◆「気まぐれシモバシラ(氷の華)の高尾山」報告     

 
 日 程
平成29年12月23日(土)快晴無風、暖かい
 コース
京王線「高尾山口」駅 =ケーブル= 高尾山駅 − 高尾山 − 城山 − 千木良 − 小原宿本陣 =バス= JR「相模湖」駅
 同行者
小柴、佐藤、三木、平石、北島、和田(記)
 
 

■快晴無風。シモバシラの氷の華に出会えたかって?。NO、NO。なにしろ暖かく防寒着不要、スミレ咲く4月中旬の陽気。しかし、素晴らしい展望を喜び、何ら制約なくのんびりと歩き(目を皿にして探し求め歩いたが)、ゆっくりの昼食と山里歩き、最後は本陣見学となった1日でした。

(天気の気がかり)
・先々週の石老山に続き、天気の心配は無用だったが、18日(月)からの一番の冷え込みが緩み始め、それだけが心配の種。かなり冷え込まないと華は咲かず、18日から2、3日は氷の華は咲いた。当日は移動性高気圧に覆われる。なんと贅沢な悩み。

(シモバシラの氷の華)
・シモバシラの氷の華は、シモバシラという花草が枯れた後、地中の水分を根から吸い上げ枯れた地上の茎から吹き出し、薄い花びらのような氷の華を作るもの。平地の畑に見られるシモバシラとは別物。

・案内の通り、氷の華が咲く気象条件は、凍るほどの寒さだが土が凍らない程度の気温。降雪や積雪がないこと、あまり土が乾燥しておらず、風が穏やかであること。氷の華を繰り返すと枯れた茎が裂け、華がつかない。例年、高尾山では12月中旬から1月上旬までがベスト期間。日が昇ると融けるので朝が好ましい。今年は寒さが早かったので最早終盤ではないかと心配。

(寒い)
・同行者は当初9名だったが体調不良等で6名になった。駅前は山間の冷え込み−1℃、ハイカーも少ない。ケーブル駅前は路面に氷が薄くつき、滑らないように歩く。予報では東京の最低気温2℃、最高気温14℃。2℃は18日の0℃には及ばないが、八王子は3、4℃低く、高尾山頂はさらに1、2℃低いはず。駅前の寒さから氷の華を見られると確信。

・8時30分発のケーブルに乗る。80才前後の小柄な高齢女性グループと相席。皆おしゃべり。「どこまで行くのか」と尋ねられ、「城山まで」。「私たちはそこまでは無理、無理」。怪我することなく高尾山を楽しんでください。

(あれっ?)
・山頂駅で外に出ると、冷え冷え感がないどころか、暖かい、???。地面は乾燥し霜もない。疑心暗鬼になり山頂へ足を進める。社寺を通り抜け、いよいよ山頂部へ。快晴だからといって富士山がよく見えるとは限らない、よく経験すること。見える見えないの話をしながら山頂広場に立った。

(山頂)
・富士山は良く見えた。が、雪が少なく地肌もあり、はっとする美しい姿ではない。手前には石老山が横たわり大明神展望台から山頂までこぶ山が続く。遠くには農鳥岳と塩見岳の雪山が覗く。

(シモバシラ探し)
・昨年12月、小柴さんの高尾300回記念登山を祝った頂の階段を下り、もみじ平から北側の巻き道に入る。巻き道入口には、「シモバシラ(氷の華)」の解説板。シモバシラ群生地に立ち入り撮影する者が後を絶えず、一部の群生地が消滅しつつあるようだ。

・山道はカラカラに乾き歩きやすいが、シモバシラがあるようには思えない。万一があるので、日陰の林を期待しながら歩くが、まったくない。融けたのではなく氷をつけていないのだ。いや、シモバシラの枯れた茎(よく知らないが)すら見当たらない。

(一丁平)
・一丁平で休憩し、一丁平展望台に向かう。山頂以上に感激のパノラマが広がっていた。ケーブルで相席となった高年女性グループと再会。佐藤さんと北島さんが話を聞くと、江戸川区に住む80才前後の山仲間、月に2回、低山や街中歩きをしているという。元気でおしゃべりな5人組。元気とおしゃべりが生き生きの素のようでした。

(トレラン大会)
・諦めだが、念のため一丁平からは巻き道と尾根筋の2手に分かれ、城山を目指したがなかった。城山手前がトレラン大会のコースの一部となっており、早いスピードで次から次と選手が走り抜ける。北高尾の夕焼け小焼けの里から、市道山、陣馬山、城山、そして南高尾山稜までのコースのようだ。

(城山で昼食)
・11時に城山。風はなく暖かい。茶屋席の正面には富士山。お山は200人前後のハイカーで一杯。1時間ほど昼食タイム。茶屋でおでんを買い火器使用許可証をもらう。当初中村さんが霧ヶ峰スノートレでやった「お汁粉」を作る予定だったが、同行できず、コーヒーを沸かすのみとなった。周りはビールにワインや日本酒、サラダボールに煮込みなど、手の込んだランチ。今年最後の山頂ランチは大いに賑わう。山で賑わいの中に身を置くのも楽しさにつながる。

(千木良に下る)
・城山からの下山候補は4つあったが、千木良(ちぎら)に下り、小原宿本陣から相模湖駅に出ることにした。植林や落葉樹林のもと、丸太階段や石畳階段を下り、中央高速が見えると里は近い。空気が暖かく頬は日差しで焼ける。気温は17℃もある。「日だまり山行」ではなく、まるで春本番の山歩きだ。

(里歩き)
・12時50分、富士見茶屋に到着。休憩し里を眺めると12月下旬の山里とは思えない。陽光たっぷりで大気は柔らかい、日差しは強い。山里の奥に半分雲に隠れた富士山が見え、富士見茶屋の名前を納得。茶屋のお婆さん手作りの酒まんじゅうを買う。口に入れるとコンビニには置いてない、重たく硬い昔ながらの饅頭のおいしさだった。

・車道を歩き小原宿本陣に立ち寄った。当時の家具や農機具に直接触ることができる。地元のガイド叔父さんによると、信州高遠藩、高島藩、飯田藩のほか甲州勤番の役人が使用し、脇本陣や旅籠など7軒あったという。神奈川県内には本陣が26軒あったが現存するのはこの1軒のみ。

(打上げ・再挑戦)
本陣から駅まで歩いて20分前後だが、タイミングよくやってきた13時59分のバスに乗り相模湖駅に出た。駅前食堂が一杯なのを確認し、八王子で打ち上げとなった。「やきとり金太郎」は準備中のはずなので、駅前の「日本海」へ。シモバシラ探訪は、来年、再挑戦することとなり家路についた。

   以上   
  (写真集に写真を掲載しています。あわせてお楽しみください。)