◆「名倉金剛山から東尾垂の湯」報告   

  和田(則)さんから11月の山行のご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
   日 程:  平成27年11月21日(土)晴れのち薄曇り  
   コース:  中央線藤野駅 − 一本松山 − 葛原地区 − 名倉金剛山 − 天神峠
 −(奥牧野地区経由)− 東尾垂の湯 = 送迎バス = 藤野駅
 
   同行者:  和田(篤)、石川、小柴、三木、北島、生田、和田(記)
 


<コースマップ>




<記録>

  • 穏やかな小春日和、長閑な秋の里山、時間に囚われないハイキング。そしてワイワイガヤガヤしながらのバカバカしい車道下り。気持ちリッチな反省会。そんな1日でした。雑木紅葉が芳しくなかったことだけが心残り。

  • 1週間前に妙義山山行が雨で中止となり、天気が気がかりな一週間、当日は晴れで山中気温は17℃と三連休唯一の山歩好日でした。
    以前より相模湖駅から上野原駅にかけて南側に連なる雑木林が気にかかっていました。「雑木林を歩きたい。その向こうには何があるのだろうか」と数年前が歩き始めです。日本昔話に出てくるポンポコ山と山里が広がる風景。中央線沿線が私の好きなフィールドとなりました。
    山行前半は一般コース、後半は私がまったく別地域にある温泉を強引に結びつけたコース設定。空間感覚と時間感覚のギャップが面白くコースに入れました。

  • 周辺には同じ名前の山が多い地域です。名倉金剛山の西隣には鶴島金剛山が、東には日連(ひづれ)金剛山。桂川沿いには、鶴島御前山、綱之上御前山、斧窪御前山、大月御前山と4つの御前山。興味の尽きない地域です。

  • さて、小柴さんから、「高尾山しか歩いていないのですが、「バカバカしい山行」にご一緒できますか、考えが甘いでしょうか」とのメールをいただきました。金剛山の大変さは高尾山の1/3です。喜んで同行願いました。小柴さんは毎週高尾山を歩かれ、この山行は高尾から飛び出す第一歩です。

  • 自宅を出るときに、和田(篤)さんから「地元駅に着いたが人身事故で復旧には1時間以上はかかる」との電話。山行時間は十分にあるとはいえ、復旧時間は読めないので同行は諦めざるを得ません。その後電車中の私に、「復旧の目途がついた、藤野駅に9時18分着。わかりやすい山なら一人で追いかける」とのメール。里山なので予備知識なしでは心許なく、駅で出迎えです。

  • 藤野駅を下りると、中村(一)さん、そして小柴さんがやってきました。中村さんは会社時代の仲間と陣馬山に行くとの話。駅前は陣馬山に向かうハイカーでにぎやかでしたが陣馬山グループを見送ると駅前は静まり、我々は和田さんを出迎え、9時30分に出発。

  • 駅から見えるランドマーク「緑のラブレター」は20数年の歳月に綻び始めています。お誘いに書いた「その向こう」には、山里と取り囲む山々のほかに、園芸ランド遊歩道と野外アート作品が設置された芸術の道が交錯する山里です。駅舎の一角にある観光案内で「藤野園芸ランド遊歩道」と「芸術の道」パンフレットを入手すると里道を間違うことなく楽しく歩けます。

  • 事前案内で運動靴を薦めたので、皆足取りも軽く相模湖・桂川にかかる弁天橋に向かいます。橋手前の野外アートを見入り、橋上で桂川の渓谷、西に広がる山並みと大きな青空に心が解きほぐされました。一本松山登山口では高齢者ハイカー10名ほどが入山準備中。このエリアでハイカーと出会うのは初めてです。この日高尾山は初詣並みの大混雑、大山も大変な人出だったようです。山頂手前に高尾山、城山、陣馬山、生藤山の山並みを展望できる高台がありました。

  • 一本松山の頂には由来の松の木はありません。権現山から扇山への吊り尾根と急峻な鶴島御前山を眺め、落葉樹の山道を下り車道に出ると、そこは丘陵地名倉・葛原(とづらはら)地区。学校があります。「シュタイナー学園」です。芸術としての教育を唱えるシュタイナー教育論の実践学校です。80年代に早稲田の街で開校し、10年ほど前に移転してきました。

  • 集落に人影はなく路傍には様々な野外アート。地区を取り囲む山の中腹には大型アート「山の目」、その目玉は集落の隅々まで見渡しています。しかし今回は見えません。付近で遊ぶ小学生から今は木の葉に隠れて見えないと教わりました。ホームパーティ中の彼は、欧米系の顔立ちにペインティングした学園児童でした。

  • 葛原神社境内の先にある東屋で昼食。お湯を沸かし、コーヒータイムです。畑の奥には笹尾根、三頭山、権現山、大菩薩と小金沢連嶺と名立たる山が並びます。物音ひとつせず、動くものもなく、静かに時が流れます。実にのんびりと寛ぎました。「これで今日は十分満足」との声が聞こえ、慌てての出発です。

  • 金剛山へは落葉の道をひと汗かくと山頂。丹沢の大室山や丹沢主脈が大きく見えます。足元には「ふじの温泉病院」ビルと左隣に三角屋根の温泉施設。水平距離にして600m、高度差は170m。超高層ビルは高さ200m、都庁からJR西口までの距離は600m。この空間感覚と徒歩1時間45分という時間感覚のミスマッチが後半のテーマです。

  • 紅葉舞い散る山道を下り、12時35分に天神峠を出発。私の見積では距離6km、所要時間は1時間30分。おしゃべりしていると二股分岐。目と鼻の先に病院が見えます。距離で250m、徒歩で1時間25分の遠さ、腹など立ちません、諦めの境地です。道路下の茶畑や橋から渓谷の滝を覗き込み、日影原地区では支障はないのでしょうが、1日1本のバス便に驚きの声を上げました。

  • 峠から1時間以上かけ奥牧野地区へ。道はここから温泉方向に向かいます。県道517号線を辿り、温泉手前の山村は歩く人も佇む人もおらず、まるで時間が止まったかのような風景です。

  • 東尾垂(ひがしおたる)の湯」に14時20分に到着。事前アナウンスのおかげで長い下りにさほど苦痛を感じなかったようです。サラリとした温泉湯と露天風呂の湯加減が最高。2階ベランダにテーブルを構え、周囲の山々を眺めながらの反省会。女性陣は温泉に1時間以上浸かり疲れを取り切っての乾杯です。ベランダでの反省はリッチな気分。1日が穏やかに暮れはじめ、我々は16時15分発の送迎バスで藤野駅に向かいました。
    同行された皆さん、長くバカバカしい車道歩きは、どうだったのでしようか。


写真はこちらです。
1.石川さん撮影
2.和田さん撮影


   以上