◆景勝地「十国峠」ハイキング報告
今回報告者:高橋聡(S57年卒)
掲載日:2025/5/14

【メンバー】
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- 本格班
- 48斎藤隆, 53田中亨,55北島博,57金井義、高橋聡
ゆるハイク班
- 42小野紘,44佐藤あ、阿部佳,45清水敏,46三木洋,48斎藤恭,55中島広
★十国峠から合流
- 46石井啓、
Popi Evelthontos(キプロス出身) & Popi’s ex-husband
【日程】
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- 2025年2月15日(土)
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【工程】
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- 距離:8.3km 登り:806m 下り:100m
<20250215ヤマレコ湯河原駅~十国峠>

距離:4.6km 登り:403m 下り:68m
<20250215ヤマレコゆとりろ熱海前~十国峠>

JR湯河原駅8:33 - 8:54湯河原温泉入口 –10:23沖電気健保前バス停 – 10:35ゆとりろ熱海前バス停11:00 – 11:18泉超峠 – 12:00岩戸観音分岐 – 12:20岩戸山13:10 – 13:32笹の広場 – 13:35土沢方面へ展望)13:38 – 13:46笹の広場 - 13:52東光寺13:56 – 14:06源実朝歌碑 – 14:17十国峠 – 14:30(十国峠ケーブル) – 14:55(伊豆箱根バス)
【まえがき】
- 「十国峠」
国土地理院の地図には、カッコ書きで「日金山」(にっきんさん)とある。
「伊豆」「駿河」「遠江」「甲斐」「信濃」「相模」「武蔵」「上総」「下総」「安房」の「十国」が望めるとされる「十国峠」であるが・・・。
「峠」とは、「尾根の峰と峰との間の低い鞍部をいい、尾根越えの道路が通じている所」と一般的に説明されている。
「十国」までは分かる。しかし何故、「日金山」の『山頂』を「十国峠」というのだろうか?!
しかも「十国峠」という呼び名は、江戸時代にはない。日本が近代になってからだ。
この秘密に迫ってみたい・・・。
参考:あたみ歴史こぼれ話第23話「昔から人々を魅了してきた十国峠からの絶景」
【報告】
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「JR湯河原駅」(標高25m)
本格班5名は、ここから歩きます。
写真右に写っているのは「手湯」です。「足湯」より簡単に温泉に触れることが出来る施設でしたが、ただそれだけでした(笑)。
ちなみに湯河原駅は、神奈川県最西端の駅です。これもただそれだけの話ですが・・・
湯河原については、こちらも→「湯河原城山ハイキング(2023/4/16)」

「湯河原温泉入口」(標高9m)
一旦、海辺の国道135号まで温泉街を降りてきました。
国道からだとここが、湯河原温泉街の入口です。
温泉街の宿泊客数としては、箱根と熱海の1~2割と大きく水をあけられていますが、その分、オーバーツーリズムの影響もなく静かなところです。

「潮音寺入口」(標高15m)
国道135号で千歳川を渡って、「潮音寺」脇から、いよいよ登山開始です!
当分の間、道は舗装されていますが・・・

「一休憩場所」(標高120m)
ひとしきり登ったところで一休憩。
湯河原駅方面をバックに写真を撮りました。
写っている後ろの山は、「城山」でしょうか?→「湯河原城山ハイキング(2023/4/16)」

「お地蔵様」(標高233m)
こんなところにも「お地蔵様」が・・・
私たちが道端で何気なく見かけながら、つい見過ごしてしまう「地蔵」とは?
その正体は、「衆生(しゅじょう)を救う」仏教の「地蔵菩薩」だそうです。
ここもそうですが「お地蔵様」が六体?
衆生が輪廻転生(りんねてんせい)する六つの世界、「六道」(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)のそれぞれを担当するため六体揃えられているそうです。
今さらですが、合掌・・・

「舗装道終点」(標高320m)
いよいよ舗装された道はここまで。
舗装こそされていましたが、農道なので、ここまで民家など一軒もなく、車は全く通りませんでした。

「七尾峠」(標高387m)
静岡県道102号「十国峠伊豆山線」に出ました。
名前のごとく十国峠の南の熱海峠から万葉公園、泉地区を回って国道135号上の伊豆山交差点へと至る道路だそうです。
しかしながら計画から半世紀以上たった今でも、十国峠-泉地区は着工されず、泉地区と伊豆山地区をつなぐだけの道路に留まっています。
近くの「沖電気健保前」バス停で記念写真!
ここから、集合場所の次のバス停まで、バス通りを進みます。

「ゆとりろ熱海前」バス停(標高436m)
ゆるハイク班(本隊?)が到着しました!
熱海駅から文明の利器を使って。

「ゆとりろ熱海前」バス停先の分岐
全員揃ったところで、記念写真!
ここからは、総勢12名で行動開始です!

