになっていて、思わぬヤブ漕ぎを強いられる場所もありました。みんなより20分くらい前に到着して、ふたりで本望を果たします。
ここでまたまた議論。通常なら、賽の河原経由で渋の湯に戻るとなるところですが、沢沿いなので昨日以上の出水が考えられます。そこで白駒池経由で坪庭に行き、ピラタスロープウェイで下る案が有力になりましたが、ロープウェイが大風で止まる可能性も考えねばなりません。そうだ、白駒池から麦草峠に行き、タクシーで下っちゃえば簡単だ。誰のご意見か忘れましたが、最も簡単・安全な方法でした。
高見石から白駒池までコースタイム30分、ガーと下れば20分という散策路。のはずでしたが、氷と水でここも難渋しました。アイゼンも良いけれど、長靴が最適だったなあ。毛糸の手袋より台所用ゴム手袋があったらなあ。40分くらいかけて白駒荘到着。ここからは正真正銘の散策路を歩いて八ヶ岳を横断する国道299号線へ。国道を15分ほどで麦草峠に到着し、今回の行程はこれにて終了しました。
なお、高見石ではdocomo使用が可能でしたが、白駒荘周辺では不可。さらに国道に出ればと思いましたが、ここも不可。ただし麦草ヒュッテには小型アンテナが設置してあり、室内でdocomoのみ通話可能でした。タクシー到着までおよそ1時間、大雨の中、乗車時間が1時間。茅野郊外のアクアランド茅野で汗を流し、グリル三ツ星という自画自賛ネームのハンバーグレストランで反省会を催し、夕方のあずさで帰京となりました。
行きの電車は「えきねっと・トクだ値」で購入するのがいちばんです。中央線なら35%割引で、料金は各駅停車と大差ありません。キャンセル料も300円ですから、大きな問題ないと思います。帰りもこれで良いのですが、大黒屋などで回数券のばら売りを購入するほうが有利かも知れません。「トクだ値」よりは少し高いですが、帰りの時間を気にする必要がありません。
今回は、初日は曇りで暗い森の中、しかも危うい道だったため、翌日は終日雨だったため写真はほとんどありません。お前の作文は、字ばっかりで長すぎるというそしりを頂戴しています。だれか可能でしたら、写真の投稿を追加でお願いします。
※和田(則)さんから写真を頂きました。こちらをご覧ください。
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