◆第1回京都トレイル 報告 ②

「1日目:伏見桃山~大岩山~稲荷」

今回報告者:高橋聡(S57年卒)
掲載日:2024/4/11


【日程】

2024年3月17日(月)
 

【1日目 メンバー】

42小野紘,44中村一、佐藤あ、阿部佳、篠原康,46三木洋,48沼田泉、斎藤恭、石井啓,49鈴木幾,53田中亨,55北島博,57高橋聡

 

【1日目 工程】

伏見桃山~大岩山~稲荷

距離:10.2 km 登り:290 m 下り:274 m

<20240317ヤマレコ伏見桃山~大岩山~稲荷>


桃山御陵前駅10:20 - 10:25御香宮10:28 – 10:57伏見桃山城 - 11:52深草トレイル⑱11:59 - 12:16大岩山展望所12:31 - 13:21仁明天皇陵 - 14:19 JR稲荷駅

※注) 雨天のため、東山F27標識で中断

 

【1日目 報告】

 
「近鉄桃山御陵前駅」

ここからスタートします。
なんと昭和3年(1928)旧奈良電鉄の開通時から、高架駅として開業しています。
桃山御陵の参道に踏切は許されず、かといって地下は、伏見酒造組合が地下水脈への影響を訴えため、泣く泣く高架にせざるを得なかったとか。
お上と酒の力、恐るべし・・・

 
「黒田節 誕生の地」

〽酒は呑め呑め 呑むならば 日本一(ひのもといち)の この槍を 呑み取るほどに 呑むならば これぞ真の 黒田武士〽
歩き始めてすぐにこんな立札が立っていました。
ここ福島正則の屋敷で、正則が黒田家の家臣 母里太兵衛に「飲めば望みの品を取らす」と大杯に注いだ酒を強要、太兵衛は大杯の酒を見事飲み干し、正則が豊臣秀吉から賜った秘蔵の槍を持ち帰った。
しらふに戻った正則は、後悔して返して欲しいと頼むも、槍は返してもらえず、今も福岡にあるとのこと。
酔った勢いって怖いですね!酔いが冷めて後悔!・・・身につまされる思いを感じるのは筆者だけでしょうか?(笑)

 
「御香宮神社」

その先に大きな神社がありました。
SNH先輩曰く、ここの湧き水は「御香水」という、ありがたい「お水」だそうで、その水を汲みに立ち寄ったとのことです。
伏見は、質の高い伏流水が豊富な地であるが故、日本を代表する酒どころになったそうです。
なるほど!

 
「伏見桃山城」

「伏見城」は豊臣秀吉が築城し、栄華を極めますが、やがて廃城となり、城跡には桃の木が植えられて「桃山」と呼ばれるようになったそうです。
信長の「安土城」、秀吉の「伏見城」時代を「安土伏見時代」と言わず、「安土桃山時代」ということに納得です。
時は流れ、驚くことに、昭和39年(1964)「近鉄」が「伏見城」(擬き)の再建を果たします!
当時は「お城のある遊園地」として人気を博したそうですが、レジャー多様化により来園者は減少、ついに平成15年(2003)廃城となってしまいます。
新城主となった京都市は、辺りを公園として整備しますが、城の補修費が捻出できず、いまだに廃城のままです。
再び登城できる日は来るのでしょうか?

 
「伏見北堀公園」西側

NKM隊長を先頭に足取りも軽やかに一行は進んでいきます!
住宅街を抜けて、舗装された山道をゆっくり登っていくと、途中「メガソーラー」が広がっていました。
なんでも元は「伏見桃山ゴルフコース」(昭和42年(1967)~平成26(2014)閉鎖)というゴルフ場だったらしいです。
「メガソーラー」とは、未利用の広大な土地に設置する、メガワット(1MW=1,000kW)以上の大規模な発電容量の太陽光発電設備をいいます。(筆者専門域)
平成24年(2012)「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT)を機にブームとなった太陽光発電ですが、メガソーラー事業者にとって、倒産したゴルフ場は、格好の狙い目なんです。
ですが、買取価格も順次引き下げられて、採算がとれないメガソーラー設備の将来が不安です。
「立つ鳥跡を濁さず」ならば「後は野となれ山となれ」
不用になったものは跡形もなく撤去すれば、やがては元の野や山に戻ります・・・(拝)

