◆野歩の会 夏の山行報告(B班中心)   

  常盤さんから夏合宿の御報告を頂きましたので掲載いたします。

 

日程:平成26年8月6日〜11日(当初の計画)

場所:北アルプス核心部

参加 A班 平石、三木、田尻、吉川
   B班 石井、松田、田中、常盤
   C班 中村(一)、中村(奥様)、篠原、阿部、沼田、高水(沼田・妹)、北島
   《佐藤(あけみ)さんは仕事で、相原さんは体調不良で参加断念》




 A班はブナタテ尾根から水晶岳を経て雲ノ平へ、B班は一日遅れのスタートで、ブナタテ尾根から水晶岳方面へ、C班は、富山から太郎平に一泊して雲ノ平へ。最終日前日に、全員が双六小屋に集合し、10日に新穂高温泉へと下山、反省会という予定でした。

 残念ながら台風が直撃し、8月としてはまれに見る大荒れの天候となってしまいました。まず先に通過したのが12号です。北に去ったかに見えましたが、温帯低気圧に変身し、前線が発生、北から南に威圧してきます。そして、自転車並みのスピードで北上してきた11号、日本列島直撃の体勢が磐石になり、10日の予想位置が中部地方という、なんともドンピシャ悲劇となりました。

 私どもB班は、8月7日、信濃大町の山岳旅館「いとう」という、すばらしい宿に集合しました(素泊まり3900円)。夕食は、宿のご主人の紹介で、飲食店「やち」という、スナックのような昭和レトロ店、これまた満足なお店でありました。

 8月8日、4時起床。すぐそばにあるコンビニで、朝食・昼食の食材など購入し、5時に予約したタクシーに乗車です。七倉で登山者カードの記入を済ませ、6時前に高瀬ダムに到着。6時10分、ほぼ予定通りのスタートです。

 天候は曇り、お昼ころから雨になるだろうけれど、とりあえずは問題なさそうです。この日の予定は、ブナタテ尾根を登り、早く着いたら烏帽子岳を往復し(難しそうならカット)、野口五郎小屋までです。

 ダムサイトからトンネルを抜けて、不動沢沿いにしばらく歩けば、ブナタテ尾根の取付きです。一息入れていよいよ急坂にかかります。非常に蒸し暑く、大汗をかきます。取付きが12番、烏帽子小屋が0番、標高差はおよそ1200メートルです。通常なら、ワンピッチ300メートルくらい登ります。しかしブナタテ尾根、傾斜がきつく、思ったほどはかどりません。40分歩いてやっと10番、200メートルしか登っていないが、ええい休憩です。

 この先、9番のところが難所と言われる「権太落とし」です。フゥフゥ、つらい登りが続きます。雨がパラパラ降ってきました。傘で対処です。松田さんは傘を持参しなかったので、雨具着用。しかししばらくで雨がやみます。やっぱり、傘はあった方が良いですね、下山後の街中でも必要だし。そして、8番で休憩。

 前日の「やち」のビール鯨飲が残っていた私ですが、少しずつ調子が上がってきました。何となく食欲もわいてきました。それでも次は6番で休憩、9時前です。このペースで登れば、11時半ころ烏帽子小屋かしら、烏帽子岳往復は天候次第だな。

 っと、その時下山者が。おお、なんとA班の皆様ではありませんか。何で下ってくるのかしら。当然やり取りがあります。天気が悪いので、もう下山するのだそうです。なんと軟弱な連中でしょうか。でもでも、急に心が折れてきました、パキッ。

 もともと、10日の台風直撃が確実なのだから、この日(8日)に野口五郎小屋に泊まっても、9日双六小屋、10日に沢沿いの下山は無理。明日は、来た道を引き返そうと決めていたところでした。なお、C班も下山中であることはわかっています。

 高校野球の開会式が、54年ぶりに雨天延期となったそうです。54年前と言えば1960年(昭和35年)であります。当時、2年生エースの柴田勲擁する法政二高が全国制覇を成し遂げたという、気の遠くなるほど昔のこと。それ以来の悪い夏!

