◆「マチュピチュ・ワイナピチュ山 自主ワン」報告

 舩生さんから海外の山行のご報告を頂きましたので以下に掲載いたします。

     
日程
 2019年6月21日〜6月27日(機中3泊 リマ3泊 マチュピチュ村2泊)

参加者
 舩生克郎・みどり



<いきさつ>

世界遺産のインカの謎の空中都市マチュピチュに行ってきました。
昨年6月のオーストラリア・ウルル登山ツアーでメンバーから「マチュピチュ遺跡の奥にある山に登ると良い」との話を聞き、次はマチュピチュへ行き、「遺跡の奥にある山」に登る事に決めました。マチュピチュ遺跡の奥に鎮座する山の名は、ワイナピチュ山(2693m)です。


<マチュピチュは遠い>

1日目6月21日、自宅を9時30分に出ました。乗るのは成田16時5分発のANA便です。
マチュピチュへ行くのには、直行便はなく米国での乗り継ぎになります。成田から空路ロサンゼルス迄9時間55分(8763km)。乗り継ぎに3時間30分。ロサンゼルスからペルーの主都リマへ8時間40分(6715q)かかります。リマまで家を出てから28時間40分かかりました。
日付変更線を超えて1日もどったのでペルーリマ到着は22日の0時過ぎ深夜です。

2日目6月22日は、アルマス広場・カテドラル・フジモリ大統領が住んでいた大統領府などリマ歴史地区を見て回りました。

3日目6月23日は、3時30分起床。往復600kmのバス移動でイカという町に行きセスナに乗り、空からナスカの地上絵観光です。
ここでは、野歩の会後輩のS62年卒生田さんからの「どんなにのどが渇いても、手持ち無沙汰でも、セスナに乗る待ち時間にインカコーラを飲んではなりません。もどしますよ。私は吐きました。」のアドバイスを遵守し、セスナの右へ左への旋回飛行を乗りきり、乗り物酔いせず、セスナの機長から案内されたくじらからトカゲまで12の地上絵を漏らさず見ることができました。生田さんありがとう。

4日目6月24日は、4時15分起床。リマからインカの旧都クスコ迄空路1時間27分(592q)の移動です。

・クスコ到着後、市内観光をしました。当日はラッキーなことに年に1度のインティライミ(冬至の太陽の祭)の日にあたり、大勢の人が繰り出して大賑わいでした。クスコはスペイン人に破壊されたとはいえ、インカの石組みも残っており、12角の石はじめアルマス広場周辺の街歩きを楽しみました。クスコは海抜3400mの高地にあります。

・午後、クスコからバスに2時間乗車。海抜3800m(ちなみに小生、学生時代に登った北岳3193mが今までの最高地レコード)の峠を越え、インカレールのマチュピチュ行き高原列車VOYAGER号の始発駅オリャンタイタンボまで移動しました。オリャンタイタンボは聖なる谷といわれるウルバンバ渓谷にある田舎町です。

・ウルバンバ川沿いをゆっくりと走るVOYAGER号に約1時間30分乗車して、
16:36、マチュピチュ駅へ到着しました。途中、遠くに万年雪を頂くアンデス山脈のベロニカ山(5893m)が美しい姿を見せていました。なお、VOYAGER号の料金は、お茶とお菓子のサービス付きで片道44j約4800円です。
オリャンタイタンボがいかにもインカの村の風情に対して、目的地のマチュピチュ村は日本の渓谷沿いの温泉街の感じです。まあ世界遺産の観光地なので、「温泉街+しゃれたホテル・レストラン+ペルー色彩のひしめく土産物屋」といったところです。宿泊したEL MAPIホテルは部屋も食事も洗練されていました。


<さあ、マチュピチュ登山だ>


5日目6月25日4時起き。待ちに待ったマチピチュ遺跡・ワイナピチュ登山です。
村からバスで所要時間は30分。バスは満員になり次第次々出発しています。バスは「舗装されていない いろは坂」みたいなつづら折れの道をグングン登っていきます。小型のバスはベンツです。片道24j約2600円でした。ここは歩くと2時間かかります。

