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- コース:中央本線塩山駅 = タクシー = 柳沢峠登山口 − 展望台− 六本木峠 − 横手山峠
− 黒川山三角点 − 見晴台 − 三角点 − 鶏冠山(1716m)− 落合分岐 −落合バス停
= バス = 塩山駅 (コース変更あり)
- 同行者:石川、小柴、阿部、佐藤、斎藤(恭)、和田(記)
- 9月上旬から降り続く異常な秋の長雨。暗い曇り空に一瞬陽が差し、気を持たせながらも雨模様に。湿度は高いが気温が低く不快感が少ない1日でした。
森林公園を思わせる整備されたなだらかな山道。何も見えぬ奥秩父連山の「展望台」、顔を出し始めたキノコたち。沢沿いには苔むした石・岩・倒木。緑の稜線から飛び出した黒川山の出ベソ「見晴台」、雨でぬれた岩山の鶏冠山山頂。霧にかすむ林と苔むす石積みの北面巻き道。何もなかった下山口のバス停。
当日は花も展望もなかったが、自然林の下、瑞々しい苔の世界や動植物との出会いに話が弾んだトレッキングでした。標高差200m程度なので、季節と天候を選び、快適に駆け抜けるトレッキングや、自然と親しむ手軽な山歩きなどができるフィールドです。
誰にも遭わない静かな山の中。ケモノと遭遇する環境は整ったが出遭えず残念。塩山駅前の打上げで、「12月の山行計画」が話題に上がる。
(秋雨前線)
- 山に入るまでの最大関心事は悩ましい天気。9月上旬から降り始めた秋の長雨。その時は2週間降り続き、9月下旬は秋晴れと考えていた。
しかし、例年と異なる台風の影響でヤキモキした1週間。HP管理人から「掲示板」で「玄人好みの山域」と紹介された特色なく地味な山。せめて日差しと展望がほしかった。
(出 発)
- 9時に塩山駅北口からジャンボタクシーで柳沢峠に向かう。富士山は垂れこめた雲の中。大きな駐車場、売店、清潔なトイレがある峠まで6,400円程度。9時30分に同時出発の中高年10名パーティに道を譲る。彼らからは「ほかのパーティを抜いたのは初めて」とどこかで聞いたセリフ。
今ではどの登山口にもある「熊に注意」看板。熊鈴は2個持参したが、パーティの話し声が林に響くのでつけません。話題は自然と、熊やサルと遭遇した場合の対処の仕方に及んだ。
(住まいが東京の西部なら、各駅停車で塩山駅発8時30分柳沢峠、落合行のバスに乗れます)
(森林公園のようなトレッキング道)
- 山の中の六本木峠までは「ブナの森」で森林公園の散策路のようです。ゆったりとした歩きやすい道がなだらかに伸びている。笠取山と同様に東京都の水源管理地とされ、都水道局が森林管理。終日自然林歩きです。鹿の食害でしょう、周囲は下草がない落葉広葉樹林の疎林。熊の爪痕が残る木の幹もあります。キノコが沢山出始め、山ブドウの木が数多く見られました。
地面を見ながら歩く小柴さんは、地面の小さな異変に気づくようで、モグラの子どもの死体やヤマカガシの子ヘビを見つけます。次は熊ではないかと皆で脅しました。
全く花がなく、花をつける植物も見当たらない。鹿に食べられたのでしょうか。
(奥秩父連山の展望台)
- コースから外れた「展望台」に寄ります。ちょうど10名パーティが出発するところでした。コース中で展望があるのは、ここのほか、黒川山の「見晴台」と鶏冠山の山頂のみです。
展望図によると、雲取山から飛龍山、竜食山、唐松尾山、笠取山、水晶山、雁坂嶺、破風山までを見渡せる。今日は霧の中。晴れていれば、常盤さんパーティが歩いている峰々を遠望でした。
石川さんから「「竜」の名がつく山が多い」との指摘。確かにそうです。雲がわきやすく、雨の多い峰々や地域なのでしょう。山道も苔むした場所が多く、木肌もぬめり、粘りのない枝は力を加えると簡単に折れてしまう。多雨多湿が幽玄な奥秩父の山々を形成したのでしょう。
(横手山峠と黒川金山跡の分岐)
- 展望台から六本木峠の間で、まるで苔庭園のような場所に出会えます。石も岩も倒木もすべてが瑞々しく美しい苔で覆われた光景です。
六本木峠からは稜線の東面を巻く笹道。一度林道を横切ると、開けた横手山峠に出ます。長雨で腰を下ろせる場所がない中、休憩適地。小休止。一瞬日差しが出たので喜んだが、すぐに霧が漂い始め、鶏冠山に着くと小雨となりました。
横手山峠には黒川金山跡への分岐があり、金山跡には坑道口や石積みが残っているようです。
(黒川山見晴台)
