◆「三浦半島・大楠山」報告   

  和田(則)さんから自主ワンのご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
   日 程:  平成26年3月15日(土)晴   
   コース:  京急「安針塚駅」−塚山公園(三浦按針墓)−住宅地−大楠山登山口
−大楠山(241m)−前田橋バス停=バス= 森戸海岸 =バス= JR「逗子駅」 
 
   同行者:  水堀ご夫婦、阿部、三木、平石、星川、生田、和田(記)   


  • この冬は低温に加え2度の記録的大雪に遭い体が縮こまってしまった。この日は春らしい日差しとのどかな丘や畑の風景に、そして光あふれる春の海に、体の中の寒さのしこりが解れた。本格的な山歩きに向けた足慣らしにちょうど良いハイキングとなった。四阿屋山を変更してよかった。

  • 四阿屋山の計画にあたっては、同山が2月15日の大雪で二百数十名が孤立した秩父・小鹿野町にあるので、役場とバス会社に見通しを確認した。登山口となるセツブンソウ園は1mを越える雪に覆われたので、安全をみて3月中旬以降がよい、とアドバイスをもらう。
    寒さが続いた2月24日現在積雪1m、その後暖かな日が続き28日現在一気に50cmに減った。3月1日の雨で3日現在さらに30cmとなる。これならいけると期待したが、5日の雪で積雪は30〜50cmに戻り、寒さが続くことから開園の目途が立たなくなった。山中はそれ以上の残雪が予想される。
    雪の恐れのない三浦半島の最高峰・大楠山とし、あわせて半島を東京湾から相模湾へ横断する計画に変更した。

  • 行程を考え安針塚駅、集合9時30分とした。もう少し遅い時間でも差支えなかったが、頂上の展望にも期待したので、あまり遅くもできなかった。
    年齢のせいで早く目が覚めた諸先輩は9時前から9時13分の間に全員がそろった。あとはI女史を待つだけ。過去歴から不安がよぎったが、この時間なら遅刻はないだろうと不安を打ち消す。
    ところが、彼女の見通しの甘さと私的不運が重なり、到着したのは10時3分。我々は駅前唯一の店もまだ開いていない、寒い駅前広場で待ちくたびれたものの、多分同じコースを歩く20数名の団体パーティとは一緒にならずに済んだ。
    オープニングはI女史とともに始まり、この日のエンディングも彼女の話題を中心に終えることになる。

  • 坂沿いの住宅地を登ると、下手なウグイスの鳴き声。暖かくなりあわてて鳴き始めた感がある。陽が差せば暖かく風もないので気持ちがゆったりとする。住宅地を抜けると、三浦按針墓がある丘に着いた。手入れの行き届いた見晴らし公園で塚山公園(標高133m)という。1000本の桜が咲く名所のようだ。
    公園の一角「港が見える丘」からは横須賀の街や軍港、猿島を見下ろせた。自衛隊軍艦三艘が係留され、右奥には横付けされた空母ジョージワシントンも見える。はるか遠くには横浜みなとみらいのビル群を、房総には24年1月に登った双耳峰の富山(とみさん)を望めた。

  • 三浦按針(あんじん)夫婦の墓は丘の頂にあった。江戸初期に、難破し救助されたイギリス人のウイリアム・アダムスは、その造船・貿易等幅広い知識と経験から徳川家康の信任を得て、外交顧問となる。250石の旗本として三浦に領地を与えられた。この地には日本橋生まれの妻と二人の供養塔が建っている。

  • 公園を下ると高速道路と住宅地。塚山公園は大楠山の登山口ではなく、登山口へはさらに歩かねばななかった。横浜横須賀道路のインターチェンジ脇を進み、農村の雰囲気を残す生活道路に入る。畑も山ももう一雨で春を迎えそうだ。コース案内板に不明瞭な箇所があったが、事前にインターネットで調べた地図を頼りに歩くと、「大楠山登山口」信号交差点に到着。コンビニで昼食を買い出し、トイレタイム。

