◆「八王子・滝山丘陵」報告   

  和田(則)さんから4月初旬の山行のご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
   日 程:  平成26年4月5日(土)晴   
   コース:  八王子駅=バス=左入バス停−滝山丘陵(古峰ヶ原−滝山城址)
=バス=八王子駅=JR=高尾駅−武蔵陵墓地−多摩森林科学園−高尾駅 
 
   同行者:  阿部、斎藤、北島、和田(記)  


  • 気温が低い晴れ日。雑木林の滝山丘陵は人影少なく、高低差のない芽吹きの林で春を探しながらの散策となった。滝山城址は3000本の桜が満開。午後は高尾の武蔵陵墓地を訪れたのち、隣接する多摩森林科学園で花見。科学園の開花は1/3程度だが、様々な桜花の競演を満喫。歩き所・見所を3か所も回り、かつ同行者は女性3名という、欲張りなウォーキングとなった。満足、満足。

  • 横浜を出るときには、どんより曇に俄か雨。予報が外れたと思ったが、鉄路を北上すると肌寒いが青空に変わる。八王子の昼の気温は11℃。3月前半の陽気で汗ばむことなく、さわやかな1日だった。
    駅北口からバスに乗り、渋滞気味の市内を抜け、左入(さにゅう)バス停で下車。バスはそのあと左折したが、我々は直進し切通しの幹線道路を登りきると、左手に「滝山城址入口」の看板が見えた。

  • 丘陵入口を20m程登ると丘の背に出て、背をなぞる雑木林の小道を歩く。道幅2、3mの平坦な散策路が城址まで続く。「語らいの道」と命名されている。前日の雨で木々は一気に芽吹き、澄んだ大気に陽射しが明るく、光あふれる里道となった。足元にはタチツボスミレやサクボケ、所々にヤマザクラだろか、頭上高く満開の花を咲かせていた。

  • 古峰ヶ原(こぶがはら)園地と呼ばれる三叉路で一休み。ここから城址まで桜林が続く。枝を横に広げた古木ではなく、姿形はすらっとした高木の林である。南側に展望の開けた場所からは、かつて「この丘陵を発見」した某大学の高層棟も見えた。隣の丘陵の一部にピンク一色のエリアを見つけ、次の発見に向け情報収集。

  • 八王子乗馬倶楽部脇を抜けると、城址の一角に立つ。滝山城は戦国時代に北条氏の城だったが、上杉氏との戦いに敗れ、城を放棄しあらたに八王子城を築城としたのこと。城址は山全体が満開の桜に被われていた。散策路の桜、大池跡に咲く高木の桜、対岸の山肌をピンクに染めた桜。心落ち着かず、「バシ、バシ」とシャッターを切る。桜祭りの日であるが人影は薄い。祭りの会場は遠く離れた二の丸だったため、騒音も聞こえてこない。桜の広がる空間を我々だけで独り占めである。

  • 大池跡に下り昼食タイム。桜の下でパンや菓子をいただく。広い池底跡にはもう一組が弁当を広げているだけの静かな花見である。昼食後に祭りの様子を見に行くと、二の丸には続々と花見客が集まり、甘酒がふるまわれ、酒の賑わい、芸能大会には熱が入っていた。
    城址を下り大手口に向かう頃、風は冷たくなり、上空には黒い雲が垂れ込めた。天気が持つか心配だが折角だからと高尾に向かう。

  • 高尾駅北口の交差点には美しいベニバナシダレザクラの立ち姿。徒歩15分に武蔵陵墓地がある。広々とした入口から北山杉と玉砂利の参道を600m進むと、昭和天皇の武蔵野陵(みささぎ)がある。東隣には香淳皇后の武蔵野東陵。常緑の森とワンポイントに配置された見事な桜。多摩の自然の中、静寂漂う陵墓。感動しているうちに、垂れ込めていた雲が抜け、空は明るくなった。隣の多摩陵と多摩東陵も回る。

  • 隣接地に多摩森林科学園がある。科学園では250種600系統の桜、1300本を育成・保存している。3月初めの寒桜から4月下旬の八重桜まで長い間、さくらを楽しめる。入園料を支払い、花見客でにぎわう園内を順路に従い進む。林床にはタチツボスミレ、地元のタカオスミレ、エイザンスミレ、アマナ、ヤブレガサ、ニンリソウ。桜エリアの中心部はつぼみの状態で、満開は1週間後と思われた。園内の道を登り詰め、山腹につけられた林道を下ると、登りでは気づかなかった様々な桜が、傾きかけた日差しを受け一層輝いていた。

  • 15時頃だったろうか、高尾駅北口近くにあるやきとり屋に入り、軽く打ち上げをした。清々しい桜三昧の1日。

  • (追記)滝山丘陵に途中から入る場合には、別路線の滝山2丁目バス停で下車し、入り口に石碑・石仏のある里道を緩やかに進むと直接、古峰ヶ原園地に上がれる。


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