◆「上野原・要害山からコヤシロ山」報告
 

 
<日 程>

 平成30年12月15日(土)快晴・無風


<コース>

 JR中央本線「上野原」駅 =バス0:15= 新井BS − 鏡渡橋 − 要害山(ようがいさん)− コヤシロ山 − 実成山(みなりやま)− 尾続山(おづくやま) = 尾続集落 −上野原商店街「永井饅頭店」=バス0:05=「上野原」駅 (予定コースを一部変更)


<同行者>

 阿部、佐藤、三木、平石、石井(啓)、斎藤(隆)、斎藤(恭)、田中(記)、北島、和田(記)
 ・・・要害山以降は田中さんの記録です。

 



(概要)

■快晴無風。山中7、8℃、思いのほか寒くない。天気に恵まれた忘年山行、満足な一日となった。春に登りたい山だが、展望の山でもあるのでこの時期の企画とした。かなりマイナーな山だが人気の山となっていたので驚く。

■麓の集落を抜け雑木林の急登を登ると要害山山頂。富士山をはじめ展望が素晴らしい。和田は足腰の調子が良くなく山頂からひとり引き換えした。皆が山を下りるまで街中でコーヒータイムをとる。

■9名は前半はアップダウンのある稜線歩き、後半は歩きやすい道で楽しんだようだ。バス乗車予定を変更し、上野原商店街の「永井饅頭店」を目指し歩き通した。饅頭屋で和田と合流しバスで上野原駅に出て八王子で打ち上げた。


(要害山)

■10年程前に登山道があることを知り、権現山の支尾根にあることや山容の形状から関心の山となる。その後上野原バス停に置かれた手書き地図でコヤシロ山を周遊するコースが整備されているのを知り、ますます歩きたい山となる。
要害山はお椀の形で地元では「おっぱい山」。中世に甲斐、相模、武蔵の国境で一番大きな山城(主郭や二の郭等遺構がある)なので展望は群を抜く。


(上野原駅前)

■八王子駅ホームに立つと思いのほか空気が重く冷たい。電車が高尾の山間に入ると霜が降り、小仏トンネルを抜けると池に氷が張っていた。

■上野原駅前のバス停で要害山を目指すハイカーの列に驚く。知らぬ間に人気の山となっている。バス会社の係員が熱心に上野原市作成の「要害山トレッキング地図」(40cm×45cm大の両面カラー印刷)パンフを配布している。これが人気の素ではないか。手作り案内を初め長年の地道なPR活動が今日に繋がったに違いない。

■コースのキャッチフレーズは「手軽な「尾根歩き」が楽しめる」、「富士山の展望もたっぷり」、「四季を通じて楽しめるトレッキング」とある。


(新井BS、それとも先まで行くの?)


■新井BSから徒歩15分に登山口があるので、新井で下車した。車内のハイカーから「あのグループはどこの山に登るのかしら」の声。新井BSで下車したのは私の誤りだった。市内循環バスは新井止まりだが、私達が乗車した本数の少ない長距離路線バスは登山口、鏡渡橋BSを通っていたのだ。そのことに気づかず申し訳ないと思いながら、予定通り鏡渡橋(きょうどばし)に向かう。

■バス一杯のハイカー達は私達のコースの下山口、尾続から要害山に向かったようだ。逆コースが行程的に楽なのだが、要害山到達時まで富士が姿を見せているかは不確かだ。


(展望登山)

■9時15分頃、鏡渡橋を出発。光があふれる山里を抜け、山ノ神神社で安全を祈り山中に入る。落葉した雑木の間に青く透き通る大きな空が広がる。遠く丹沢の大室山、蛭ケ岳と長大な黍殻山の尾根、奥に頭を出す丹沢山。意外だったのは端正な三角姿の仏果山。
手前には双耳峰の石砂山と大きな山容の石老山、左端には陣馬山も見える。麓には上野原の街並みに中央高速の帯。箱庭的だが広々とした気持ち良い眺めだ。
コース上に展望ポイントが7箇所あるようだ。


(要害山山頂)


