◆自主ワン 蔵王山   

  常盤(豊)さんから自主ワンの御報告を頂きましたので掲載いたします。

 

日程:2014年12月28日(日)

メンバー:終君とふたり




 暮れも押し詰まった12月28日に、終(endo)君とふたりで、蔵王山に行ってきました。野歩の会の山行ではありませんが、「天候に恵まれれば、こんな冬山気分も味わえます」といった紹介です。

 当初は、12月21日の予定でしたが、スキーなら可能だが、登山には不適な天候が予想されたので、一週間伸ばしました。前日、翌日とも吹雪、この日だけピーカンという大当たりでした。

 東京6時12分発の山形新幹線、つばさ121号に乗車です。福島まではふつうの冬景色でしたが、奥羽本線に入って10分ほどで雪景色に一変します。かみのやま温泉駅に8時48分到着、仙台から車で来た終君と合流です。

 ここから除雪された道を40分ほどで、ロープウェイの蔵王温泉駅です。ロープウェイを2本乗り継げば山頂の地蔵山頂駅。それほどの混雑ではありませんが、およそ1時間でした。

 ここの標高は、およそ1660メートル。最初に目指す地蔵岳が1736メートル、蔵王連峰最高所の熊野岳が1841メートルです。地蔵岳まで30分、熊野岳までさらに1時間というところ。

 今回の私の装備ですが、化繊の長そでシャツ、ポリエステルのシャツ、カシミヤセーター、松田先輩からもらった、ナイロンジャケット・サンプル品、それにマフラー。毛糸の帽子、毛糸の手袋にオーバー手袋。化繊のズボン下、夏用ズボンに雨具、ロングスパッツ。冬の丹沢など、0℃〜−5℃くらいなら適当かと思いますが、今回は山頂駅で−7℃、熊野岳で−10℃くらい、風速5〜10メートルだったため、多少貧弱ではありました。

 蔵王は、噴火の可能性が取りざたされており、また雪崩れの危険も考えられるので、スキーコース以外は立ち入り禁止です。私たち登山者は、それを無視するかのように、規制のロープをくぐって外に出ます。なんとなく違反行為のようで、気分はよろしくありません。

 さて、蔵王といえば樹氷でありますが、樹氷が成長してモンスターになるのは、例年1月中旬から2月以降です。しかし今年は、12月後半に積雪が非常に多かったため、年末という早い時期にもかかわらず、山頂駅付近の樹木の雪は、十分成長していました。

 雪山装備の基本は、ピッケル、アイゼン、輪かんであり、私たちもその用意をしていました。しかし、雪が適当に締まっており、かといって凍結しているわけでもなく、つぼ足+ストックで十分でした。

 今回の失敗、スタート時の準備不足です。歩き出してすぐにザックのファスナーをロックする習慣ですが、オーバー手袋のため、うまくいきません。また普段より着ぶくれしているので、ベルトを調節しなければなりません。歩きながら手袋をはずしての操作となりました。

 また、使い慣れていないストックです。調節部分のねじをきっちり締めていなかったため、重量がかかって、するりと短くなってしまいます。これもオーバー手袋ではうまく調整できません。歩きながら、冷たいにもかかわらず、素手での調整を余儀なくされました。鼻水がジャーと出てきます。

 歩き出して30分弱で地蔵岳山頂です。朝日連峰が立派に見え、左に飯豊連峰、右に月山が大きいです。登山道は、およそ10メートルおきくらいにポールが立っており、ホワイトアウトのときなどは、これを頼りに進むようです。もちろん標識にはエビのしっぽが成長しています。

 地蔵岳から少し下り、今回の目的地である熊野岳を目指します。およそ150メートルほどの登りですが、やはりつらいです。露出している部分は冷たく感じます。少しずつ風も出てきました。

 熊野岳の頂上には社があるのですが、すべて凍りついており、氷の造形物のようでした。ここでの失敗。ライターを雪の上にポロリと落としたのです。それを拾って着火しようとしましたが、もう湿ってしまい、使い物になりません。終君の電子ライターを借りて、事なきを得ましたが、危ないところでした。山でおいしいタバコを吸うためには、装備の管理が大切だということ思い知らされました。

 雪山は十分満喫したし、あとは帰るだけです。同じ道を引き返します。帰りは下りのほうが多いため、ロープウェイ山頂駅まで、およそ1時間でした。午後2時にロープウェイに乗車し、3時前には駐車場に戻れました。ここから1時間半、ふたりで仙台まで行き、駅前で反省会後、18時32分発の東北新幹線はやぶさ号で、帰路に着いたのでした。帰宅は20時40分でした。

 かつてスキーに通っていた時期がありましたが、蔵王には縁がありませんでした。夜行列車なら、どこに向かっても、到着は早朝です。しかしマイカーだと、やはり上越周辺が便利です。福島または仙台から峠を越えて山形へ、そして蔵王となると、一日がつぶれてしまいます。

 ところが、新幹線の利用で、日帰りまで可能になったことは驚異です。今回、11時に頂上駅に着きました(早朝発ではこれが一番早い)が、ロープウェイの混雑は昔ほどではなく、夕方まで7〜8回は滑走が可能のようです。夕方、5時ころの新幹線に乗車すれば、家に9時半ころ帰り着くことができます。

 登山だったので、せっかくの蔵王なのに、まったく滑らなかったのですが、なんとも優雅なスキー場という印象でした。そうですね、やっぱり温泉に一泊して、翌日は朝からスキー三昧とすべきだったのか知れません。




写真はこちらです。

  以 上