◆第1回京都トレイル 報告 ⑤

「3日目:蹴上~大文字山~浄土寺橋」

今回報告者:高橋聡(S57年卒)
掲載日:2024/4/11


【日程】

2024年3月19日(火)
 

【3日目 メンバー】

42小野紘,44中村一、佐藤あ、阿部佳、篠原康,46三木洋,48斎藤恭、石井啓,49鈴木幾,53田中亨,55北島博,57高橋聡

 

【3日目 工程】

蹴上~大文字山~浄土寺橋

距離:6.9 km 登り:408 m 下り:390 m

<20240319ヤマレコ蹴上~大文字山~浄土寺橋>


蹴上駅8:05 - 8:13インクライン - 8:47神明山 - 8:59七福思案処 - 9:43大日山 - 10:30大文字山四つ辻 – 10:38大文字山11:29 - 11:36大文字山四つ辻 – 12:03俊寛僧都忠誠之碑 - 12:32瑞光院12:42 - 12:55霊鑑寺12:59 - 13:02安楽寺13:03 - 13:10法然院13:21 - 13:31銀閣寺橋西詰13:43 - 13:49浄土寺橋 - 13:51銀閣寺道バス停

 

【3日目 報告】

 
ねじりまんぽ

「早起きは三文の徳」今日も朝早くから行動開始です!
「インクライン」見学隊4名!
蹴上インクラインの下にあるトンネルで、「ねじりまんぽ」なんて、奇妙な名前と思ったら、トンネル状の斜めアーチを煉瓦等のブロックを斜めに積んで構築する「組積構造」技法の一つで、専門用語のようです。

 
蹴上インクライン

“鳴くよ鶯平安京”、御存じ794年平安京遷都、以来千年以上、京に都がありました。
明治になって江戸に都が移されると京都は衰退を憂い、打った秘策が「琵琶湖疏水」だそうです。
舟運に水路の高低差は問題で、これを克服するために疏水上流の「蹴上船溜」と下流の「南禅寺船溜」を舟ごと台車に乗せて運ぶために作られました。明治24年(1891)運用開始してから戦後の昭和23年(1948)まで実際に使われていたというのに驚きです。
ちなみにインクライン(傾斜)とは、産業用(貨物用)鋼索鉄道をいい、旅客用鋼索鉄道をケーブルカーといい、原理は全く同じです。

 
「南禅寺船溜」

せっかくですので、インクラインの線路を下の「南禅寺船溜」まで下ってみました。
正面に見えるのがインクライン上の台車に接続したワイヤーロープを巻き上げるウインチの操作室だそうです。

 

引き返して、上の「蹴上船溜」までインクラインの線路を登ります。
約600m、登り36mのハイキングです。(笑)
線路の両脇には、桜が植えられていました。
桜は未だ全く咲いていませんでしたが・・・

 
「蹴上船溜」

さて、「京都一周トレイル®」3日目、地下鉄蹴上駅に集合!
地下鉄の駅だったので、大事な(?)出発時の集合写真を失念しました。
「蹴上船溜」を「大神宮橋」で渡ります。

 

「日向大神宮(ひむかい)」のところで、ルートが2経路に分かれます。
明神山経由の「従来ルート」(標識34~37)と天岩戸経由の「新ルート」(標識33-1~33-2)があり、「どっちの方が楽?」という声も聞こえましたが、気が付くと「従来ルート」を進んでいました。
まあまあのきつい登りでした。
正解は、分かりませんが、ルート標識の図の線の太さを見る限り、「新ルート」が “メジャー” みたいです。

 
「明神山」(標高:218m)

“一応”、「明神山」と書かれた木板と三角点がありました。
景色が見える訳でもなく、素通りですが・・・

 
「大文字山四つ辻」(東山45標識)

結構な距離を下ったり登ったりで、ついにここまで辿り着きました!
トレイルコースは、ここで左折しますが、我々は、直進して大文字山山頂を目指します!

 
「大文字山」(標高:465m)

登頂!
西側が開けていて、京都市内を見下ろせます。
ここで、昼食とMIKコーヒーを頂きます。いつもながら、ありがとうございます!

