◆「浅間周辺・黒斑山と湯ノ平」報告 

  和田(則)さんから10月の山行のご報告を頂きましたので紹介いたします。

 
  • 日 程:平成28年10月15日(土)快晴
  • コース:北陸新幹線「佐久平」駅 = バス = 車坂峠登山口 − 表コース − 槍の鞘
         − トーミの頭 − 黒斑山(2404m) − 草すべり− 湯ノ平散策 − 火山館
         − 天狗温泉浅間山荘 = タクシー =「佐久平」駅
  • 同行者:石川、佐藤、斎藤(恭)、北島、和田(記)




  • 久しぶりの快晴、風もなく行楽日和。清々しい秋の浅間山でした。雄大で美しく噴煙吐く浅間山。北アルプスや八ヶ岳、上州の山々の展望。浅間山を正面に食べた昼食、最高の眺め。変化する景色と急坂の草すべり。いまひとつだったカラマツの黄葉。秋の火山館ベランダでのコーヒー。小沢沿いの歩きやすい広葉樹林の下山道。佐久平駅に向かうタクシーから見た落日と大きな満月。幸せな気分に包まれた一日。しかし、草すべりの下りに神経と筋肉を使い、疲れもしました。
    公共交通機関利用だからできた、バラエティ−に富んだ山歩きでした。

  • 一週間前から快晴が約束された日。行きの新幹線から、この秋一番の青空と妙義山、浅間山を眺め、気持ちが高ぶります。山中は12、13℃で風はなく穏やか一日。用意した防寒衣・手袋・スパッツは不要でした。

    案内のとおり、浅間山火口から半径2km以内は立入禁止。加えるなら、4km以内となる車坂峠から前掛山登山口までも立入禁止ですが、現在は、登山者の自己責任で、黒斑山コース(外輪山回遊含む)と火山館コースに限り、登山可とされています。

    前々日、下山口浅間山荘からのタクシーを予約。5人乗りで、コースタイムに休憩時間と撮影時間を加え、9時45分出発の、16時30分下山と予測し、16時45分に迎車としました。

 (人出の多さとのんびりバス)
  • 黒斑山登山はほとんどの方は車、路線バスはガラガラと考えていたが、バス停に並ぶ長い登山者の列にびっくり、座れなかったらとヒヤヒヤ。JR路線バス(観光バス改造・40名定員)は定刻を過ぎてから入場。すぐに出発と思ったのは間違いで、料金は現金での前払い。39名が乗車を済ませ12、13分遅れで出発、空席1席。

    JRバスなのになぜスイカ・パスモを使えるようにしないのか、また、定刻出発となるように、なぜ早めに入場しないのか、不満とともに疑問が湧きました。
    市内のバス停から1名乗車すると満席となり、次のバス停で待つお客に対し、運転士は屈託のない笑顔で「満席となったので、今から会社に電話して増便を出してもらいます。それまで待ってください」とのんびりしたもの。郷に入っては郷に従えですね。

    山の中も登山者が多く、外輪山の一角、槍の鞘までは抜きつ抜かれつ。トーミの頭への登りは行列となるほどで、黒斑山山頂も人で一杯でした。9月の天候不順の憂さを晴らすかのような人出。その賑わいも草すべりからは無関係、湯ノ平からは誰にも会いませんでした。

 (表コース)
  • 標高2000mの車坂峠登山口。長野県なので事前作成の登山届を投函し、10時に出発。明け方は氷点下でしたが日中はポカポカ陽気です。
    黒斑山へは、登り下りと展望のある「表コース」と、歩きやすく時間は短いが展望のない「中コース」との2コース。一般には表コースを登り中コースで下る。私たちも表コースを登ります。

    外輪山の一角まで標高差300m、黒斑山へはさらに100mのピストン、急坂の草すべりを300m下ると湯ノ平、そののち600m下ると浅間山荘です。

    緑の針葉樹林の間をなだらかに登って行く。秋の乾いた大気に針葉樹の香りが漂い、心地よい山歩き。落葉広葉樹林帯ではないので錦色の紅葉はなく、名前のとおり黒斑山も針葉樹の山です。小ピーク車坂山からは、右手の蓼科山から左手の赤岳へ伸びる八ヶ岳連峰が見えました。

    登山道の脇には、一定の間隔で大きなケーブルドラムが置かれています。黒斑山山頂に携帯電話基地局を設置するため、ヘリコプターで輸送されたもの。災害対策が一歩一歩進められていました。

    足元には霜柱、ゴゼンタチバナやシラタマの実がわずかに残っています。40分ほどで開けたガレ場に出ました。展望ポイントで、北アルプス、八ヶ岳のほか御嶽山、中央アルプス、美ケ原、奥秩父の山々、四阿山などが見え、富士山は確認できませんでした。

