◆「南ア・日向山ハイキング」報告 

  和田(則)さんから5月の山行のご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
  • 日 程:平成28年5月14日(土)概ね晴れ
  • コース:
    中央本線「小淵沢」駅 = タクシー = 矢立石登山口 − 林道 − 錦滝(東屋) − 急登 − 日向山(1660m)− 矢立石登山口 = タクシー = サントリー白州工場 = 送迎バス =「小淵沢」駅
  • 同行者:石川、小柴、阿部、石井、斎藤ご夫妻、北島、和田(記)




  • 日向山は特異な景観と展望で人気の山。新緑と展望が目的の山行。季節の歩みが早い今年、木々の葉はすでに色濃く、期待の大展望も山々は雲の中でした。
    しかし、ヤマツツジと緑陰の林道歩き、思いのほか大きな錦滝、手に汗かいたロープと鎖と鉄梯子の急登登り、そのあと一転して山頂に続く白砂の斜面、「ビーチ・オン・ザ・マウンテン」の驚きの山頂、樹木の変化を楽しんだ下り道、最後は森の白州工場でハイボール作りと打上げ等、変化に富み、変化を楽しんだ1日でした。

  • ここずっと雨に降られないものの厚い曇に被われた山行が続き、気がかりは天気だけ。中央本線が甲府盆地に入ると、遠くの高山は霞み、あるいは雲の中。駅を降りると正面には山頂のザレが目立つ日向山が見えました。
    予約したジャンボタクシー(9人乗り)で山中に入ると新緑のはずの木々はすでに夏葉のようです。

 
 (登山口)
  • 矢立石(やたていし)登山口周辺は自家用車が混み合い身動きできない様子、タクシーは登山口の250m手前でストップ。迎えの車を14時に予約し、春ゼミの一番声を聴き山道に入ります。山道の両側にはヤマツツジが多く、森の中はこの時期らしい緑と赤の色合いです。私たちは「日向山ハイキングコース」の標識へ向かわず、林道をそのまま進みました。林道では誰にも遭いません。

 
 (林道歩き)
  • 林道は長く放置され、土砂や大石がゴロゴロと転がったまま。5月の涼しい風が心地よいです。満開のヤマツツジのほかウワミズサクラの白花、アオダモの白花、ウツギ(卯の花)の白花など白花が多い中、クリンソウが2か所に一本ずつ、紅花を咲かせていました。ミツバツツジはすでに落花し、残念なことに蝶々も飛んでいません。
    おしゃべりに夢中になっていると、梢の間から残雪の甲斐駒ケ岳が神々しい姿を見せました。好きな景色です。

  • 1時間ほど歩き錦滝に到着。水量は少ないが落差は20m前後で迫力があります。岩壁には濃桃色のクモイコザクラの群生がありますが、滝に近づけないので望遠レンズで覗きました。山頂までは標高差400m、1時間の登り、急登は40分。腹ごしらえをしてから出発です。

 
 (急 登)
  • 東屋の奥へと山頂への道が続いています。急登は登り始めの標高差80mと尾根中間部にありました。すぐにロープ、鎖(トラバース用は1箇所)、鉄梯子(1箇所)が出てきて面食らいますが、そこを我慢すれば・・・。周囲にはヤマツツジに代わりミツバツツジが現れましたが、汗をかき、喉は乾き、楽しむ余裕はありません。
 
 (山頂の入口へ)
  • 鞍掛山を左に分けて右に進むと、光り輝く白砂が急斜面に広がる山頂直下に出ました。きめの細かい白砂が陽光を受けまぶしいです。樹林帯から白砂斜面への劇的な変化は驚きだし、不思議な風景でした。登山口からの直接コースでは味わえない感激を受けました。

    白砂の中に金色に光る砂がありました。ここは甲斐の国、信玄の隠し金山の国です。もしやと金色の砂を持って帰った方もいましたが・・・。砂に足を取られながら一歩一歩登ると雁が原(ガンガワラ)です。稜線肩には大きな花崗岩の岩山が聳え、岩の上を行くハイカーの姿が小さく見えます。
    この山は甲斐駒、鳳凰三山の流れをくむ花崗岩の山で、奇岩の造形は燕岳に似ていました。
 
 (ビーチ・オン・ザ・マウンテン)
  • 白砂が広がる山頂は「ビーチ・オン・ザ・マウンテン」と呼ばれ、登山口からやってきた若者や家族連れで賑わっていました。砂地に将棋盤を広げ、小学生の息子と将棋を指している若いパパがいました。まるで浜辺の光景です。私たちは日差しを避け林の中に入りコーヒーブレイク。山の上で細かい砂地に座るのは初めてです。

  • 甲斐駒とは5kmの距離、迫力ある展望を期待したのですがガスの中、富士山も鳳凰三山も八ヶ岳も雲の中でした。残念です。

 
 (サントリー白州工場(蒸留所))
  • タクシーの予約時刻が迫るので慌ただしく下山です。カラマツの落葉が敷きしめられた山道は歩きやすいです。先週土曜日18時からBS6チャンネル「夕焼け酒場」で例会の店「葉隠」が紹介されたことが話題に上がりました。
    カエデ林から若葉のカラマツ林を抜け、落葉樹林に入り1時間で登山口に到着、サントリー白州蒸留所に向かいます。

    計画時、下山後には3つの選択がありました。サントリーのほか、お菓子の「シャトレーゼ白州工場見学」と名湯「尾白の湯」ですが、蔵出しのウイスキーを飲みたくサントリーにしました。
    ところが「工場見学と4種類の原酒試飲コース」は1か月前でも14時30分の予約は取れず、14時30分入場の予約のみをしました。うまく先着順の枠に入れば「白州森の薫ハイボール作り体験」(500円)に参加できます。先を急ぎます。

  • 白州蒸留所は大きな森の中にあり全体が森林公園のようです。アカマツの多い雑木林、足元にはヤマユリやオオバギボウシの若葉が目立ちます。花をつける夏が楽しみです。
    余裕で先着枠に入れました。ミントを香り立たせたハイボールが出来上がると気分は一気に盛り上がります。どこかの中高年登山グループの大きな声が響き渡っていました。

  • ハイボールの後は、レストラン「ホワイトテラス」のテラス席で打ち上げです。林に囲まれた素晴らしいテーブルで、ウイスキー博物館を覗くのを忘れてしまうほど、美味しい水割りダブルをいただきました。

 
 (駅前の反省会)
  • 予約列車の関係で早めに退席した2名のほかは、その後駅前の「入船食堂」で反省会となりました。私の反省は、帰りの列車時刻を設定しなかったため、皆が異なる3つの特急に分かれて家路に向かうことになったことです。申し訳ありません。

  • 日向山は20才代に社会人の山の会で沢登りをした山です。山頂の変わった光景が強く印象に残りました。
    当時、山の先輩からは、「サントリー白州工場に流れる「濁川」は工場建設時に「神宮川」に改名された、濁川は花崗岩の砂を多く含むだけで汚れてはいない、普段は伏流で大雨が降ると川になる、濁川は明治神宮の玉石を採取していたので縁起の良い「神宮川」となってよかった」という話を聞いた覚えがあります。


写真はこちらです。
1.石川さん撮影
2.斎藤さん撮影
3.和田さん撮影


   以上