 烏帽子岳だけでも往復したいという田中君を除く残りの7名は、悄然と下山したのでありました。これでB班の行動はおしまい(田中君は、烏帽子岳のピークを踏んだそうです)。

 ここからは、A班と、除田中・B班混合パーティです。筋肉疲労で、足元が定まりにくい急坂、安全第一で不動沢まで下山。単独行の1人にタクシー相乗りの声をかけ、高瀬ダムから信濃大町へと戻ってきました。お昼過ぎです。

 これからが大仕事。野口五郎小屋、雲ノ平山荘、双六小屋のキャンセル。C班の意向を聞いて、また田中君の行動をキャッチして、お宿「いちだ」への交渉です。お宿「いちだ」には、@10日宿泊はキャンセル、A急ではあるが、今日泊めてくれないだろうか、B急な宿泊が無理なら、別の宿を紹介願えないか、でありました。幸いなことに、当日の宿泊OKをもらいました。

 信濃大町駅前のラーメン屋で、田中君の帰りを待ちます。3時半ころ戻ってきそうです。タクシー会社にジャンボタクシーの予約です。「3時半、8人ですが、ジャンボ1台お願いできますか?」ぶっきらぼうな声で「どちらまで?」「ヒラユなんですが」「え?」予想外の地名。「岐阜県の平湯温泉です」電話の向こうで、パアーと光が輝く音がしました。「しょ、承知しました」だそうです。

 富山のC班にも連絡です。富山14時40分の神岡行きバスに乗り、乗り換えて平湯に向かって下さい。17時22分、新平湯温泉着という、夢のようにドンピシャなバスがありました。やっぱり、スマホなしの生活には戻れませんね。そのままお帰りになる篠原さん、沼田さん兄妹を除く4名が、富山から馳せ参じます。まるで、サラサラ峠を越えた佐々成政のごとくです。

 我がジャンボタクシー、雨の中を安曇野から梓川沿いの国道をさかのぼり、安房トンネルを抜けて、平湯の横を突っ走って、18時20分ころ、お宿「いちだ」に無事到着しました。料金はおよそ48000円、ワタクシ史上最も高額な料金です(ジャンボのせいもあります)。

 そのお宿「いちだ」ですが、田中君の会社の社員の本家が経営している(関係がいまひとつわかりにくい)とかで、高級な民宿でありました。なかなか結構な宿です。それにしても田中君のおかげ、豪華絢爛たる料理には圧倒されました。まあ胃がないワタクシ、豪華料理の半分も食べられませんでしたが。無料追加料理、無料酒代は、仕事で3倍返しを義務付けられているそうです。

 8月9日、新平湯から平湯へ。新宿直通バスに2名乗車、残りは松本からあずさで帰ります。松本のチケット屋で、あずさ・自由席回数券、6名分26700円(ひとり4450円)、普通に指定席を買うと7100円です。やった、やりました、三木先輩有難うございました。2台の椅子を回転させて、8人分の席で、楽しく新宿まで帰りました。

 これで、B班中心の報告は終わりです。A班、C班の報告も楽しみであります。今回の山行、まあ精いっぱいというところでしょうか。台風が恨めしいが、仕方ないです。



写真はこちらです。
  1. その1・田中さん撮影(ほぼB班及び田中さん単独行動の写真です)
  2. その2・石井さん撮影(B班の写真です)
  3. その3・常盤さん撮影(ほぼ全体の写真です)



  以 上   
 


[追記]
田中さんから8月8日の行動記録(時刻・標高)を頂いていますので追記致します。

大町 旅館いとう発510 タクシー
高瀬ダム 608 1270m
取付き 634-45 1319m
小休 723-34 1580m
傘を出す742-47
岩小屋754
小休 805-811 1714m
小休 850-928 1980m
<ここからは田中さんの単独行動の記録です>
三角点 1001-11 2215m
たぬき岩 1019
小休止 1055-58 2448m
烏帽子小屋 1115-23
烏帽子岳 1159-1202
烏帽子小屋 1236-39
途中15分電話メールなど
三角点 1326-38
朝別れた所 1402 1970m
取付き 1447 1327m
高瀬ダム 1510 タクシー
信濃大町 1550 マイクロバス
新平湯お宿いちだ 1810