◆「中央線沿線・生藤山〜笹尾根浅間峠」報告   

  和田(則)さんから自主ワンのご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
日 程:平成24年4月28日(土)晴れ

コース:中央線上野原駅=(バス)=佐野川BS−クラコ峠−生藤山−笹尾根浅間峠
     −ゆずり原中学校入口BS=(バス)=中央線上野原駅

同行者:中村ご夫妻、阿部、佐藤、平石、三木、斎藤ご夫妻、石井(啓)、西脇、北島、生田、和田(則)(記)




  • 今までの悪天候を取り返すような、この時期らしい晴天となった。芽吹きや新緑の落葉樹林、ヒノキの香り漂う植林、足元には春の草花。生藤山周辺を除き、人と遭うことのない、静かなハイキングだった。


  • 上野原駅前はうまく並ばないとバスに乗り遅れると思うほど、中高年のハイカーでごった返していた。多くはヒカゲツツジとイワウチワで有名な坪山へ向かった。出発ギリギリにIKTさんを拾い、全員が8時28分発井戸行きバスに乗り込んだ。車中は毎度の小学生の遠足同様でヤイヤイガヤガヤとにぎやか、気持ちが高揚してくる。
    バスに乗り10分程で佐野川(さのがわ)BS。下りたのは我々のみ。STさんは皆の暗黙の願望を先取りし、駅前食堂に何やら予約の電話を入れた。やけに段取りがよい。バス停前のコンビニで準備をしている間、地元の話好きな高齢ご夫婦からクラコ(倉子)峠の話を聞いた。峠道はかつて甲州街道の裏街道(八王子街道)であった。明治の頃には小学校が置かれていたが今は跡形もないとのこと。坂道沿いの民家には当時の屋号残っているとも教えられた。


  • 山村の民家の庭には春の草木が花をつけ、集落の最奥部は雑木の新緑に覆われ、さらに奥には真っ白な富士山が頭を出していた。富士山には歓声となった。クラコ峠は切通しにある峠らしい峠。かつての往来を偲ぶ様々な石碑が建っていた。
    勝手に決めたこのハイキングの目的は、峠から路のない尾根を歩くことのほかに、峠からのヤマツツジ、生藤山のヤマサクラ、熊倉山のカタクリという春の花めぐりである。ただ、これらは同時期に咲かないのが難である。


  • 峠から薄い踏み跡をたどる。昨日の雨で大地は柔らかい。チゴユリが足元の至るところに芽を出し、いくつかは花をつけていた。雑木は芽吹き、黄緑色のトンネルの中を歩く。
    20分も進まないうちに地図にはないが明確な山道と合流してしまった。あっけない藪歩きであった。ヤマツツジは1株見たのみ。はずれてしまった。歩いていて桜を知るのは地面に散った花びらからである。仰ぎ見たヤマザクラの花々は陽光透けて美しい。道脇にはチゴユリのほか、スミレ、マムシグサ、株は少ないがハルリンドウ、ヒトリシズカ。地図道の登山道を横切り、軍刃利(ぐんだり)神社めざし作業道を登る。ヒノキ林では大きな紅色の花のエイザンスミレ。桜の神社で一服。


  • 甘草水(かんぞうすい)は桜が満開。展望もあった。ハイカーが休憩し賑わっていた。山道から外れた甘草水を見に行った。水源は鉄線で囲まれていたので、飲んでみたら美味しいとのこと。地図には「飲用不可」と記されていた。三国山への道にも大きな桜はあったが、病気のため花をつけていなかった。


  • 三国山からすぐ先にある生藤山へはピストン。狭い山頂で多くの人が昼飯中。我々も三国山で場所を確保し昼食とした。NYさんがザックから猪鍋の具を出してきた。コンロで温め皆で御馳走になった。少量ながらとても美味しかった。


  • 熊倉山へは白色スミレの雑木林を歩いた。小さなアップダウンののち山頂に到着。カタクリが1、2株。笹尾根のこのエリアは南西側が植林、北東側が雑木林。日差しを避け木陰を歩けたが、体に熱がたまってきた。日原(ひはら)峠まで歩く予定を浅間峠から下ることにした。ビールが待ち遠しい。下山に異論はなく、歩きやすい植林帯を下った。ヤマブキの黄色花とヨゴレネコノメが印象的。いくらか長い林道を進むと、中学校入口のバス停。バス停手前にニリンソウが花をつけていた。


  • 上野原駅前の「一福食堂」2階で打ち上げ。渇いた喉に冷えたビール、生き返る。大食漢ぞろいは次から次に料理を平らげた。地元の名酒・笹一の冷酒が体に心地よい。最後はトンカツで締め。外はまだ明るく、2階の窓から見える黄緑色の雑木林は春の風景そのものだった。


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