- 黒川山三角点(1710m)分岐から外れ、「見晴台」を往復(片道5分)。樹林から頭一つ飛び出した小さな岩、5、6人で一杯。晴れていれば大菩薩嶺、富士山、奥秩父の山々を展望できます。今日は白い世界でコーヒータイム。縦走路方面から話し声が聞こえたが、見晴台にはやってきません。30分程長居し、三角点分岐に戻ると、小山(黒川山山頂)で10名パーティが弁当を広げていました。先に鶏冠山を往復し、私たちに遠慮したのでしょうか、でも見晴台には10名も座れません。
(鶏冠山と険しい岩山の道)
- 鶏冠山(1716m)は岩山で山頂には鶏冠神社の祠があります。三角点分岐からは150mの距離ですが、山頂近くは険しい岩稜。岩交じりの道は、雨に濡れた岩肌、支えとなるべき鎖やロープはなく、木の幹はぬめり、枝は折れやすく、短いながらも緊張する山道でした。
霧に被われた祠の脇は断崖絶壁。下山の安全をお祈りし、13時に下り始めると雨となりました。
春はスミレなどが咲くコース、この山頂部には5月下旬から6月上旬にコイワカガミやシャクナゲが花をつけます。
(コース変更し、落合に下山)
- 帰路時間を考えると、柳沢峠のバスに間に合いません。タクシーを呼べばよいのですが、復路は往路と半分重複、雨も降っています。予定を変更し、早く下山口に立てるバスの始発、落合集落へ下山です。
落合は、7月初めに常盤さんと田中さんが「奥秩父全山踏破」を目指す第一弾で苦労し下山したバス停です。
鶏冠山から横手山峠に至る北面巻き道は、石や岩が転がる苔むした道。年代物の石積みが続きます。巻き道から下山路に入ると、無理のない歩きやすい道。里の近くの大きな間伐地で、選択に悩む分岐がありました。地図と踏み跡で判断し、道なりに下ります。15時に落合に到着。
(巨大なマイタケ)
- 落合集落といっても、バス停脇に古い民宿が1軒あるのみ。
私は気づかずですが、民宿に近づくと、キノコの香りが周囲に漂っていたようです。民宿にトイレを借りに入ると、玄関には採りたての大きなマイタケ。30、40cm大、強い匂いを発しています。40年前に那須で巨大マイタケを見たことがあり、その時に初めて「マイタケ」の存在を知りました。脇には新聞に包まれたナタ類。山人、沢屋、釣り師のいずれかでしょう。
15時30分発のバスが来るまで、軒下を借り雨宿り。バスで塩山に出たが、柳沢峠からは例の10名パーティが乗り込んで、先客の私たちに驚いていました。
(打上げ と 「高尾山300回登頂山行」の提案)
- 特急列車の時刻まで塩山駅前食堂で、甲州名物のほうとうに赤ワインで軽く打上げ。
よく高尾山を登る小柴さんによると、すでに297回登頂とのこと。この春の裏高尾ハイキング時には278回。
石川さんから、12月に300回登頂山行の提案があり、賛同です。ぜひ実現したいので、小柴さん!! はやる心を押さえ、12月まで300回登頂は足踏みでお願いします。
(私 事)
- この山行にあたり、膝や股関節の痛みや疲労感を心配した。
9月9日に昔の山仲間と山の幸・サルナシ採りに出かけ(HP「掲示板」のno729〜no733(山のめぐみ))、山中30kmをほとんど休みなく歩いた。膝や股関節に強い痛みはなかったが、ひどく疲れ、疲労感が10日も残り今後を心配していた。しかし、今日現在、症状はなく一安心。とても嬉しいことで、安心して黒斑山や熊野古道に行けます。
- この山行で、またしても大失敗。三度目の失敗です。
帰宅時、自宅最寄駅で手元にトレッキングポールがないことに気づく。紛失だが皆目見当もつかない。記憶を手繰り、紛失場所を落合バス停と断定。しかし、どのように確認するのか、探すのか。バス停脇の民宿の方への依頼がベストだが、民宿の屋号も住所も電話番号もわからない。
「甲州市 落合 民宿」でインターネット検索するが出てこない。同行者に宿名を覚えているか尋ねるか、翌日バス会社に連絡を取り、宿名を尋ねるのか。
周辺地図を再確認すると、「落合」は地名でバス停名だが、一帯の住所は「一之瀬高橋」であった。「一之瀬」といえば、信玄の黒川金山経営に関わった子孫が暮らす、笠取山や将監峠登山口の集落。また「高橋」は廃村となった伝説の村。バス停からは随分と離れている。
再度検索したところ、民宿を特定でき、電話をかけ、夜間にポールを見つけていただき一見落着、長い一日が終わった。昨年4月の南高尾縦走で置き忘れ、今年3月には新松田・河津桜歩きでも置き忘れた。ポール管理が私の喫緊の課題となった。
写真はこちらです。
1.石川さん撮影
2.斎藤さん撮影
3.和田さん撮影
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以上 |
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