◆「奥日光スノーシュートレッキング」報告
 

 
<日 程>

 平成31年3月3日(日)、4日(月)


<コース>

 3日(曇りのち小雪)東武日光駅=三本松−小田代原散策−三本松=湯元温泉
 4日(雪)湯元温泉−切込湖への途中にある蓼ノ湖をピストン(予定変更)


<同行者>

 中村(一)、中村(陽)、阿部(豊)、阿部(佳)、斎藤(恭)、和田(代記)

 



(概 要)

■中村さんの一連のスノトレ企画。宿の予約が取れず変則的な日程となった。

■周期的に変わる天気の狭間で雨勝ち、気温は高いとの予報。奥日光は例年と比べ降雪量が極端に少ないので4本アイゼン持参で臨んだ。天気はいまひとつだが寒くはなかった。

■3日は曇りのち小雪。今年は雪がなく小田代原をスノトレではなく散策した。4日は雪。雨でなかったのが幸い。降雪の中、新雪にスノーシューのトレースをつけ、蓼ノ湖(たてのうみ)まで行く。全行程の1/3でタイムリミット、引き返した。天候は良くなくトレッキング時間も短かったが、新雪の雪山に入り込んでのスノトレは新鮮だったし、宿泊先「休暇村日光湯元」の温泉、食事、施設も予想を越え素晴らしかった。


(JR日光号)

■JRが東武日光線に乗り入れる、新宿発の「特急日光号」(全席指定)に初めて乗った。座席に着き車内販売のコーヒーで寛いだが、週末だけの販売も来週末で終了だという。
3月のダイヤ改正とともにJRのサービスが大きく変わる。特急の車内販売は終了、もしくは酒とつまみ、ジュースのみの販売となり、特急あずさは全席指定となり自由席がなくなる。

■JR線は栗林駅で東武線に乗り入れるが、両社の変電所が変わるため、2、3秒間、停電状態で列車は走る。行きは気にならなかったが、夕暮れ時の帰りの列車は電灯が消え驚いた。


(日 光)

■日光が近づくと車内は冷え外の寒さがわかる。日光を取り巻く山は青々とし雪がついてない。人通りは少なく多くは外国人観光客だ。

■路線バスで奥日光湯元温泉に向かう。往復バス代は3400円だが、2日間有効のフリーパス券なら3000円、さらに冬季割引で1500円。かなりお得な値段だ。


(小田代原スノトレ、変えてアイスバーン散策)

■バスがいろは坂を上がっても雪は現れない。上半分を雲に覆われた男体山に雪はない。閑散とした中禅寺湖湖畔ではホテルリッツカールトンを建設中。変わらぬ日光も少しずつ変わっている。湖の対岸の山々は雪化粧、北斜面は雪が融けない。バスは茶色の原に差し掛かった。

■戦場ヶ原の三本松で下車。茶屋で昼飯を食べ、スノトレ、いや散策に向かう。例年1m以上の積雪があり雪原をスノトレできるのだが、今年はまったく雪が降らず、2回程それぞれ20cm程の積雪があっただけで晴れが続いている。戦場ヶ原の木道には雪や氷はなくアイゼンは不要という。アイゼンを置いて散策に出た。インターネットで検索する日光市の天気予報は13時から蒼く冷たい雨。そんな雨に遭いたくない、曇り空はいつまで持つのだろうか。

■赤沼入口から原に入るといきなりアイスバーンの遊歩道だった。雪が踏み固められ氷となっている。アイゼンを置いてきたことを後悔。転倒に注意しながら氷の上を歩く。特に川沿い道ではアイスバーンが川に向かって傾斜し、滑ったら川へドボンだ。水深は20cm前後だが山靴は濡れ、明日は山に入れない。阿部(豊)さんは慎重だが安定した歩き方、皆で氷上の歩き方を教わる。

■ひどいアイスバーンは入口から200mほどで、その先は注意して歩けば支障はなかった。落葉樹林と笹の林に雪はなく、山道を奥に入ると粉雪が舞い始め、展望台に着く頃には雪に変わった。気温1〜2℃。帰路は状況不明な周遊コースを進むか、安全な閉鎖中の電気自動車道を歩くか、それとも引き返すか。元の道へ引き返した。


