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<日 程>
平成30年9月22日(土)曇りのち晴れ
<コース>
JR中央本線「大月」駅 =タクシー= 大峠 − 「シオジの森」入口 −トラバースコース− お弁当広場 − 大樺ノ頭 − 雁ケ腹摺山 − 大峠
=タクシー=「大月」駅
<同行者>
斎藤(恭)、石井(啓)、生田、和田(記)
(概要)
■小雨覚悟の天気予報だったが、曇り空、昼過ぎから晴れ。山中20℃で朝の湿気を除けば快適な初秋の1日。苔むす岩や倒木、沢山のキノコに出会うシオジの森への長い巻き道。森の入口でコースタイム情報に疑問を持ち、「シオジの森」を省略し、大樺ノ頭への登り口である「お弁当広場」に直接向かった。そこで疑問の答えを得る。
■広場から大樺ノ頭までは破線の登り道。赤布を目印に登る。ピークに立つ頃、晴れて風が心地よい。雁ケ腹摺山(がんがはらすりやま・1874m)にたどり着くと頂に笠雲の富士山。次第に雲が飛んでゆく。大峠からの富士が楽しみだ。下草の美しい道を下り、大峠に戻ると、残念なことに峠は霧に覆われた。1グループ2名にしか出会わない、静かで人恋しい山歩きで、シオジの森はお預けとなった。
(大峠からシオジの森へ)
■自宅を出るときは曇空、中央線に乗ると下界は晴れた。8時30分大月駅出発。タクシー1台に4名は費用対効果がよい。行きも帰りも試算通りの代金。9時10分峠を出発。大峠(1560m)から緩やかな巻き道でシオジの森へ向かう。花の少ない落葉広葉樹の小道だが、道幅が狭く左側が落ち、滑りそうな岩もあるので注意して歩いた。幾つもの小沢を渡り、岩石を越え、倒木を潜る。所々にある苔むす庭園はしっとりと美しかった。
■シオジの木は岩の多い沢筋に植生する落葉の高木。北国ではヤチダモという。夏に歩いた赤水渓谷にヤチダモ遺伝子保存林があった。スラリとした高木で木目が美しいことから建築内装材として使われている。台湾のシオジは「シマトネリコ」と呼ばれる常緑樹で、高層建物の周辺に植えられ、街中でもよく目にする。
(シオジの森入口・疑問?)
■11時10分、シオジの森入口(シオジ周遊(長沢)分岐)に到着。周辺はシオジの高木が目立つ。入口の「コース案内板」と「昭文社の登山地図」とでコースタイムが全く違うことに気づいた。入口から森の最下点経由、お弁当広場まで、登山地図では1時間、案内板では1時間40分。入口から直接お弁当広場の向うトラバース道は登山地図では15分、案内板では40分。あまりにも違う。
(シオジの森をパスする)
■登山地図への信頼は高いのだが、丁寧に描かれた案内板は現地情報が加わり、より正確に思えたので、予定よりも時間がかかるシオジの森を省略することにする。私たちは登山地図で1時間のところを、慎重に歩き2時間かかったので、登山地図のCTは厳しいのではないか、と疑問を懐いた。加えて迎えタクシーの予約時刻もあるので、森をカットした。シオジの森への未練は大きいが、トラバース道で直接お弁当広場に向かう。
(お弁当広場)
■巻き道で40分のところ、12、13分でそれらしき広場に出た。11時35分。案内板で広場を確認、どういうことだ。コース案内板の左下には「シオジ森の学校」とある。広場の整備状況からは児童のためのコースタイムではないか。雨で枯草落ち葉が濡れ腰を下ろす場所を探し昼飯とする。晴れたら気分の良い場所だ。
(広場から大樺の頭へ)
■12時5分出発。広場から大樺ノ頭までは破線の山道で、薄い踏み跡を赤布頼りに登る。道は登るにつれて明確になった。急登は苦しいが、周囲の樹木が落葉樹からカラマツ林に変わり、更にダケカンバに変わる様子を眺めて辛抱する。林床に苔が目立ち始めるとピークは近かった。
■13時10分。陽が差すピークに出た。ほどよい風が抜ける。山名の通りダケカンバが多い。道標には取ってつけた手書きの「シオジの森」。思いっきり深呼吸し雁ケ腹摺山に向かう。
(雁ケ腹摺山へ)
■腹摺山への道も意外と踏み跡が薄い。稜線は岩っぽい道が小さく登り下りし、緑濃い奥秩父の雰囲気が漂う。初夏はミツバツツジの回廊となるようだ。
(雁ケ腹摺山)
■14時30分、山頂に出た。思いかけず先客がいた。大峠からやってきた若者2人。この山行で出会った唯一のハイカー。富士山上空にスジ雲が流れ、山頂や中腹に次から次へと雲が纏わる。彼らによると先ほどまで雲はなかったという。残念だが満足な景色。雲は次第に外れ始めており、大峠からの眺めも楽しみだ。
■雁ケ腹摺山という名の山は周辺に2つある。ひとつは5年前に皆で登った笹子雁ケ腹摺山、もうひとつは山頂に日本名とともにローマ字で「Mt.ushiokunogangaharasuriyama」と表記された山。英語圏の人は正確に読めるだろうか。
この山は日本で一番長い名前の山だ。
■ここからの富士は旧500円札の富士山。旧100円札、旧500円札といっても若い人は知らないだろう。石井さんと私の間でもお札についての生活体験が違っていた。山名板の脇に撮影の解説板がある。私は山岳写真家白旗史朗の師匠である岡田紅陽の作品だと思い込んでいたが、撮影者は別人だった。調べてみると、紅陽の写真は5000円札の裏面に描かれた逆さ富士だった。
(大峠へ戻る)
■14時50分、出発。快適な下りを思い描いていたが、しばらくは大石と赤土混じりの急な下り。ダケカンバの林に入ると、爽やかな草が茂る気持ち良い道となった。15時55分、峠に到着。展望を期待した峠は霧の中だった。予約したタクシーに乗り大月駅に向かう。運転手から「山中で動物に出会いませんでしたか」と聞かれた。それぐらいサルやシカが多いようだ。
(打上げ)
■運転手に紹介されたロータリー裏の「中華うづき」に入り軽く打上げ。以前に立ち寄った食堂だ。40分で切り上げ、あわてて特急列車に乗り込んだ。
写真はこちらです。
1.斎藤さん撮影
2.石井さん撮影
3.和田さん撮影
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以上
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