■急登になって30分程で要害山(536m)に到着、10時20分。富士山、丹沢、道志の山々、三ツ峠山、権現山と大パノラマだ。頂上広場には秋葉大権現の社と里から見えた大きな杉の木が聳えていた。誰にも遭わず風はなく心地よい場所だった。


(和田は下山)

■和田は足腰の調子が良くなく馬力が出ない。遅れ気味で登った。山の奥に入れば迷惑をかけるし、今日の体調では体力にも不安が残る。下山にあたりサポートの申し出があったが、そこまでのこともないので、ひとりで下山する。10時30分過ぎ、コヤシロ山に向かう9名を見送り、私はのんびりと写真を撮りながら山を下った。



(上野原のソウルフード)

■バスがタイミングよくやって来て、11時50分、上野原商店街中央部に到着。私の我儘なのだが、下山後、皆で饅頭屋に立ち寄り、上野原のソウルフード「酒まんじゅう」、それも「永井饅頭店」の饅頭を食べる今回の企画。食べ歩きで駅に向かう予定。かつて30、40軒あったともいわれる饅頭屋は現在は10軒。上野原を訪れるたびに食べ比べ、今回は永井の饅頭なのだ。


(根本山で昼食)

■皆は14時50分頃に饅頭屋に到着と予想した。到着まで都会的利便施設のない上野原、どう過ごすか。以前歩いたことのある根本山に行こう、そこで昼食だ。根本山はバス通りから距離300m、高低差60mにある、八重山から続く「上野原遊歩道」の末端の丘。急な登りで少し堪えたが富士山が見え展望は悪くない。結局富士山は終日姿を見せた。東屋でパンとコーヒー、ふたたび街へ下る。


(酒饅頭)

■喫茶店探しだが運よく饅頭屋の近くに見つけ、皆の到着を待つ。携帯電話で9名が希望する饅頭の種類を聞き、お店に到着時刻に合わせ暖かい饅頭を頼んだ。
9名は13時50分に饅頭屋に到着。予想よりも早い到着に驚く。先輩が皆の饅頭代を支払い感謝、感謝。
打上げ会場は一杯やりながら窓辺に落日を眺める、駅前の「一福食堂」を計画した。しかし案内を出したのち予約を入れたがすでに満室。しかたなく八王子に場所を移した。

■同行者に心配をかけた山は1/3程度しか登らなかったが、明るい冬の日差しと、澄んだ空気と、大きな展望と、気心知れた仲間とで、慌ただしい年の瀬にのんびりとした1日を過ごせた幸せをかみ締めている。

要害山から先は、田中さんにバトンタッチです。(以上、和田)
 


(以下、田中が続きを書きました。)

■和田さんが足腰と時間の安全を見て要害山から下ることになったので、残る9人でコヤシロ山に向かった。
コヤシロ山までの尾根歩きは結構な上り下りがあった。岩場や裸土の急斜面もあり積雪時にチェーンアイゼンなしでは厳しいところもある。「こりゃ雪の前に来て良かったな」と話す。

■コヤシロ山はなだらかな広い頂上の山だった。落葉樹林の隙間からの日差しは暖かかったが、時々北風がピューと吹き抜けて行った。
ここで昼ご飯を食べる。富士山は雲をかぶったり、少しだけ顔を出したりだった。
コヤシロ山から先はたいへん良い道だった。実成山、尾続山は正直なところ通り過ぎそうになる山だったが、何ヶ所か街や山を展望できるポイントがある。これらはバス停でもらえるカラーの詳細地図にみんな書いてある。バス停でくれる地図やおじさん
の説明が要害山人気に一役買っているのは間違いなさそうだ。

■尾続バス停に下山しそのまま上野原の街まで歩く。目指すは永井酒饅頭店。早く酒饅頭とその後に控えたビールにたどり着きたい私たちは、バスを待たずに小一時間のバス道を早歩きで下ったのだった。
暖かい日差しの楽しく美味しい1日だった。



写真はこちらです。
1.斎藤さん撮影
2.和田さん撮影

  以上