◆富士山と桜のハイキング報告 

(實相寺~岩本山~龍巌淵 @ 静岡県富士市)

今回報告者:高橋聡(S57年卒)
掲載日:2024/4/19

 

【メンバー】

43小柴迪,44 中村一、阿部佳,45 清水敏,46 三木洋,48 斎藤隆、田尻哲、川嶋泰,49 鈴木幾、53 田中亨,55 北島博、三橋幸、舩生克,57 金井義、高橋聡,62生田恵
(16名)

 

【日程】

2024年4月7日(日)

 

【工程】

距離:9.9km登り:194m 下り:180m

< 20240407ヤマレコ實相寺~岩本山~龍巖淵 >
 
竪堀駅10:37 - 11:37實相寺仁王門 - 11:54東屋12:04 – 12:11鐘楼 – 12:13七面堂 – 12:30岩本山山頂13:10 13:22岩本山駐車場13:32 – 13:38展望デッキ13:40 – 14:30代信寺 – 14:40龍巌淵14:59 – 15:35JR竪堀駅
 

【まえがき】

日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS 2024.1.14~3.17放映 U-NEXT視聴可)
天才マエストロ(指揮者)の父 俊平(西島秀俊)と父を拒絶し音楽を嫌う娘 響(芦田愛菜)が、“富士山”をバックに市民オーケストラを通じて親子の絆と人生を再生させていく物語である。
物語の舞台は、“富士山を望む静岡県晴見市”。
「晴見市」は、なんと「富士市」であった!(富士市シティプロモーション課)
物語は、富士市が鳴り物入りで作った「富士市文化会館」(晴見市民ホール)で進んでいく。
晴見市長は、“音楽など金の無駄だ” と「晴見市民ホール」の閉館を決定する・・・。
富士市長は、プロデューサー・監督へ挨拶にロケ現場に出向いた・・・。
“そうだ! 富士、行こう!”

参照:「富士緑道(身延線旧線)~龍巌淵~岩本山ハイキング報告(2022年5月21日(土)

 

【報告】

 
 「JR身延線竪堀駅(たてぼり)」(標高:18m)

“桜と富士” の誇大広告(?)に誘われて、大勢の方々が遠路はるばる足を運んで下さいました!
ですが、意外にも(?)「身延線ってJRだったの?」「『かたほり』で検索しても出てこない!」とのことで、切符は「富士」までしか買えなかった方々、Suicaで来られた方々等々、JR東海「身延線」ガンバレ!
ちなみに「竪」は、「竪穴住居」の「竪」で、「堅」ではありません!
今回の集合・解散の「竪堀」駅は、筆者の最寄駅。
何はともあれ、お越しいただきありがとうございます!

 
 「竪堀駅前広場」

おっと、S57卒 KNI氏の紹介を失念しておりました!
駅前広場(?)で、自己紹介して頂きました。(筆者の同期)

 
 「竪堀駅前」(注:2024年3月10日撮影)

週間天気予報では雨だった天気は、皆さまの日頃の行いで、見事、晴となりました!
富士山は、朝の9時まではっきり姿を見せていて、“おぉ!やったぁ!” と思っていたのですが、「富士山」らしいといえば、「富士山」らしいです。
「富士山」急に雲隠れしてしまいました。結構、気難しいところがあります。
こちらは同じ構図の一か月前に撮った写真です。駅前はこんな感じです。(笑)

 
 「中島公園」

駅から「富士早川」沿いを南下するとすぐに小さな児童公園があります。
ここも桜の名所(?)で、早速ながら、“桜鑑賞” を楽しんで頂きました。
ちなみにこの「富士早川」はものすごく小さな川ですが、国土交通大臣が指定・管理を行う「一級河川」です。
注:「二級河川」は、都道府県管理

 
 「TKH氏宅」

道すがら、ちょっとここに立寄り、何故か記念写真(?)と撮ることに・・・
恥ずかしながら、筆者の拙宅です(泣)

 
 「東名松岡バス停西側」

東名高速道路脇も桜が満開です。
河川とか道路の “土手” には、やたら桜が植えられています。世の中、そういうものなんですね。
ここまでの道のり、皆さまに “雄大な富士山” をお見せできていたら・・・と思うと無念です。

 
 「實相寺総門」(標高:28m)

参道を通らず、予定よりほんの少し遠回りして、「雁堤(かりがね堤)」に登り、「富士川」も眺めてから、「實相寺」に着きました。
「富士川(ふじかわ)」は、日本三大急流の一つに数えられる “暴れ川” でしたが、江戸時代に古郡親子三代による「雁堤」の構築により、駿河国富士郡加島村は、富士川の洪水から守られ、「加島五千石」となりました。
ちなみに「富士川」は、古くから甲斐と駿河を結ぶ水運としての要路であり、また、地層学的「糸魚川富士川構造線」、電気的「50/60Hz境界線」でもある、“すごい” 川なんです!