  • バス通りを離れ、横横道路下をくぐると阿部倉温泉との分岐。I女史が「今日初めて土の道を歩く・・」。そういえば駅前からずっとアスファルトの道だった。土道に足を踏み入れると沢道となり、変わった形の小橋を渡る。周りはカシやシイの常緑樹の森で、雪によるものだろうか、竹林や植林が随分と倒れている。沢から離れると階段の道。コースのガイド本だったかに「285段の階段を上ると、山頂に到着・・」と書かれていたことを思い出す。みんなに「もう少しだ」と言ったものの、山頂までは長かった。

  • 山道の途中で、駅前にいた団体パーティを抜いた。私がリーダーを務めるパーティは抜かれることはあっても抜くことはない、事実上のルールを破る。「我々は平均年齢78才ですから、お先にどうぞ行ってください」との挨拶。納得。みなさん元気。我々も10年後にあのように元気でいたい。そのあたりだったろか、花はまだ先だがニリンソウに出会った。

  • 山道の踊り場に出ると、明るいフェアウェイが広がる。葉山国際CCだ。ゴルフ場脇のネット下を登ると分岐案内。「右・大楠山(230段の階段)」の先には階段道。「左・大楠山」の先にはなだらかな巻き道。これは落とし穴で、落とし道である。巻き道を行きたくなるが曲者でかなりの遠回り、かつ最後に150段の階段が待っている。我々は右の道を選んだ。先ほどの「285段の階段・・・」はここの間違いだった。

  • 薄暗い常緑樹林の先に山頂があった。光があふれ、まぶしく、開放的で暖かい。大勢のハイカーが昼食をとっていた、天ぷらを揚げているパーティもいる。構築物の基礎の一角で昼食。南の方角には伊豆大島の島影、房総の山々、それらを取り囲むひかり輝く海の水面。全身に暖かな光を浴びた。

  • 展望塔に上がる。西方向は雲がかかり富士山も丹沢も見えない。北方向には三浦の森にゴルフ場。その森のかなたに塚山公園のある丘。

  • 頂のすぐ下には雨量観測所の白い塔のある大楠平。1、2分咲きの菜の花畑で山ガールたちが菜の花を前景に同じポーズで写真を撮っていた。我々も真似た。
    菜の花畑の先にはピンクの花をつけた桜林の斜面があった。

  • 下山口の前田橋へはタチツボスミレ咲く、なだらかな下り道だった。なだらかな下りにおしゃべりが弾む。森から出たところが前田橋に向かう川のほとり。オオイヌノフグリの小さな花が咲いている。皆で一息つく。

  • 前田橋までは川の中に整備され遊歩道を1kmほど下る。平たい石が並べられ、飛び石で川を渡った。前田橋手前の橋から陸に上がった角にはジャム屋があった。同行のHさんが勤めていた会社の元同僚が開いたジャムの店。さつまいもジャムやふきのとう味噌ジャムなど、様々なジャムづくりをしている。私も桃のジャムを買う。

  • 前田橋バス停からは頻繁に逗子駅行きのバスが出ている。御用邸前でバスを乗り換え、水堀さんのマンションにお邪魔した。スーパーユニオンと旭屋精肉店で酒とつまみと名物コロッケを買う。
    お邪魔3回目にして、初めて窓から輝く海を見た。1回目の三浦アルプスは雨で葉山散策に変更、2回目の三浦アルプスも雨で鷹取山に変更。
    日没後に富士山が姿を現した。部屋はカラオケの大会となった。I女史のカラオケ実力に先輩方が果敢にチャレンジ。その結果は・・・。マンションを19時40分に失礼した。山の時間と飲み食いの時間が同じだった。

  • 大楠山はこの山単独で登っても面白い。落葉樹の山でも植林の山でもない、常緑広葉樹の自然林の山で、山中には山桜もたくさん生えている。4月初めは桜と展望を楽しめそうだ。このコースには塚山公園、阿部倉温泉分岐、大楠山山頂にトイレがあった。


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   以上