 
「菱形基線測点」

山頂に何やら石柱が建っていました。
「NO.29 菱形基線測点 建設省国土地理院」と刻まれたプレートが貼られています。
測量士有資格者もこれは知りませんでした!
測点4点を菱形(四角形)に配置して、各辺と対角線の計6か所の点間距離を測ることで地表の変動を調べるために全国に14ヶ所設置されているそうです。
ここ「大文字」と追分、花山天文台、新山科浄水場の4点で「京都菱形基線測点」を構成しています。

 
「京都菱形基線測点位置図」

京都菱形基線測量結果は、こちら(国土地理院地殻調査部報告)

 

「大文字山四つ辻」に戻り、トレイルコースの鹿ケ谷(ししがたに)方面に下ります。
谷筋を延々と下って行くのですが、谷は倒木だらけです。

 
「俊寛僧都忠誠之碑(しゅんかん そうず)」

だいぶ下ってきたところに、これまた大きな石碑が建っていました。
安元3年(1177)の平家打倒の陰謀事件「鹿ケ谷の陰謀」ですが、「俊寛の山荘」でその陰謀を企てたとされています。その山荘がこの辺りにあったらしいです。
碑は、昭和10年(1935)に建てられたそうで、その時代によくもまあ、このような大きな岩をどうやって立てたのか、感心します。

 
「瑞光院」

山道を下り終わりました。ここで、用を足すのと休憩します。
入口に立っているこの僧侶の像が「俊寛僧都」でしょうか?

 

ふと足元に小さな可憐な花が!
花の名前を調べるアプリ「GreenSnap」で調べると、75%確率で「サクラソウ」。
但し、サクラソウは、現在、日本で322種も認定されているというから、驚きです。

 
霊鑑寺(れいかんじ)」

 
安楽寺(あんらくじ)」

 
法然院

ここで、浄土宗の祖、法然上人を崇拝する(?)隊と真っ直ぐゴールに向かう隊と二手に分かれました。
拝観料無料だから?(笑)
山門を抜けると、両側に白い盛り砂「白砂壇」がありました。
砂壇の間を通り、心身を清め、浄域に入ります!

 

水盆に添えられた「椿」の葉先から、一条の水が滴っています。
粋な演出に思わず感動です!
あとで聞けば、法然院の椿は有名だとか・・・

 
哲学の道

いよいよゴール間近です。ここも「琵琶湖疏水」の「疏水分線」なんですね!
「哲学」とは何か?ふと考えてしまいました。
“概念的な何か”を研究する?・・・「数学」「物理」「工学」を愛するには筆者には理解できない学問です。
「〽ソ・ソ・ソクラテスかプラトンか、ニ・ニ・ニーチェかサルトルか、みんな悩んで大きくなった!〽」
サントリーのCMで、哲学者の名前を覚えました。(笑)

 

バス停に向かう途中で、先ほど登った「大文字山」の「大文字焼き」するところの『大』の字が見えました!
盆の送り火として松明を『大』の字に灯す「大文字焼き」は、誰でも知っています。
関西では、「大文字送り火」というそうで、「大文字焼き」は関東だけで、関西では決して言わないそうです!
意外な事実がいろいろ出てきますね!

 
「銀閣寺通」バス停

これで「京都一周トレイル®」第1回令和6年春の陣、終了です。

 
「こけこっこ」@ JR京都伊勢丹

3日間、お疲れ様でした!
NKM先輩、皆様、ありがとうございました!

 
「花の舞」@京都京都駅中央口店

「五条大橋」は、弁慶が身軽な牛若丸に破れ、以来牛若丸の家来となった逸話の橋。
義経を守り、絶命しても最後まで倒れず「立ち往生」した豪傑な弁慶ですが、唯一の「泣き所」も有名です。
毎回、一次会では終わらないのが、写真の面々の「泣き所」でしょうか(笑) 
 

以 上 

【他の報告へのリンク】

その① 概要

その② 1日目:伏見桃山~大岩山~稲荷

その③ 2日目オプション(1日目リベンジ編):F27標識~白菊の滝~稲荷山

その④ 2日目(本編):稲荷~清水山~蹴上

その⑤ 3日目:蹴上~大文字山~浄土寺橋(このページです)
 
 

【3日目の写真】

この日の行動写真をこちらに掲載しています。
  


  

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