 
「大岩山(おおいわやま)展望所」(標高182m)

本日の工程のピークです。
あいにく雨がぱらつき出してしまいました。
山頂には、通信施設(NTT・テレビ電波中継施設・ラジオ送信施設)の電波塔があって、山頂は行けませんでした。
山頂脇の展望所からは、視界は今一でしたが、市内が見下ろせました。

 

「大岩山展望所」からは、“山道” を下ります。
ここまで、公園内を除くとずっと舗装道路でしたので、やっと山道を歩けます。

 
「大岩神社入口」

少し下ると分岐がありました。
後で確認したのですが、ここが「大岩神社」に通じる「参詣道」でした。
写真の鳥居の奥に見える石段を右に登ったところに「大岩神社」の結構立派な「お社」があるようです。
参詣なら、下から「参詣道」を登って参詣すべきでしょうが、「京都一周トレイル®」は、山道を降りてくる形となり、残念ながら素通りです。(泣)

 

「参道」を下って行くと、辺りには、“ものすごい数” の「神様」が鎮座しています。
こちらは、「白岩龍王」と彫られた岩が中央に鎮座しています。
経年劣化で荒れてしまったものもありますが、とにかく “やたらに” 個々人の神を祀った「お塚」が建てられています。

 
「堂本印象」の一の鳥居

突然、周りの風景にそぐわないエキゾチックな鳥居が現れました。
角柱に何やらいろいろな人物像や紋様が浮彫りされています。
謎めいた鳥居だったので、とりあえず写真を撮っておきましたが、京都の日本画家「堂本印象」の寄進した石造彫刻の鳥居とのことです。
山頂付近の「大岩神社」の境内にも一基あるそうです。

 
「白龍池」

こんなところに池が!
お塚には、「白姫龍神大神」 とあるので、龍神が住んでいます!
神秘的でちょっと不気味な池でした。

 
「深草の竹林」

京都の竹林といえば、嵯峨野や嵐山が有名ですが、ここ「深草」の竹林も昔は有名だったらしいです。
それなりに綺麗に手入れされているところが多かったです。

 

小川が小さな「滝(瀧)」を作っていました。
水の流れが、まさに崖を登る龍の姿に見えてきました!
なるほど、水の「氵」に「竜(龍)」で「滝(瀧)」!
おぉ!昔習った漢字の成り立ちの会意・形声文字を思い出しました!

 
「大岩神社入口」

大岩神社への参詣道の入口です。
謎の鳥居の正体も立札に書いてありました。(笑)
「大岩神社」は、昔は稲荷山と並ぶ信者、参拝者がいたそうですが、今では大きく水をあけられています。
やはり外国人には、「映え」が必要なのかも知れません。

 
「大岩街道」

車道に出ました。雨は降ったり止んだりです。

 
「仁明天皇 深草陵(にんみょうてんのう)」

えっ、天皇陵?
一応、宮内庁の立札ですが、こんなところにこんな小さい?
住宅に挟まれていたので、入口を見落としましたが、地図を見返すと、この奥にちゃんとした大きな天皇陵がありました。
仁明天皇は、第54代天皇(天長10年(833)~嘉祥3年(850))です。
いつもながら(?)、素通りしました。(笑)

 
「伏見稲荷」

コースは、「東山F27」道標で右折して、稲荷山南麓の「東山F34」道標を回って、稲荷神社に来る予定でしたが、雨脚が強くなってきたので、「東山F27」道標から直接、稲荷神社に向かいました。
ここで、反省会までの時間をどうするか、作戦会議(?)の結果、東横インのロビーで「軽く」!という妙案(?)に行きつきました。

 
「なごみ煉 烏丸店」

本番開始まで、二時間ほど時間があったので、一次会(?)で、既に酒を相当飲んでしまいました。(笑)
何はともあれ、今日は、お疲れ様でした!
 

以 上 

【他の報告へのリンク】

その① 概要

その② 1日目:伏見桃山~大岩山~稲荷(このページです)

その③ 2日目オプション(1日目リベンジ編):F27標識~白菊の滝~稲荷山

その④ 2日目(本編):稲荷~清水山~蹴上

その⑤ 3日目:蹴上~大文字山~浄土寺橋
 
 

【1日目の写真】

この日の行動写真をこちらに掲載しています。
  


  

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