(湯元温泉・休暇村)

■三本松に戻り甘酒で温め、ふたたびバスで湯元温泉を目指す。湯ノ湖の南半分は結氷し、温泉が近い北半分は凍っていなかった。湯元温泉は小さな温泉地でリゾート感が溢れる。外国人がいなかったのが不思議だ。2、3年前に大改造した「休暇村日光湯元」はリゾート風公共の宿で想像したよりも贅沢で快適な施設。この時期は値段も安い。早めに宿に着いたので夕食までゆっくり過ごした。

■日本で4番目に濃い硫黄温泉、漂う硫黄の匂いが心地よい。降る雪を眺め露天風呂に入るが湯がぬるく「最高!」とはいかない。粉雪が樹々の小枝に絡み、窓の外はクリスマス景色となる。レストランでおいしい食事とワインで乾杯。会話も弾み、大変満足な夕食でした。会長がいないので明日に備え、早めに床に就けた。


(4日の朝)

■一晩中雪は降り景色が変わった。積雪は「0」から「5、10cm」、雪の止む様子はない。標高1500mはあるが南岸低気圧の通過に伴う降雪だから湿っぽい。
しかし雨ではなく、風もない、0℃、気温も低くなく、寒くもない。吹雪にもならないだろう。山中は新たな積雪が20cm、30cmはあるにちがいない。スノトレ条件としては悪くない、実施を決定。

■もし、雨だったら、冷たい雨であれば、すでにアイスバーン化している山道はアイゼンが必要、アイゼントレッキングとなった。

■目的地の刈込湖までいけるかは不確かだ。民宿と違い朝食代わりのおにぎり弁当の用意はなく、7時30分からレントランで朝食バイキング。また、スノトレ後は温泉風呂に入りたいし、レントランで昼食もとりたい。行動時間枠は4時間となる。目的地に着かなくても2時間時点で引き返すことにした。


(刈込湖をめざしスノトレ)

■出発前に宿でスノーシューを借り、装着の説明を受け、8時45分に出発。ボタボタと湿った雪が降る。登山口のある温泉源泉地までスノーシューを担ぐ。晴れていれば爽快なのだが降る雪に気は重い。源泉から吹き出る硫黄の匂いを嗅ぎスノーシューを履き、新雪の山に入った。冬季閉鎖の金精道路まで標高差50、60mの急坂をジグザグに登る。新雪が積もる道幅の狭い氷の山道でスノーシューを操るには細心の注意と体力が必要だ。私は体が重く皆から遅れをとった。

■一汗を掻き急登を上りきって森に入る。森の中は新雪が20cm程度で静かだ。先頭は先行者の足跡をつける中村(陽)さん。新雪での楽しみだ。所々に着けられた青布を頼りに森の中を進む。山の中は平坦ではなく、小さな窪地を下り、谷あいを進み、登り返す。しばらく進むと目の前には大きな空間が広がった。


(蓼ノ湖)

■周囲を白い森に囲まれた蓼ノ湖(たてのうみ)だ。湖面の一部を除き凍結している。晴れていれば光があふれ美しいに違いない。白いベールの覆われた湖もよい。蓼ノ湖から30分、標高差150mを登ると小峠、さらに30分の下りで刈込湖だ。

■休憩をとる。すると「ここで引き返そう」との声、私は自分の体調を考えると異論はないし、わずかであったが新雪の山を歩いた満足感はある。時間的制約を考えると引き返しポイントとして適切だ。引き返すことにした。記念写真はカメラの置き場所が不安定で苦心しての1枚。

■まずは金精道路まで戻る。温泉源泉地への下り道は氷と新雪のうえ狭く急なので危険だと皆の意見は一致。閉鎖道路を使い温泉街に戻ることにした。緊張感から解放され、おしゃべりが弾み、楽しい下り道となった。降雪で靄がかかる湯ノ湖は絶好の写真被写体となっていた。


(下 山)

■斎藤さんは急用ができて、休暇村に戻るとそのままバスで日光に下りた。5名は温泉風呂で体を温め、レントランで湯葉そばやビールにワインで打ち上げた。日光の街に出ると、シトシトと春を予感させる雨が降っていた。



写真はこちらです。
1.斎藤さん撮影
2.和田さん撮影

  以上