 
 「實相寺仁王門」(標高:30m)

閑話休題。「實相寺」に話を戻します。
総門をくぐると立派な「仁王門」が見えてきました!
「仁王門」には富士市文化財の「阿」「吽」の木造「金剛力士像」が安置されています。
一見、大した寺でないと思える「総門」ですが、門額には大きく『安国道場』と書かれていたことに気が付きましたでしょうか?
「實相寺」は、久安元年(1145)建立の元天台宗の古刹で、正嘉2年(1258)「日蓮」がここの「一切経堂」に籠り、あの「立正安国論」の草案を書き上げました。
「一切経堂」には、平安時代の天台宗の僧侶「円珍」が唐より持ち帰った「一切経」が今も所蔵されています。
すなわち、ここ「實相寺」は、かつての日本を揺るがし、歴史にその名を留め、一代宗派となった「日蓮」の「法華経」の礎を築く舞台となった寺でした!
かつての “巨刹” にも拘わらず、現在、中はひっそりとしています。
外国人はおろか、日本人の観光客はいません!ガンバレ「實相寺」!

 

境内には、「総門」「仁王門(山門)」から「書院」「本堂」「鐘楼」「祖師堂」「一切経堂」「七面堂」「日蓮像」さらに・・・「天満天神宮」「常経稲荷」まであり、立派な伽藍(がらん)を構成しています。
正式名称「岩本山實相寺」・・・そうなんです!
この「實相寺」の山こそが、これから私たち一行が “登頂” を目指す「岩本山」です!

 
 「東屋」(標高:79m)

「本堂」(標高:44m)、「祖師堂」(標高:51m)を抜けて、途中の東屋兼見晴台で一休憩です。
目の前には「茶畑」がありますが、今は、新芽を刈りやすくするために高さを揃える「剪定」が済んだ状態でした。
後、もう一ヶ月「夏も近づく八十八夜〽」(文部省唱歌「茶摘」)の頃になると、新芽が緑の絨毯を敷き詰めたようになります。
素人「茶畑の所々に立っている高い位置にある扇風機は何?」
玄人「防霜扇(ぼうそう)。地表の空気を動かすことで、新芽の遅霜(おそじも)避け」
遅霜は、風の通り道がなく、冷たい空気がたまりやすい場所に発生し易いと聞いたことがあります。

注:「八十八夜」とは、立春から数えて八十八日、即ち、令和六年(2024)の「八十八夜」は、5月1日。

 
 「鐘楼」(標高:95m)

下にも立派な鐘楼がありますが、山の中腹にもこのような鐘楼があります。
その昔は、こちらの鐘で時刻を知らせていましたようです。
「強打禁止、やさしく一打」と書かれていることで、“自由に鐘を撞いて良いこと” を知り、各々鐘を鳴らしました。
そんなこんなで、ゆっくりしているので、もう、昼九つ(正午)を回ってしまいました!

 
 「岩本山山頂」(標高:192m)

登頂!
「七面堂」(標高:150m)を過ぎると、緩やかな坂道となりました。
山頂付近は広い公園になっており、岩本山最頂部で記念写真!
昼食タイムに入ります!

 
 「山頂パノラマ展望台」

岩本山最頂部にある展望塔です。
「富士山から南アルプス、駿河湾まで360度のパノラマが楽しめる・・・」とありますが、今では、周りの樹木もそれなりに大きくなっていて、樹木を垣間見る景色となっていました。
おっ!富士山の頭の先っぽが、見えています!
ですが、その存在がなかなか確認できない人もいて、分かった!分からない!の大騒ぎ。(笑)

 

山頂で、ゆっくりした後、公園内を移動中、桜の花越しに富士山山頂が見えています!
分からない人のために山頂をズームアップ・・・

 
 「霊峰 富士山」

日本一の山です!山頂の左端の「剣が峰」分かりますか?
富士山頂の「剣が峰」が、尖って見える富士山こそ、「表富士」の証です!(誇)

 

急いで、写真を撮ります!
「早く!早く!」と言っているうちにあれよあれよとまた雲隠れしてしまいました。
まあ、これで、「桜と富士」の宣伝文句に嘘偽りがなかったということが辛うじて証明できました。

 
 「展望張出デッキ」(標高:169m)