・マチュピチュ遺跡への入場は事前予約制で1日の定員は6000名だそうです。さらにワイナピチュ山も1日400名の事前定員制です。入場料+入山料は200ソル約7000円。マチュピチュ遺跡の高度はウルバンバの谷に沿った尾根にあり、海抜2430mです。
NHKの特番での情報ですが、マチュピチュ遺跡への国別入場者は、1位米国、2位ペルー、3位チリ、日本は第6位との事です。日本人は年間5万人が入場しているそうです。1日  100人以上の日本人が遺跡を訪れているようです。
特筆すべき情報は、「遺跡の中には、トイレはありません。」遺跡入り口には2ソル約70円の有料トイレがあり、そこで済ませておかねばなりませんが、入場後運悪く、催してきたら、一旦入場した遺跡から出なくてはいけませんという事です。因みにペルーのトイレでは、都会でもどこでも落とし紙はダメです。使った紙はトイレ内の箱に入れるルールです。北アルプスの山小屋と同じルールです。

・7:30遺跡最奥にあるワイナピチュ山ゲートから入場しました。小生、入場118番目でした。入口ゲートの小屋でチケットとパスポートを提示して入出場管理名簿にサインしなければなりません。

・まず、ワイナピチュ手前の小さな山フチュイピチュ(2496m)の分岐を過ぎて山の鞍部まで、少し降りて、そこから本格的な登りがはじまります。途中インカ時代からの急な階段や、鎖場ならぬ「グリーンのロープ場」を登り、頂上直下の石積みの建物(食糧貯蔵庫との事)に到着。そこからすぐに「MONTANA WAYNAPICCHU ALTITUD :2667.58msnm」看板地点に到達です。そこで記念写真をぱちり。
そこから南側=マチュピチュ遺跡側に少し岩をのぼり、絶景ポイントに行き、また記念写真をパチリ。
ここで若干のトラブル。大勢の登山者が歩きまわってツルツルに磨かれたような岩に左足をかけたら、つるり。ひざを打ちすりむきました。体は落ちませんでしたが、アルミ水筒を岩下に落とし、岩にぶつけ、大きく凹ませました。これは、正真正銘のワイナピチュ登山記念の品になりました。身代わり水筒?

・頂上からは、遺跡を俯瞰でき、バスで登ってきたつづら折れの道も見えます。遺跡の向こうの山は、遺跡の名のもとになったマチュピチュ山(3082m)です。その奥にはアンデスの守護精霊と言われる白いサルカンタイ山(6271m)が見えます。足元を見ると、はるか谷底にはウルバンバ川が流れており、目がくらむようです。実はこの場所は、太平洋と大西洋の分水嶺の大西洋側です。ウルバンバ川はさらにアマゾン川になり、大西洋にそそいでいます。とにかく絶景です。

・下りは頂上直下の展望ポイントまで、一方通行を下ります。この展望ポイントでも写真をパチリ。
10:32入り口ゲートの小屋に帰着。往復約3時間でした。登山道には、お花畑はありませんが、多くの花咲く植物に出会えます。ここは場所的には熱帯になるのですが、日本でも見かけたような花も咲いています。ベゴニアって南米原産か!てなことも。

・午後は一旦遺跡の外に出て、遺跡入り口のサンクチュアリロッジで昼食をとり、13:00からの入場券で再入場(チケットは別です)。今度は遺跡見学をしました。遺跡内は一方通行です。
最初の見張り小屋から遺跡全体+ワイナピチュ山が全て見えます。リャマも草を食べながら自由に遊んでいました。
見る景色全てが感動。
険しい山中、自然の中の石組みの太陽信仰遺跡。なぜここに?何のため?謎の空中都市マチュピチュ。とにかく来てよかった。


<帰国だ>


6日目6月26日帰国の途に就く。日本からマチュピチュ迄16170qの道のりでした。また、同じ経路を帰国です。

7・8日目6月27・28日リマを深夜2時5分発です。帰りは偏西風に逆らうので、往きより時間がかかります。また日付変更線を超えて28日金曜日19:40にやっと家に着きました。やはり、マチュピチュは遠いなぁ。

 
    ※写真はこちらです。  
     以上