◆「奥多摩・金岱山」報告   

  和田(則)さんから自主ワンのご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
日 程:平成24年11月10日(土)快晴

コース:奥多摩駅 = 東日原− 一石山神社 − 一石山(いちいしやま) − 人形山 − 金岱山(きんたいさん)
    − 人形山 − 周回コース − 一石山 − 一石山神社 − 東日原 = 奥多摩駅

同行者:阿部、佐藤、沼田、斎藤、北島、和田(記)




  • さわやかな秋空のもと、錦秋の山を楽しんだ。気温は尾根で10°だが、無風快晴の小春日和。黄、赤、橙色の木の葉に包まれ、落葉を踏みしめミズナラの巨木に出会った。ここ数年で最高の紅葉の年らしい。山中では数パーティとすれ違う。下山路は予定を変更したところ、2度もハプニングに遭遇。帰りのバスを待ちながら、日の短くなったことを実感した山行であった。

  • 奥多摩駅前は改札から吐き出される登山者の群れと、「行き先は奥多摩方面」と言い残し家を出た行方不明者の遭難チラシを配る関係者たち。

  • 谷筋は紅葉しているが、駅前の山々の紅葉はまだ先。バス停は華やぐ人々で溢れ、東日原(ひがしにっぱら)行きバスは2台増発の計3台で出発。奥多摩駅にはタクシーの営業所が廃止され、タクシーは青梅から呼ぶらしい。
    バス車中はあちこちで山の会話が飛び交い、日常から離れていく往路のバス。登山者の多くは、川乗山の登山口、川乗橋で降りた。このバス路線は平日は東日原の先の鍾乳洞(日原)まで行くのに、土日は徒歩で30分手前の東日原止まり。腑に落ちない。

  • 東日原は自動販売機が1、2台通りに並んでいるのみで、行き交う人もない。静かだ。通りには名水「万寿の水」の東屋。集落を抜けると、日原川を挟み大きな稲村岩がそそり立っていた。その圧倒感に声も出ない。小川谷林道に入ると、左右から落ち込む尾根の黄紅葉が美しかった。

  • 一石山神社は大きな岩壁、燕岩の隣にあり、対岸に梵天岩が望まれた。ご神体は一石山か。最初から急登で、ふくらはぎが突っ張るが、それも10分の我慢。古い石階段を進むと一休みしたくなる頃にベンチがあった。一石山は岩山で最後は植林の中を巻きながら、山頂直下は急な登り。登りきった山頂(1007m)周囲は色鮮やかに紅葉の林。来てよかった。ここで尾根に乗り、緩急ある登りを繰り返す。

  • 尾根の最初は左側が植林、右側が自然林の中を進み、なだらかになるあたりが、落葉広葉樹林の人形山の一角、ミズナラの巨木エリアだった。下草がなく疎林の紅葉林は陽光で美しく輝いている。金岱山もそうだが、尾根上のなだらかな場所が「○○山」と命名されていた。
    巨木は半径10m程度のウッドサークルに囲まれ近づけないので、その大きさを実感できなかった。木漏れ日の落ちた倒木の脇で昼食。

  • 3年前の秋に行った鶴寝山・大マテイ山は、ドングリがやたらと落ちていたが、この山は山栗が多かった。もっともイガしか残っていなかったのだが。尾根左側には、黄金色の梢の間から天目山の三角錐の姿が望まれた。落葉の山を登ると平らな場所に到着。木の幹には「金岱山」(1325m)の小さな名板。尾根右側には秋の日を浴びた長沢脊稜がのんびりと横たわっていた。

  • 下山路は時間に余裕があったので、予定を一部変更した。人形山から一石山に下らず、人形山からミズナラ巨木の周回コースを伝いに小川谷林道に下りることにした。ところが、ハプニングに2度も遭遇。
    午後の日差しを受けた紅葉の林は渋く輝いていた。人形山から先は幅広い馬の背尾根で、落ち葉に埋もれた、見通しのよい下り道。前後しながら下っていた夫婦二人連れが突然「道がなくなった」という。確かにない、というよりもともと落ち葉で分かりにくかった。これが最初のハプニング。
    N先輩と私で、その先を100〜150m下ってみた。赤布2か所のほか山道の跡も見つけたが、更にその先は不明だった。赤布は山道の印とは別に尾根側面への下降点の目印の可能性もあったので、周囲を捜したが下降ルートはなかった。たぶんこの不明瞭な下山路は、タワ尾根小川谷側面の作業用水平道である「上段歩道」と「下段歩道」に下っていくものと思われた。
    また登山地図で確認すると、下山路は道がわからなくなった箇所から少し右手の小さな尾根に入り込むと考えられた。時間を随分ロスしたが登り返すことにした。

  • みんなが待機する場所まで戻ると、夫婦連れが右手方面に山道を見つけたという。その方面に進むと、「ミズナラ巨木周回コース」の標識があった。一安心。人形山まで戻らずに済んだ。ジグザグに切られた歩きやすい道を浅い沢筋に下っていくと、日原(小川谷林道)へ通じる周回コースの最下点に到着。ところが、そこには「日原方面は通行禁止」の張り紙。あと10分で林道と思われる場所である。これが2つ目のハプニング。
    しかたなく、山蔭となり日の当たらない周回コース後半を一石山まで登ることになった。ジグザクの山道をゆっくりと登ると日差しいっぱいの一石山。太陽の光を浴びると、自然に心が落ち着いた。一石山には、周回コースからの「日原へは通行禁止」の案内板。びっくりとした。人形山の下山口には「通行禁止」案内はなかった。予定のバスには間に合わないので、怪我のないように慎重に下った。

  • 一石山神社で、好奇心に溢れる某女子2名は、神社の先にある「鍾乳洞」見学に出向き、我々はバス停に向かった。日が落ちる前に全員が東日原バス停に到着。鍾乳洞は湿度80%で梯子の昇り降りを繰り返したようだ。帰りのバスで、同乗の地元自然団体の方に周回コースの標識の不備を指摘したのも元気な二人。
    翌日は皆、ふくらはぎが筋肉痛となった。紅葉と落葉に夢中になっていたが、尾根に直登があったことを忘れていた。


写真はこちらです。
 1)斎藤さん撮影
 2)和田さん撮影


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