ここも北東から南西に開けた展望スポットです。
富士山から、愛鷹連峰、沼津・伊豆半島・富士・駿河湾・富士川まで一望できます。
夜景が綺麗なので、“アベック” に人気のスポットとなっています。
注:アベック「男女、特に恋人同士の二人づれ」(広辞苑第七版)・・・昭和の死語?(笑)

 

予定よりだいぶ遅れながら、下山開始です!
「岩本の山に桜をうえおきて いつかはさかる花見おもわん 岩松小学校大正十二年卒業生一同」@記念碑
大正12年(1923) 麓の岩松小学校の卒業生が、将来桜が咲く山になることを願って植樹したとは!
昔の子供は偉いです!筆者の愚息・愚娘たちも岩松小学校の卒業生なんですが・・・。
あれから100年経ち、当時の生徒が望んだ光景は、私たちを存分に楽しませてくれました!

 
 「茶畑」(標高:130m付近)

岩本山の東・南側斜面は、茶畑が広がっています。
ここからだと富士山の裾野までバッチリ見えるので、「茶畑と富士山」として有名な撮影ポイントなんです。
今回、富士山はあいにく雲の中ですが、そのかわり、富士山の裾野がよく見えました。
16名の団体となると、なかなか一団となって行動できないので、引率者(筆者)は、“野歩の会”の旗を掲げて歩いています。(笑)

 
 「代信寺駐車場」(標高:44m)

あれに見えるのが、今回の桜の超人気スポット「龍巌淵」です。(FNU先輩撮影)
桜が見事に咲き誇っています。
筆者もこの時期に訪れるのは、初めてなので、心が躍ります!

 
 「代信寺」(標高:45m)

この辺りは、富士市と富士宮市の市境で、寺の住所は、富士宮市でした。
この寺の墓地の間を通り抜けると、発電所の鉄管路に沿って、下の龍巌橋まで一気に降りられます。
地元民でもあまり知られていない秘密の抜け道です。(笑)

 
 「潤井川第三発電所」(標高:28m)

有効落差:32m 最大出力:2600KWの王子製紙の水力発電所です。
大正14年(1925) 運用開始ですが、現役の発電所です。
意外と知られていないのですが、天下の「富士川水系」は、“こんなところにも発電所があるッ!” と驚くような場所に水力発電所がたくさんあります。
しかもほとんどが戦前の作られたものですが、全て現役です。
興味のある方は、こちらをどうぞ!「水力発電所 富士川水系

 
 「龍巌淵」(標高:26m)

富士市が誇る「潤井川」の桜の名所に到着しました!
河原に降りると、河川敷には、菜の花が植えられていて、ものすごい綺麗です。

 

天端(てんば)に上がっての桜並木もご覧の通り、見事です!

 
 「滝戸橋」(標高:25m)

この橋からが、「潤井川の川面・桜・菜の花と富士山」の “絶景撮影スポット”となっています!

 
 「滝戸橋」(2024年3月31日 夕方撮影)

富士山はどこに見えるの?
一週間前に同じ場所から撮った写真も “証拠” としてアップしておきます。
夕方で桜も未だ数輪しか咲いていませんが・・・。

 
 「滝土橋西詰」(標高:23m)

記念写真をとります。
ここに来る頃には、バッチリ富士山が見えると願っていたのですが・・・残念!(泣)
ここは「潤井川」の分流「富士早川」の起点で、このまま「潤井川」沿いを下れば、未だ見頃の桜がたくさんあるのですが、桜は充分堪能して頂いたので、近道となる「富士早川」沿いを歩いて「竪堀」駅に戻ることにしました。

 
 「竪堀駅至近」(標高:18m)

咲き終わった “寒桜” 並木が続く「富士早川」沿いを下って来て、竪堀駅はもう目の前。
ここが今回の最後の桜です。
ということで、記念写真!

 
 「JR身延線竪堀駅上りホーム」

ここが、富士山の絶景が見られる最後のチャンスでしたが・・・(泣)

 
 「JR身延線竪堀駅上りホーム」(2024年3月10日撮影)

“本当だったらこんな感じですッ!” の一か月前の写真をもう一枚。
くどくてすみません・・・。(謝)

 
 「反省会」@や台ずし 富士駅前町

富士駅で下車、お楽しみ(?)の「反省会」です!
「桜」と「富士山」、やはり二兎を追うのは、非常に難しいです。
ですが、「桜」は、時期が奇跡的にピッタリ!
二兎を得られずとも一兎は得ることが出来たのではないでしょうか!
皆さま、お疲れ様でした!

以 上
 


 
 
※写真はこちらです。
その1)舩生(克)さん撮影
その2)高橋(聡)さん撮影
 

野歩の会HP