「泉越峠」(いずみごし)(標高473m)
ここから、山道に入ります。
ここまで、幅員6mくらいの良い道路でしたが、途中に車が入れないようゲートがあって、全く使われなくなっています。
せっかくの良い道を作っておきながら、使い道がないなんて、もったいないと思いながらも、こういった無計画な開発行為が、あの「伊豆山土石流災害」(令和3年(2021)死者28名)を招いたのかも知れません。

「岩戸観音分岐」(標高490m)
「岩戸観音」と謂われる、露出した巨大な一枚岩の石窟に祠があり、観音様が祀られているそうです。
分岐道は分かりませんでした。
後で調べても「岩戸観音」の写真はありましたが、国土地理院地図で場所は特定できませんでした。

「JR東海 熱海分岐線鉄塔No.14」(標高624m)
写真右の看板の「直進 危険 急坂」を下ると「岩戸観音」に出られるそうです。ロープを使う必要があるそうですが・・・。
それより、紹介したいのは、この送電線「JR東海 熱海分岐線」!
「JR東海 西相模周波数変換変電所(東電 西相模変電所隣接)」から「JR東海 沼津変電所」への送電線「JR西相模-沼津線」のNo.74鉄塔から分岐して、伊豆山の「JR東海 熱海変電所」への送電線です。
マニアックな話ですが、この送電線が、電力会社のものではなく、「JR東海」のものというところがミソ!
我が国は、富士川を境に東は50Hz、西は60Hzと周波数が異なっていますが、東海道新幹線は全線60Hzにしたことで、富士川鉄橋を跨いで走ることができています。
そのため、東海道新幹線の富士川以東の50Hz地域では、東電からの50Hzを60Hzに周波数変換する必要があります。
要は、この送電線は、富士川以東にも拘わらず60Hz送電線(77kV)であること、しかも、昭和39年(1964)新幹線開業時に建設されたもの!
ご興味ある方はこちら↓
東海道新幹線 西相模周波数変換変電所の静止型化について
東海道新幹線 すべての周波数変換装置の静止型化について

「岩戸山山頂」(標高734m)
岩戸山登頂!
伊豆の山と海が見えますが、山頂は狭いです。
ちょうど先客が場所を空けてくれたので丁度良かったです。
昼食といつもの(?)コーヒータイムでしばしまったり~

「笹の広場」(標高700m)
土沢からくる日金山ハイキングコース「石仏の道」に出たところで、天気も良く、少し寄り道することに。

(標高690m)
「石仏の道」を見晴らしの良いところまで少し下ってみました。
沖に見えるのは、「初島」でしょうか?
「初島」は、今の状況は分かりませんが、その昔、高度成長期のレジャーブーム、バブル時代など、首都圏から最も近い島として人気を博したらしいです。
ちなみに「初島」は、東京都の伊豆島嶼部ではなく、静岡県最東端の島です。

「末代上人(まつだいしょうにん)宝筐印塔(ほうきょういんとう)」(標高705m)
看板抄写:
「日金山で修行した末代上人(富士上人)は、富士山頂に大日寺を建立し、富士山の山岳仏教を定着させた。この宝篋印塔は、文化11年(1814)般若院の第九代住職(周道)が “奉日金山再建末代聖人一千年忌”として建立」とのことです。
200年以上も前に建てられているのです!

「日金山(ひがねさん)東光寺(とうこうじ)」(標高710m)
「走湯(はしりゆ)権現」(伊豆山神社)の元宮。
応神4年(273)松葉仙人が不思議な光る鏡を小さな祠に祀ったのが開山起源とされ、その後、推古天皇2年(594)に「走湯権現」の神号を賜り、承和3年(836)現在の伊豆山神社の地に遷座したとされています。
いずれにしても歴史があります!

「源実朝歌碑」(標高750m)
「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」
昭和8年(1933)に建てられたそうです。
日金山、侮れないです!

「十国峠」(標高771m)
ついに最終目的地「十国峠」に到着です!
それぞれの「国」の方角には、矢印形した「国名」標があって、確かに360度見渡せます。景勝地です!
さて、何故、山頂に「峠」と名付けたのだろうか?!
その謎に迫る前に「十国」の読みは「ジッコク」か「ジュッコク」か?
文化庁「平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について」によると 十匹:じっぴき23.3%、じゅっぴき75.1%!
ということで、文化庁の「常用漢字表」(平成22改訂版)で、「十」の読みに「ジュウ」「ジッ」に「ジュッ」とも、と付け加えられています。
ということで、今はどちらでも良いってことです!
山頂を「峠」とした謎は、謎のままですが、文明の利器で下山します!

「十国峠ケーブルカー」
「十国峠山頂駅」と「十国峠山麓駅」の高低差101 mを僅か3分で降ります。
昭和31年(1956)開業ですが、戦時中に不要不急線として全線の撤去の憂き目に遭った大正14年(1925)開業の妙見鋼索鉄道の上部線を転用「十国峠山麓駅」しているので、現在でも大正時代製造機材が使用されているとか!
「十国峠山麓駅」からバスで熱海駅に向かいます。
十国峠は、昔から、熱海と箱根を結ぶ交通の要所なんですね!
バスは、静岡県道20号「熱海箱根峠線」を走りますが、この県道の歴史もすごい!
昭和7年(1932)駿豆鉄道が開通させた「十国自動車専用道(箱根峠 - 熱海峠)」を昭和39年(1964)に静岡県が買収して県道としたとか!

「笑笑熱海駅前店」
お楽しみ(?)の反省会です!
十国峠の集合写真で人が増えていたのに気が付きましたか?
十国峠の写真には、キプロス(Κύπρος)の女性をはじめ3名増えて15人が写っています。
反省会には、参加されず、帰られた方がいたのですが、ここにも何故か15名写っています(笑)
どなたが入れ替わったか、分かりますか?
・・・、お疲れ様でした!
以 上

※すべて写真はこちらです。
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