◆平成24年 野歩の会 夏の山行    

  常盤さんから夏の山行の報告を頂きましたのでアップします。

 
 南アルプス南部で実施しようとした夏の山行ですが、この地域は想像以上に不人気でした。魑魅魍魎の住む、もののけの世界という認識です。当初の案は、いとも簡単に却下されました。再度渾身の知恵をしぼり、木曽駒ケ岳を南北から攻め上るという案を、ひねり出しました。伊那市にある商人宿をベースとしました。

 日程は、8月4日(土)〜7日(火)という予定でしたが、某後輩より一日早めたほうがメリットが多いとの指摘があり、3日(金)〜6日(月)と変更しました。3日は移動日であり、お昼のバスで夕方着が基本。ただし仕事のあと、夜のバスで深夜着も可能としました。3日は仕事を終えて深夜着、4日・5日が登山、そのまま泊まらずに夕方のバスで帰宅、翌日から出社とすれば、会社を休む必要がありません。悲しきサラリーマンも参加可能です。さらに6日〜7日というおまけのような日程も付加しました。

 4日、伊那市の旅館に宿泊し、B班5名は5時出発、A班7名は7時すぎに出発です。A班は桂小場からクラシカルコースをたどって西駒山荘へ。
 



B班は駒ヶ根高原から池山尾根を登って空木岳、木曽殿山荘に宿泊。


 

西駒山荘は空いていて、カレーがおいしかったそうです。木曽殿山荘は、評判通りの無愛想な小屋でした。

 8月3日に伊那市に到着できない3人の方、4日早朝のバス・マイカーでロープウェイ利用、千畳敷から宝剣岳横の乗越浄土へ。そこから西駒山荘へと下る、C班としました。交通渋滞、ロープウェイの乗車待ちなど、だいたい予想通りでした。しかし炎天下で何時間も待っているのは苦痛以外の何物でもなく、C 班は3人別々の行動となりました。大きな事故もなく(秘密ですが、小さな事故あり)、無事に西駒山荘に到着し、A班に吸収されました。

 5日のA班は木曽駒ケ岳まで2〜3時間のコースですが、絶好の天候のもと、ゆったりした登山を楽しみました。
 

B班は4時前の出発。思わぬ岩稜に手こずりましたが、宝剣岳に12時に到着することができました。


      


 C´班、4日の昼まで用事のあった方がひとり。4日夜のバスで伊那市の旅館着、5日早朝のロープウェイで千畳敷、乗越浄土へ。2時間ほど歩けば木曽駒ケ岳山頂。ここでA班の到着を待ち、その後宝剣岳を往復しました。

 K班、5日の4時前に町田を出発、6時10分に駒ヶ根の駐車場到着。バス・ロープウェイを乗り継いで千畳敷へ。同行したフウゴ君は初めての登山だったようで、岩のゴロゴロした道に難渋した様子です。乗越浄土から中岳、木曽駒ヶ岳を目指しましたが、途中で断念。しかし、初めて接した雄大な景観は、記憶に残ったことでしょう。


 ということで、A・B・C・C´・K、全員で乗越浄土から千畳敷に下る予定でしたが、12時ころから下りロープウェイの混雑が風雲急を告げてきました。12時なら待ち時間なし、13時だと1時間待ち、14時だと2時間半待ちという具合です。A班を中心とする多くの方は、混雑寸前のロープウェイで下山しました。

 B班は12時宝剣岳出発、乗越浄土12時15分でしたが、ロープウェイの混雑に恐れをなし、2人を除いて即刻下山としました。千畳敷に13時着、乗車整理券を用意しておいてもらい、14時のロープウェイに乗ることができました。

 一方、2人は無謀にも木曽駒ケ岳往復にチャレンジ。乗越浄土から木曽駒ヶ岳往復1時間弱という、猛スピードでした。予想通りですが、ロープウェイ2時間半待ちとなってしまい、旅館での宴会には10分前に滑り込みセーフでした。