 (災害シェルターと浅間山現れる)
  • 木の階段道になると、外輪山の稜線の奥から、突然、大きな浅間山が飛び出しました。「わっ」という驚きの声。雄大で端正で風格があり、おまけに頂からタバコの煙を吹かせています。絶景。その先にカマボコ型の避難壕(シェルター)がありました。避難の早い者順となる程度の広さが心細いです。

    11時30分、外輪山の一角、「槍の鞘」に出ると、浅間山が全容を現しました。見惚れてしまうほどの山の大きさ、形の良さ、山肌の色彩の美しさ。しばし撮影会。この山行では5名中4名が写真に夢中で、写真を撮らない方に迷惑を掛けました。

 (トーミの頭)
  • 絶壁の上にトーミの頭があり、登山者で溢れ、11時50分到着。ピークに立つと、新たな絶景が広がっています。浅間山との間にある湯ノ平草原と、浅間山に続く外輪山の山並みが北アルプスの岩壁のように広がっていました。ピークはたくさんの人で、バランスを崩すと、絶壁から転落しそうです。

 (黒斑山)
  • 右手は絶壁、左手は樹林帯の山道を20分で黒斑山に到着。12時15分着。山頂には噴火監視カメラ施設があり、近くでは基地局の設置工事中です。私もインターネットで監視カメラ映像を見ていましたが、9月中はずっとガスの中でした。

    狭い山頂は昼食をとる登山者で一杯、何とか腰掛ける場所を確保し、大きく美しい浅間山の正面で食事です。間断なく噴煙を上げていますが、強弱がありまるでタバコの煙を吐いているようです。日本の風景とは思えない素晴らしい景色、迫力のある景観、贅沢な眺めでした。

 (草すべり)
  • 12時50分、草すべりを下ります。きれいにジグザグに切られた草と土、一部に露岩がある急坂。斜度50、60度あるように見えます。道幅は20cmほどで、バランスを崩すと体ごと空中に飛び出そうな狭さと傾斜。下る者は私達のみで、外輪山を回遊するわずかな登山者が肩で息をしながら登ってくるだけ。登りの登山者を待つにも適当な場所がないほどの細道でした。

    正面に浅間山を見て、眼下に草紅葉の草原とカラマツ林を見下ろし、左手には屏風のように広がる外輪山の絶壁、右手には奇岩の山、牙山(ぎっぱやま)を眺める、刻々と変化する景観を楽しめる欲張りな下り道でした。しかし、膝はガクガク、下山後は筋肉痛が待っていました。

 (湯ノ平)
  • 14時、ようやくたどり着いた湯ノ平は秋の草原。下りの緊張から解放され、のんびりとカラマツ林の中をそぞろ歩き。期待のカラマツの黄葉は、くすみ、かつ落葉し始め、残念。前掛山登山口の先まで行けば、幾らか美しい黄葉林があったようです。

 (火山館と浅間神社)
  • 湯ノ平から5分ほどで、水とトイレがある噴火時の避難施設(シェルター)、休憩所・資料館でもある火山館に14時40分到着。山小屋ではないので、宿泊不可、売店もありません。施設は浅間神社内にあり、表皮がついた丸太を組んだ鳥居が立っています。正面には牙山が聳え立つ隠れ家的景観。
    私たち以外に登山者はなく、秋の日差しを受けたベランダでゆっくりとコーヒータイム。

    館長によると、9月中は毎日ガスで、晴れたのは2日間のみ、かつ、気温が高く、その影響で今年の紅葉はくすんだまま終わりとの話。

 (下山)
  • 15時5分、火山館からは標高差600m、色づき始めた広葉樹林の参道みちを下ります。火山館のすぐ下の谷から硫黄が噴出し、強い硫黄臭が漂っていました。途中、登る者向けに「火山館用のマキを少し担いで上がってください」とマキ荷揚げのお願い看板。脇には山積みされたマキの山。丹沢の鍋割山登山口にある水歩荷のお願いと同じです。
    歩きやすい道で不動滝を経由し、小沢沿いに下りました。

 (浅間山荘)
  • 沢水が赤茶けてくると、天狗温泉浅間山荘に到着、16時37分。山荘には人影はなく、3頭のポニーと子豚とイヌが出迎えです。この浅間山荘は連合赤軍事件とは関係ありません。早い時間なら温泉を利用できます。そのまま予約のタクシーに乗り込みました(7000円)。

    タクシーが街に入る頃、西の美ヶ原?に夕日が沈み、東の民家の間からは大きな満月が現れたとき、充実した一日を実感しました。
    到着した佐久平駅前の街路樹は鳥害です。佐久ではモズの大群でした。

    10分後に到着の「あさま号」、空いているはずの指定席は満席で取れず、あわてました。しかし、入線した列車の自由席はガラガラでした。


写真はこちらです。
1.石川さん撮影
2.北島さん撮影
3.斎藤さん撮影
4.和田さん撮影


   以上