 駐車場からマイカーで帰名する1人、伊那市16時25分発のバスで帰京する2人、宴会までお付き合いいただいて、18時25分のバスに乗車する1人、あとは全員が旅館で一夜を明かし、D班6名以外は、6日午前のバスで帰りました。

 6日、この日も4時起床。D班の6名はタクシーで戸台口へ向かいました。ここで村営バスに乗り換えて7時北沢峠。ジャアジャアの雨です。MK先輩が「HRISよう、こんな雨じゃあ行ったってしょうがねえよなあ」とのご意見で、団塊2名は仙丈ケ岳登山を断念。

 大平小屋から藪沢コースを登り、馬の背ヒュッテあたりで雨もやみ、仙丈ケ岳にはお昼に到着。ここで、会社社長という重責を担う某後輩に連絡が入り、本人は当日中に東京に帰らなければならないことになりました。ダッシュで下ります。


 この日の宿は評判の高い仙水小屋。北沢峠から30分ほど登ったところにあります。D班登山組は、北沢峠に多くの荷物を残していったのですが、登山断念の2人が小屋まで一往復半、すべての荷物を持ち上げてくれました。この情報は下山中にキャッチしています。

 この日じゅうに帰らなければならない会社社長は、途中から1人で下り、仙水小屋に15時着、荷物をまとめて北沢峠方面へ。バスにはすんでのところで間に合ったそうです。残り3名は15時半に仙水小屋に到着。ここの食事は刺身が出るとの評判でしたが、そのとおり、たいそうなご馳走でした。

 7日はいよいよ最終日。2時50分起床、3時に電気がつきます。朝食は3時半からとのことでしたが、実際に呼ばれたのは3時18分でした。朝食もおいしい。で、3時48分出発です。仙水峠付近で若干の道迷いをしましたが、ほぼ予定通り7時半に甲斐駒ケ岳到着。
      


めずらしく山頂でゆったりした時間を過ごし、10時40分に仙水小屋着。11時半に北沢峠、ここでラーメンで昼食。広河原までバス、芦安までタクシー、ここで入浴、さらにタクシーで甲府。伊那の山に登りに行ったのに、会社みやげは信玄餅という、おかしなものとなりました。
 
今回の登山で、あらためてわかったこと
  • 虫刺されの薬は、皮膚科で処方してもらった、強力なものを用意すること。リンデロンVGという薬が良いようです。
  • スズメバチに刺されると、命にかかわります。「エピペン」という自己注射剤を用意しておくと安心です。アレルギーによるショック症状をやわらげる薬です。
  • 登山用の帽子、蒸し暑くて嫌いです。しかし雨具と考えるなら、合羽のフードより快適です。ゴアテックス使用のものを選ぶと良いようです。
  • スマートフォンのGPS、実用に耐える段階でした。電波の状態で、不調になる場面もありましたが、おおむね合格でした。位置と標高がはっきりわかります。
  • いつものことですが、携帯電話の電池切れが起こりました。充電の補助電池も結構ですが、たまっているポイントで、新しい電池を購入しておくと安心です。
  • 今回も靴の破壊が起こりました。あと1時間で下山完了という場所だったので、ガムテープでしのぎました。寿命は3シーズンくらいと考えたほうが良さそうです。
  • 北沢峠から仙丈ケ岳にむかって、大平小屋、馬の背ヒュッテ、仙丈小屋が出てきます。40年前の記憶ではオンボロでしたが、それぞれ立て直されて綺麗でした。
  • 本文中にもありますが、仙水小屋って素敵な山小屋です。飯を食べるためだけにもう一度行ってみたいほどです。料金も2食つき6500円と格安です。
  • 甲府から八王子までの、かいじ回数券(4枚一組)。甲府で機械を通さないので無傷、有効期限は1ヶ月。「もう一度使えるんじゃねえの」とはMK先輩のご意見。
  • 別紙は、伊那市の旅館にファックスで送った日程表です。きちんと読んでくれればわかるはずでしょ。期間中、宿のおばさんは大パニックでずっと不機嫌でした。


  以 上